昨日は、取材でもあり、個人的な楽しみでもあった「ブラあさま」の決行日!
浅間火山地質学専門のH先生をお招きしての贅沢なプライベートツアー。
応桑〜大屋原〜北軽井沢〜鎌原〜大前と、噴火の形跡の残る特徴的なスポットを、7〜8ヶ所ぐるりと巡ります。
足元の土にはじまって、当たり前にそこにあるように見える岩、崖、沢、丘など、地形や風景のひとつひとつに隠された理由を教えてもらい、えー、そうだったのか!の連続。
寒さも忘れて始終興奮しっぱなし。
時間軸が、数百年から、軽く数十万年前という単位で飛ぶので、頭の回転が追いつかずにクラクラ。
でも、ふだん近視眼になっているぶん、それぐらいブンブン振り回されるのがかえって爽快です。
最終地点では、20万年以上前の湖に沈んでいた地層を見るために、雪の残る斜面の山登り!
沈んでいたものを見るのに高いところに登らなきゃならないというのも、考えてみたら不思議ですが。
ふだんからそこらじゅうを歩き回っている先生はさすがの健脚。とてもついていけません。
冬場、なまっていた足腰の悲鳴を聞きつつ、なんとか崖にへばりつき、抽象画のようにきれいに残された層を間近に観察。
先生に促されて、地層面(シルト層)を舐めてみると、ざらっと落雁のように舌にはりついた。
20万年の時を超えたキス!(相手にしたら、静かに眠っていたところにやおらべろりと…。災難なことです!)
浅間山が生まれたのは、山としては新しい5万年前。
その5万年間に、なにが起こって、いま私たちが立っている地面や、見渡す風景ができあがってきたのか。
(その「いま」だって、数十万という年数でみたら、経過のほんの一瞬でしかないのだけれど。)
山には、(1)直接登る、(2)ふもとから見上げる、のほかに、周囲に残した形跡を掘り起こしてかつての姿や起こったことを想像する、という第3の楽しみ方があることがわかってきました。
浅間山は特に、“起こったこと”がまだ新しいので、観察もしやすいという利点もあります。
まだまだ自分のなかで整理が必要ですが(あまりにも知らなかったことや中途半端に知ったつもりになっていたことが多すぎて…)、春に向けて、この面白さが少しでも伝わるよう、試行錯誤していきます。
タモリは来なくたって、それぞれの場所で自分たちで楽しんじゃえばいい!
誌面上での「ブラあさま」、どうぞお楽しみに。
↑この岩の塊だって「あ、鬼押出し溶岩」と思うでしょ? でも実は違うんですって。びっくりです。