部屋の片付けをしていたら、隅から、毛糸がこんがらがって丸まったようなカタマリが出てきた。
よく見ると、一応、編み目らしきものが見える。
そうそう、ちょうど去年の今頃、初めてのかぎ針編みに挑戦したんだっけ。
で、いったい、何つくろうとしてたんだっけ?
麦の腹巻きにもならない糸のきれっぱしを眺めながら、ほんとに、真剣に、思い出せなくて悩んだ。
これまでも、3年に一度くらいのペースで訪れる「手芸熱」。
だいたい、
1、秋が来て温度が下がり始めて、いかにもソレラシイ気配が漂い始める
2、仕事が立て込んできて、逃げ出したくなる
これくらいの時期が、熱にかかりやすい。
森暮らし、という絶好のシチュエーションが拍車をかけ、少し頻繁になってきた。
おまけに、こちらに来て知り合った女性軍には、ちくちく器用な人たちが多い。
影響を受けやすく、熱しやすい私。
よせばいいのに、今年の自分に課した目標は「レース編み」。
レース編みなんて、これまでは「おばあちゃんぽ〜い」と思ってきたけど、(今でも、バラとかアルファベットとかちりばめた、でっかいテーブルクロスとかテーブルセンターとか、額に入れて飾っちゃうようなやつには興味ないけれど、)麻の混じった糸や生成りの糸とかで編む、小さいコースターとかポットマットとかなら、かわいいかも、と思い始めた。
思い始めると、妄想はふくらみ、「お店を始めたら、グラスとかそれに載せて出したら可愛いかも、かも〜♪」というところまで、一気に暴走してしまう。
そして、足取り軽く、お隣町で材料を購入。初心者向けの、いかにもすぐ編めちゃう!みたいなコピー付きの教本もゲット。準備万端。
よしっ。
・・・・・
あ、あれ?指がつりそう〜(半泣)
んんん、そんなところに針なんて入らんっ(泣)
手首がおかしな向きになってるけど・・・?(汗)
ううー、こ、この、イラストの意味が分からん〜〜ど、どぉいう意味ィ・・・?(号泣)
結局、初日の昨夜は、すべての物事の始まりとなる「くさり編み」をマスターするだけで、3時間程を要し、肩も首もこりこり、目がチカチカになって、ソファに突っ伏したのでした。
またはじまっちゃったよ、という、相方と麦の冷たい視線を横目に、また、自分自身の「アンタも懲りないねぇ。また、すぐ放り投げてホコリかぶるのにさ」という悪魔の声を振り払いつつ、なんとか今年こそは、
「冬の山暮らしは、雪の降り積もるなか、薪ストーブの燃える暖かい部屋で、ゆっくりと編み物をするのが、至福の時ですね(微笑)」
と、のたまうべく、さて、今日も可憐なレース糸との壮絶な格闘の開始っ。
「やれやれ。関わらないのが一番」(by麦)
くれぐれも、3ヶ月後くらいに、「あれ、レース編み、どーした〜?」と無邪気に聞かないで頂けますよう、あらかじめここでお願いしておきます。