−15℃を下回る寒さはつづく。
朝から薪ストーブをゴウゴウ焚いても、室温もなかなか10℃を超えない。(10℃もあれば十分暖かく感じるのだけれど。)
この冬は、去年、地元の知り合いからもらった建築廃材があるので、ずいぶん助かっている。
薪のストックの有る無しでの気持ちの明るさはまったく違う。
上等な広葉樹の薪ではないぶん、余計に気楽にバンバン使えるのもありがたい。
はじめ廃材で勢い良く熾して、暖まってきたら、太めの広葉樹薪でじわじわ点けておく。
面倒なのは、もらってきた廃材のストック場所がなく、アプローチに剥き出しで山になっているので、そこから運び出さなくてはならないこと。
雪が降ると、埋もれてしまう。
明日からまた雪の予報だったっけなと思い出し、午後になってひと仕事。
山のなかから、傷みや塗料などがついていないものを薪ストーブ用に、それ以外をお風呂沸かし用にわけて、それぞれの置き場に少しずつ運ぶ。
北側の地面はスケートリンクのようにツルツルなので、危なっかしくてちょっとずつしか運べない。
前にソリを使ってみたりしたけど、ひっくり返ってうまくいかなかった。
地味に、黙々運ぶしかない。
地味だけど、何往復かするうちに身体が温まってくるのはいい。
足元にじゃれついてきたり、日なたぼっこしながら傍観してるソト猫たちが、ちょっとは手伝ってくれたら助かるのに!
なかなか日本昔話の「いつぞや助けていただいた御礼に...」と夜中にお供えものがあったり、薪がキレイに片付いていたり、ということは、ないものですね。。
ごそごそ働いているときに、すぐ近くで銃声がした。
パーン、パーン、と大きな乾いた音が2回。
ドキッとする。
冬場、雑木林の遠くのほうから響いてくることはよくあるけれど、こんなに近くで聞くのは珍しい。
このへんは、通学路にもなっているから、禁猟区ではなかったか?
しばらくして、オレンジ色のベストを着たおじさんの乗った軽トラが、前の道を川のほうに向かって行って、それからあとにもう一度、パーン。
うちから100mくらい先の、地蔵川沿いの笹薮のあたりらしい。
覗きに行こうとしたら、相方に危ないからと止められた。
そのあと、犬の散歩にいった相方が近所のSさんと話をしたところでは、キジ撃ちにちょこちょこ来てると、と。
たしかに、川沿いの薮からうちの前の畑までは、キジの道。姿も足跡もよく見かける。
百々と歩いているとき、すぐ横の薮からバサバサっと飛び立つから、こっちがびっくりすることも。
たいていいつも親子連れで、小さい子供も親の後を必死に追いかけて行く。
今回、仕留めたのかどうかはわからない。
突然の銃声で胸がドキドキしたことの腹いせもあって、仕留めてなければいいのに、とも思う。
猟を描いた小説やエッセイを読むのは好きだけれど(今も久保俊治の『羆撃ち』を読んでいる最中)、実際の現場はやっぱりあまり見たくはない。
おまけにあの道はソト猫たちもよく歩く。間違って撃たれないといいけれど...と考えたりしながら、しばらくそわそわした気分が抜けなかった。
百々の散歩にも、目立つ服を着ていくようにしないとな。
これは、数日前の散歩中に道ばたで見つけた雪上の足跡。
人間の足の裏を左右さかさまにして、長さ3cmくらいに縮めたようなかたち。
調べたら、リスのものらしい。足型なのは後ろ足、小さい2つが前足。
野うさぎの足跡は多いけれど、リスでここまでくっきり残っているのはあんまり見たことがなかった。
あんまりはっきり5本指で人間の足跡に似ているから、小さい雪男出現か!と、まじまじ見てしまった。
足跡は、しばらくごちょごちょ留まったらしいあとに、50cm以上離れた間隔で勢い良く、林に向かって消えていきました。