麦小舎に暮らす:山に登る、こともある
2016-07-15T13:59:03+09:00
linetta
森で、本と珈琲と__。
Excite Blog
6月の日々。または山日記。
http://mugikoya.exblog.jp/23297280/
2016-07-15T13:00:00+09:00
2016-07-15T13:59:03+09:00
2016-07-15T13:11:45+09:00
linetta
山に登る、こともある
ブログにゆっくり日々のことを綴りたいと思いつつ、初夏から梅雨と、目まぐるしく毎日が巡っていく。
毎日のようにここで日記をつけていた頃が懐かしいな。
あの頃と今で、何が変わってしまったんだろう、、、と考えながらも、その答えを見つける間もなく、一週間が過ぎ、ひと月が過ぎ。
そうは言っても、先月6月は、山や森が一年でいちばん美しい時期。
駆け足でも、最近のもっぱら日記がわりになっているInstagramを振り返りながら、記録を残しておきましょう。
- - - - - - - - - - - - - - -
入梅直前のよく晴れた日曜日。
釣りに行きたいYと、山歩きがしたい私。
折衷案として、早朝からいつもの湖で釣りをしたあと、お昼ご飯を兼ねて近くの低山に登ることに。
いつもの湖とは、斑尾高原にある希望湖。
湖周辺は「信越トレイル」トレッキングコースとして、整備されている。
湖の脇に登り口がある毛無山。頂上まではほんの30分足らず。
飯山市の街並みと、その向こうに志賀の山々が見える空き地のような山頂で、ホットサンドを焼いて食べる。
- - - - - - - - - - - - - - -
その数日後。
長野原町役場の方にお誘いいただき、今度は目の前の浅間の裾へ。
今、町では、浅間北麓をジオパークに、という運動とも並行して、町営浅間園から山へと入るトレッキングルートの整備に乗り出している。
町長や環境省の方が下見に行く機会に、「きたかる」編集部として、私とカメラマンのミナちゃんで参加することに。
ほぼ平坦なルートと聞いていたけれど、鬼押出し園を見晴らす溶岩地帯までの最初の登りはかなり急峻。置いて行かれないようにがんばった。(このところ少しずつ山歩きしておいてよかった!)
溶岩の上に立って見下ろす北軽井沢は、樹海のなかにポツポツ人家。あんなに広大に見える牧草地や畑もまだまだ大地のほんの一部。
そこから浅間を正面に森の中を左に巻いていくと、やがてぽかーんと景色が開ける。
「溶岩舞台」と呼ばれる、噴火の火砕流の影響で平らに埋め尽くされ、まだ草木もまばらな台地。
山側の端には、溶岩がせり立った岩壁になっていて、その向こうにいつもよりぐんと大きい浅間山。
「月に降り立ったみたいなところ」だと聞いていたけれど、本当にそんなふうだった。
人間と、まわりの自然のスケールが違いすぎて、おかしな感覚になる。
火山が怖いとかどうのという前に、ただ圧倒される。
こんな景色は、国内でも珍しいんじゃないだろうか。
そこから台地を緩やかに下って、最後はあちこちに溶岩樹型が残る林間を歩き、ぐるりと一周して園に戻る。
稀少な植生がある自然公園であることや、防災の面で、なかなかすぐにとはいかないかもしれないけれど、ここに歩けるコースができれば、それだけで大きな魅力になる。
余計な人工の施設はいらないから、この風景だけをただ見て、感じられるコースになったらいいなあ。
- - - - - - - - - - - - - - -
6月上旬。
来軽した母と、志賀高原から渋温泉へ。
初日は、ほたる温泉からサマーリフトで前山湿原に登り、四十八池までの散策。
梅雨入り直後で、高山の花もちょうど春と夏の端境期なこともあり、ハイカーもほとんどいなくてのんびり歩ける。
このあたり、母は学生の頃に友人と、冬は家族や父とスキーに来た以来だと、当時の思い出を話しながら歩く。母も一時期のように足が痛い時期じゃなくてだいぶ歩けて良かった。
四十八池には終わりかけの水芭蕉とワタスゲがちらっとだけ咲いていた。
夜は渋温泉一泊。
以前、Yと外湯巡りをしたときは、熱くて入れず仕舞い。リベンジに臨んだけれど、やっぱり一ヶ所入るのが精一杯だった。宿の内湯すら熱すぎてしばらく水でうめないと入れない。
夕食後、蛍が見られると聞いて川向こうまで。ちょうどよい条件の夜だったようで、けっこう飛んでいた。これだけの数を見たのは初めてかもしれない。
翌日は、奥志賀方面へ。
片道30分ほどゲレンデを登り、しなの大木を見にいく。
