これから数回に分けて、小さな展示「小舎びらき、花々と。」に並ぶ品々についてのご紹介をしていきたいと思います。
あわせて、今はまだ一見して晩秋のように見えてしまう庭ですが、5月にかけて勢いよく新緑の風景へと変わっていく様子も記録しておこうかと。
毎年、自分たちの生活も慌ただしくなる時期なので、気づくとあっという間に姿を変えてしまうので。
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初めにご紹介するのは、茅野市にフラワーデザインのアトリエとショップを構える
「C23」柿澤美香さんの作品です。
柿澤さんの作るリースやコサージュなどのアクセサリーを初めて見たのは、松本の「tonico」で。
それまで、ドライフラワーやブリザーブドフラワーのアレンジというと、カントリーテイストやファンシー色が強いものが多い(ような気がしていた)ため、あまり注意を向けたことがありませんでした。
ところが、柿澤さんの作品を見て、イメージは一変。
花々の愛らしさ、華やかさは十分に残しつつ、同時に「甘さ」は極力控えめ。
ハレの日の服装や暮らし用ではなく、シンプルな普段着やインテリアにも合わせられる、なんというか、モリモリ足し算のゴージャスさとは正反対の、引き算の可愛らしさに、グッときてしまいました。
その後、タイミングよく(というか、狙って、なのですが)取材でお会いする機会があり、そこでご本人の可愛らしさにこれまたびっくり。まさに花がパッと咲いたようなきれいな方なのです。
(当時の記事は
こちら。)
東京で学生生活から大手のフラワーデザイン会社に勤め、おもにウェディング装花の仕事をされてきた柿澤さん。
フラワーデザイナーという華やかな肩書きの裏には、厳しさがつきもの。花という生き物と、装飾という人間の趣向との間で、丸2日、寝ずの作業も当たり前だったとか。
喜ばれることへのやり甲斐はあったものの、あるときふと、本来、草花があるべき場所=土の近く=故郷の茅野に帰りたいと思うように。
そもそも柿澤さんが花の仕事に就きたいと考えたのも、庭いじりが好きだったお爺ちゃんの影響なのだそう。そのお爺ちゃんが使っていた庭仕事の道具小屋をアトリエに改装し、その小屋の扉についていた「C23」というプレートをそのまま屋号にして、柿澤さんの花との新たな向き合い方がスタート。
その後、茅野の駅からも程近い場所に、お友だちとご一緒に、花と雑貨のお店「LINE WORKS」をオープン。今は、いちから花を育てることもしながら、長野を中心にふたたびウェディングのプロデュースなども手掛けています。
そんな柿澤さんに今回、「冬眠から目覚めた森」をテーマに、ドライ&ブリザーブドのリース、コサージュ、ヘアピン、くるみブローチ、サシェなどを作っていただきました。
それぞれが少しずつ組み合わせの違う一点もので、その配色の絶妙さにうっとりしてしまいます。
小ぶりなリースは、春の初めの森や庭をぎゅっと凝縮したような愛らしさ。花や木の実のシックな色あわせがとても上品で、シンプルな白壁などに素敵なアクセントになること間違いありません。
スミレやパンジーがモチーフのアクセサリーは、ブローチとクリップの2WAYタイプになっているものもあり、胸元だけでなく、これからの季節ストローハットにとめてもぜったい可愛い!
こちらも色味がシブいので、大人がつけても恥ずかしくないガーリーさ。母の日のプレゼントにも喜ばれるのではないかしら。
(... と書いていたそばから、今日「母の日に贈りたくて」とブローチとサシェのセットを購入されたお客さまが!嬉しいなぁ。)
このあとご紹介する花モチーフのグリーティングカードや、花の本などと組み合わせて、プレゼントやお土産に。簡単なものにはなりますが、ラッピングも承ります。
身につけたり飾ることで、心がパッと浮き立つような、「C23」の花小物。
この機会にじっくりと選んでみてください。
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【4月27日の庭】
昨年、農家のSさんから株分けしてもらったクリスマスローズ。
大雪もあったひと冬を越え、どうなっているやらと心配していましたが、落ち葉の布団をかきわけてみたら、もうすっかり蕾が。
お日様を当てて数日もしないうちに、小さいながらボルドー色のしとやかな花が咲いてくれました。
花壇のお花のトップバッターです。
落ち葉の布団を外す時期が少し遅かったのかも。お待たせしてごめんなさい。
いつも、雪が降り始める前の晩秋に、かき集めた落ち葉を花壇や灌木の根元にかぶせてやります。
春先、4月になっても、ここでは雪が残っていたり、まだ新たな積雪や大霜の怖れがあるため、この布団をはがしてやるタイミングがいつも難しい。
クリスマスローズの様子を見て、先週、慌ててそこここの落ち葉をよけてやったら、サクラソウの芽がすっかりモヤシのような、青白いニョロニョロみたいになって顔を出していました。
今、せっせと日光を当てて、葉緑素を活性化中!
来春はもう少し早めにベッドメイキングしてやること。忘れずに、自分!