2月14日からの大雪について。
twitter では状況をその都度お知らせしてきましたが、ブログを書くまでの気持ちの余裕がなく、気になって覗いて下さった方にはリアルタイムでお役に立てずすみません。
今回の北軽井沢の積雪量、正確なデータはないのですが、ざっと私の胸の高さまで。130cm前後でしょうか。
(草津で160cm以上、軽井沢で100cmという記録の間をとっても(?)だいたいそのあたりだと思われます。)
先週の雪も残っていたので、場所によっては背丈くらいのところもあります。
ここまでの雪はもちろん初めての経験です。
今もまだ混乱は残っていますが、記録のためにもざっと振り返っておくことにします。
○2月14日(金)
私だけ仕事のため東京にいたのですが、予定を切り上げ、早めに帰路へ。
午前中から私鉄には遅れが出始めていましたが、長野新幹線はまだ平常運転。
昼過ぎ、軽井沢に着くと、すでに駐車場の車が見分けにくいほど積もっていて、国道18号〜146号も圧雪してきて運転もひやひや。
ひとまず帰宅できたことにホッとし、先週くらいの積雪は覚悟していましたが、この時点では動けなくなることまでは予測せず。
そのまま暗くなったので、外の様子はわからないまま、深夜にはフィギュアを観戦。羽生くんのメダルをtwitterで友人と喜び合ったり。今思えば、なんと暢気な!
その頃から、あちこちの道路で立ち往生も始まっていたことになります。
○2月15日(土)
朝。未明まで起きていたのでゆっくり寝坊するつもりだったのですが、相方の雪掻きの音と、なんとなく嫌な圧迫感を感じて早めに起きると、もうこれくらいに...
まだまだすごい勢いで降り続いているので、玄関前から車までの道、犬小屋までの道を掻いているそばから、あっという間に掻いた部分も埋ってしまう。
掻いてもムダとは思いながらも、何もしないよりかはと堀り進める(掻くというよりはもう「掘る」としかいえません)うちに、昼前には降り止み、青空も覗き始める。
ピラミッドか古墳のような車をとにかく掘り出すことから。
車の周りをよけても、車から降ろした雪でまた出直しの延々の繰り返し。
車の全貌が見えて来たときには、思ったよりも低いところにあるので(自分たちが立っているレベルがタイヤの上のあたりだったので)驚きました。
搔き出した雪で、両サイドは背丈よりかなり高くなっているので、スコップを振り上げるのもひと苦労。
よそがどうなっているのか確認しにいくこともできず、夕方まで雪掻きを続け、この日は家のアプローチと車をあらわにしたところまで。
家の前の町道は一面胸の高さにあるので、20mほど先の四つ辻まで自力で掻くことも至難の業。
あとは重機の到着を待つよりありません。
○2月16日(日)
朝から青空。
普段ならまとまった積雪のあった翌日にはだいたい来てくれる除雪車も、今回ばかりは近くにやってきた気配もなく。
ご近所の大工Hさんなど自前でユンボを持っている人は、自分の敷地は自分でと動き始める。
私たちもどこにも出られないままじっとしてもいられないので、四つ辻まで人ひとり蟹歩きができる道づくり。道、というより、溝、というか、クレバス!(ウェストサイズ80cm以上のひとはすり抜けられません!)