長野県の天然記念物にもなっているしなの木は、想像以上に堂々たる姿で、森の中にひとり、いた。
大きくて良いものを見たときのスーッとした気持ちになる。
子どもの頃とちがって、同じこの場所に、母ともう一度来ることはたぶんないのだろうなと思うと、ちくりっとする。
でも、今、一緒に見られたのだから、それでいいのだと思い直す。
いかにも熊がいそうだから、大きな声で(それでなくても十分大きな声のふたりなのだけど)歩いた。
- - - - - - - - - - - - - - -
Yの休みの日曜日は決まって雨。
珍しく予報では晴れと出た2週間前、また山へ。
四阿山に行く予定だったが、片道3時間以上という行程に、夏バテ気味の私の体力が心配になり、高峰高原〜黒斑山ルートに変更。
登山口に朝8時。すでに結構、登山客の車が停まっている。梅雨時に「ちょっと行って来られる」ということで、みんな考えることは同じか。
何組かのグループと抜きつ抜かれつしながら登り道。麓は快晴だったけれど、山の上はガスの中。
40分ほどで到着する浅間山(前掛山)ビュースポットのトーミの頭でも、後方の小諸の街並みは見えるが、前方の山頂は真っ白の海。
これも山にはつきもの。逆に白い海の上をふわふわ浮かんでいるような気分を楽しむことに切り替えて、黒斑山頂を通過、その先の蛇骨岳まで。
群馬・嬬恋側は見晴らし最高。ここでお昼ごはん。
最近、山ごはんに凝っているYが準備してきたのは、チャーハンの具材セット。バーナーと折り畳みフライパンでちゃちゃっとパラパラのチャーハンを作ってくれる。
山シェフがいてくれて、ありがたい。
食べている間に、蛇骨までガスに覆われ始め、小雨もポツポツ。慌てて帰路へ。
もうすっかり眺望は諦めて、下だけ見て黙々と歩いていたが、帰りのトーミの頭に着いた瞬間、嘘のようにさあっと霧が晴れ、目の前にドカンと浅間のてっぺんが現れた。
少し早く通り過ぎても、遅くなっても、見られなかった。ほんの一瞬の空の急変。
居合わせた人と、口々に「よかったですねー!」と喜び合う。
ここから見る浅間は大きな丼をぽこんとひっくり返したようなかたち。
見られたことはもちろん嬉しいのだけど、平面的でのっぺりしていて、銭湯の富士山を見ているよう。
それよりも、眼下に広がる湯の平の窪みが、翡翠色をした大きな湖みたいにきれいで、吸い込まれそうだった。
前掛山の左の裾の向こうに、北軽井沢の大屋原の採草地「鹿の踊り場」がはっきり見えた。
このまま、前掛山を突っ切って、まっすぐ下っていけば、今日のうちに北軽井沢まで帰れるだろうか。
健脚な昔の人(祖父が浅間山を登ったりしていた頃)は、そんなふうに巡ったりしただろうな。
(今、前掛山頂は立ち入り禁止。)
思いがけず眺望にも恵まれ、いったんは諦めたくせに「やっぱり眺めがないと登る意味がないよねー」とフクフクしながら下山。
温泉に立ち寄って帰っても、おやつの時間までには戻って来られる。
山が近いって、嬉しいことだ。
今度は秋にまた行こう。
- - - - - - - - - - - - - - -
バタバタしていると言いながら、案外あちこち出かけてたんだ。
山行き日記になってた。
月末は、次号(7月発行)の「きたかる」の原稿に四苦八苦する。
うまく書けたかどうだか、いまだに自信はないけれど。
雷がなって、梅雨明け間近。
もうすぐ短い夏がやってくる。
]]>
ASAMA HIKE & TRECK!! vol.2 「昼休み、火星へ行く。」
http://mugikoya.exblog.jp/22713270/
2015-12-28T17:00:00+09:00
2015-12-28T17:33:37+09:00
2015-12-28T15:09:08+09:00
linetta
山に登る、こともある
暖冬のおかげで暦の感覚がなんとなく薄れたまま、冬至が過ぎ、クリスマスが過ぎ。
気づけば「もういくつ寝ると〜」なところまで、暮れも押し迫ってきていました。
スキー場のニュースなどで見るとおり、北軽井沢にもまったく雪はなし。
しばらく前まで夜でも氷点下にならない日もつづき、すっかり麻痺し始めていましたが、ここ数日、ようやくピリッとキリッと冷え込むようになり、寒さは苦手だけれど、やっぱりこうでなくては… と少しホッとしています。
今年はますます、ふだんの徒然なることは twitter や Instagram で記録したり発散してしまって、ブログがいよいよ疎かに。
このブログを始めた11年前には、毎日のように書いていたのが嘘のよう!
