夢が叶う。
なんて書いてしまうと、いきなり陳腐で、思いきりヒトリヨガリな匂いもしてしまって、どうかとは思うけれど、でも、これはたしかに、私のひとつの夢でした。
この森に、tico moonのおふたりの奏でる「音」が響くこと。
お天気のことばかりを気にして、気温のことまでお願いするのを忘れてしまったら、朝からくっきりと(濃密な)冬の匂い。
秋の入口を楽しむはずが、もうひとつ先の季節の扉に体半分突っ込んだような日。
迷った挙げ句、それでも当初からの「森のなかで聴きたい」という個人的な願いを、演奏者のお二人の好意のもと、無理矢理に強行。
参加者のなかには、わざわざ遠方から来ていただいたり、小さなお子さんもいらしたりして、この寒さにはびっくりされたことと思います。
お天気のこととはいえ、万全の状態でお迎えできずに、ご迷惑をかけてしまいました。
そんなこんなのハラハラそわそわで、演奏が始まってしばらくのうちは、正直、お二人の手元がかじかんでしまわないか、お客様の具合は大丈夫かしら、せめてこれ以上冷たい風が吹いてきませんように...と気もそぞろだったのですが、、
でも。
お二人の演奏は、それを上回るものでした。
ハープの弦を滑るゆかさんの滑らかな指。
後ろからそっと支えるように穏やかで温かい影山さんのギター。
あの、聴く人すべてに、ただひたすらに懐かしくて優しい気持ちを思い出させてくれる音楽が、目の前で生まれて、その場にいる一人一人の心にすっと入り込んで、そのまま木立を抜けて空へと上がって、溶けていく。
梢がさらさらと揺れる音。枝から枝へチチチチと鳴きながら鳥が羽ばたく音。
いつもの森のBGMの間を縫うように、いや、それらの音をすべて優しくくるむように、あたり一面に響いた音楽。
それは、人の手が生み出したものというより、土や、草や、木の葉や、空や、雲や、そんな自然界にあるものたちに近い存在のような気がして、私たちはそのなかで、ほんのひととき「祝福」を受けてもらったような思いがしました。
この幸せな、とても贅沢な、祝福のメッセージを、ぎゅっと胸に刻んでおこう。耳だけじゃなくて、体中の穴を全部開いて、ひとしずくも洩らさないように...。
ライブが終わったあとの、お客さんの、演奏者の、スタッフの、みんなの笑顔を見て、きっと同じ想いを共有できたのだとわかって、ようやく張りつめていたものがほどけました。
そして、今こうして時間が過ぎても、じわじわと幸せな余韻が胸のなかで発酵し続けているようです。
冷たく張りつめた空気のなか、この庭に響いた祝福の音楽を、私はこの先ずっと忘れずにいるだろう...そう思います。
嬉しいお知らせ。
tico moonのお二人から、ぜひまたこの場所でやりましょう、と言って頂きました!
次回は、(ここまで涼しくない!)夏の宵に、ビール片手に...なんていうのも良いかもしれません。
今回ご都合のつかなかった方も、ぜひ楽しみにお待ちいただけたら。。
あらためて、このような素敵な機会を与えていただいたtico moon 影山さん、ゆかさん、「手紙社」の北島さん・スタッフの皆さま、そして同じ時間を共有できた来場者の皆さまに、感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
またお会いできますように♪
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tico moon さんの今後のライブ予定は
こちらで見ることができます。
このほか、今秋もいよいよ1ヶ月後に迫った「
もみじ市」にも、もちろん登場されます!ぜひお出かけください♪