四つ辻から国道までは300m。ここもまだまともに除雪はされていなかったのですが、車が1台無理矢理通った跡があったおかげで、人は歩いていくことができそう。
昼前、クレバスを抜けて外界へ脱出。国道までの道の途中で、スタックしたまま埋もれてしまった車が1台。近くの別荘の方が出ようとして動けなくなったらしい。救助は呼んであるとのことと、動かせたとしてもその先に進む道がなく、しばらくはどうしようもないため、先へ進む。
国道は、思ったよりすでにきれいに掻かれてある。一車線分なので、すれ違いは大変そう。
幹線沿いの家は、動きやすく余裕もあるからか、自分の敷地を片付けて、スノーモービルで遊んでいる人も。
歩いていても、ときどき風で雪が煽られ、ホワイトアウトする。
「SAVE ON」まで行くと、いつものスタッフが迎えてくれて、その笑顔に安心する。お弁当などの棚はすでに空っぽだが、その他はほぼ普段どおり。
国道146号は、この時点で、長野原方面へは一車線ギリギリなら開通済み。ということは、かろうじて「陸の孤島」状態からは免れている。
峰の茶屋経由の軽井沢方面は、県境までは行けるけれど、その先はまだ除雪が間に合わず、重機以外は通行不可とのこと。
この日は、twitterなどで、軽井沢の道路や交通の混乱が気にかかりながらも、情報の仲介をすることくらいしか出来ず。
その日の明るいうちまでは、除雪が来ないこともまだ仕方ない(なにしろうちの通りの定住者は私たちだけなので、後回しになることは覚悟しなければならない)と構えていたのですが、3日目の夜までまったく動きがないと少しずつ不安になってくる。
そんななか、遅い時間になって、一本南側の通りに除雪車のライトが!思わず窓におでこをくっつけるように、ずっと動きを見守ってしまう。もっと言えば、カーテンを開いて明かりを照らして「ここにも住んでいるよ!」アピールまでしてしまった...
けれど、アピールも空しく、除雪車はそのまま闇の中へ。
(後から聞けば、その道沿いの別荘にいた私たちの知人でもあるOさんが少しでも早く帰れるように、地元のFさんが特別に手配した重機だったとのこと。)
閉込められて身動きできないということが、健康な身にもかなりの圧迫感があることを、今回しみじみ実感する。
○2月17日(月)
朝から、大工のHさんが、四つ辻近くの道を自前の重機で搔き出し始めてくれる。
ほんとうに、わが家にも重機があったなら! 相方は動かす免許も持っているのだから、ただ見守るしかないことがもどかしい。知人に相談して借りてきたいとも思ったが、今は他に貸し出してる余裕もないだろう。
しばらくして、待望の(おそらく町から派遣の)除雪車が四つ辻まで登場。
Hさんと、縦の道をしばらく掻いてから、方向転換してこちらの道にも入ってきてくれた!
入ってしまえば、これくらいの距離はあっという間。(人力の非力を痛感。)
車1台は、ミラーをたたんでスレスレ出せるようになる。
それでもまだ道は一本だけ。上下の縦の道は、雪の量も多すぎるためか、少し先で押して壁のように盛り上がったまま。
その山の先のOさんの家が心配だったので、スコップを片手に山に挑んだ相方。ガリガリの山の向こうは顔までの積雪で、足がどこまでも沈み、口まで雪が入って溺れるかと思った、とのこと。
車は動かせるようにはなったが、まだその先の混乱は続いているし、食料ももう数日は持つため、基本的には動かないことにする。
同じ村内の知り合いから除雪SOSの連絡が来て、Fさんに頼んだところ、素早く対応してくださったらしい。こういうとき、地元に根づいた先輩方の機動力はほんとうに頼もしい。
他にも数人から「そっちの除雪は大丈夫か?」と連絡をもらう。ありがたいこと。
北軽井沢は、4日目にして、ようやくあちこち巡り出したという感じ。
気がかりなのは、軽井沢の別荘地に住む友人のところへは、まだ除雪が届かず、管理事務所も機能していないらしいということ。(別荘地の除雪は、事務所によってスピード差が見え始めている。)
一人暮らしで、幹線からも奥まっているため、とても心配。
また、お世話になっている農家のSさんちの周辺では、Sさんを含めハウスの倒壊が酷いらしいということ。(まだ実際に目で確認できていないので、詳しいことはわからないのですが。)
夜になって、ようやくテレビのニュースでも、今回の豪雪被害が大きく取り上げられるようになる。
百々は、大好物に囲まれて、大はしゃぎ。
外猫たちも、かわるがわる現れる姿を見ると、みな無事の様子。
もうひとりの室内の毛むくじゃら(麦)はといえば......、外の惨状さえ知らないのでは。
というわけで、揃って元気です!
というところまでが、昨日(4日目)までの、あくまで身の回りのことだけになりますが概況です。
今回の雪に対していろいろ思うこと、考えたいことはありますが、まずは記録を兼ねてお報せまで。