ただ、やはり残るかたちで書いておいたほうが、記録になるし、後から読み返せるのも面白いので、来年はもう一度こっちに戻していきたいなあ、と思うけれど、どうなるかしら… 。
ひとまず、「今年の書き残しは、今年のうちに」ということで、もう2ヶ月も前のことになるけれど、山を歩いた記録だけは忘れないうちにUPしておこうかと思い立ったので、突然ですがタイムスリップ!
▶▶▶10月上旬某日、ひとり小浅間山へ。
9月は雨が多くてすっきりしない日が続いていましたが、この日は朝から雲ひとつない秋晴れ。
数日前に、相方と鼻曲山に登ったとき、視界不良で頂上からの景色が望めなかったことが心残りだったこともあって、朝から外を見てはそわそわ。
進行中の原稿の仕事があったけれど、ちょうど送り渡した相手からの返事待ち。2〜3時間くらいなら不在にしても大丈夫。そう思い立ったときにはもう10時半。
通常、山へ行くなら、早起きをして、とっくに現地についてピークを目指している時間。
でも、わが家からなら、今からでも“山登り”に間に合うコースがひとつだけあるのです。
それが、浅間山の東端におできのようにくっついている「小浅間山」。
2万年以上前の浅間の噴火活動時にできた溶岩ドームで、ぽっこりと丘状をした見た目にも可愛らしい小山です。
実際、峰の茶屋にある登山道入り口から標高差200mくらい、片道30〜40分で登頂できてしまうので、小さい頃からよく遊びに行った気軽なハイキングコース。
ただ、このコース、なんといってもそのお気軽さのわりに、満足感がすごいのです。
まずはコンビニに寄って、おにぎりと唐揚げくん的なものを入手し、車で10分たらずで峰の茶屋へ。
国道沿いに車を停め、浅間山の噴火活動についての注意看板を確認してから、東大浅間観測所の脇を歩き始めます。
しばらく緩やかな林間コース。この頃はちょうど、紅葉の先頭を切るハゼやウルシの葉がちらほらと色づき始めたくらい。紅葉シーズンはまだ少し先なので、平日だと誰とも出会いません。
20分ほど木漏れ日の林道を進んで汗ばんできたあたりで、右にカーブをきると傾斜がぐっときつくなります。
それまで囲まれていた背の高い森林が突然消え、足元は軽石がゴロゴロするガレ場になり、視界の抜ける前方に、草木もまばらな小山がそびえてきます。
この樹林帯を抜ける唐突な景色の変化がとてもダイナミックで、このコースのひとつの見どころ。
小さい頃ここに来たとき、「火星に来てしまった!」と思ったことを思い出します。
緑の植物は背丈の低いカラマツくらいで、あとはウスユキソウやススキなどの枯れ草ばかり。
遮るものがなくなったので、風がいちだんと強く感じられます。
砂利に足をとられそうになるので踏みしめながら、急な斜面を小山に向かって一歩一歩。
つい下を向いて歩いてしまうのですが、このあたりで振り返ってみれば、浅間の山肌がずどーんとすぐ目の前に!
間近にありすぎて、高いというより平べったく横長に広がって見えてしまうのですが、その迫力はやはり段違い。
ぽっ、ぽっ、と、規則的に湧き上がる噴煙も、すぐ頭上を流れていきます。
向かって右手には、八ヶ岳や南アルプスも見えてきますが、でもまだここではぼんやり眺めてばかりはいられません。
右側は、足を滑らせれば滑落しそうな急斜面。風にあおられて飛ばされそうな帽子を押さえつつ、その先の分岐点へ。
小さな鞍部になった分岐点を右手に進み、ぐるっとさらに登りながら回り込めば、だだっ広く平らな運動場くらいのスペースがあり、真ん中ににぽつんと三角点が。1655mの東峰山頂です。
覆い被さってくるような迫力の浅間山を背に、浅間隠しから妙義、軽井沢の町並み、八ヶ岳方面まで200℃くらいのパノラマがぐるり。
この山頂部分は、石ころだらけでピューピューと風が強いので、分岐点まで戻って休憩することに。窪みになっているので風が避けられ、ざりざりの軽石の地面は、太陽が当たれば岩盤浴のようにお尻をぽかぽか温めてくれます。
おむすびと、まだ温かさが残ってる唐揚げと、熱いお茶で、ひとり山ランチ。
家を出て40分ほど、それも登山らしい道は15分くらいしか歩いていないのに、絶景が広がる1600mを超える場所にいるなんて、不思議な気分と、ちょっとした優越感。
そして相変わらず人っ子ひとりいないので、動くものといえば、風にゆれる枯れ草と、見上げたすぐ先で吐き出されては空を流れていく噴煙だけ。
今ドカーンとやられたら、真っ先にやられるのは私だなあ… と思いながらも、この距離から見る山は遠くから見るよりさらに穏やかに優しげに見えて。
そんな素人感覚がいちばん危ないと笑われてしまいそうですが、怖さよりも、膝枕をしてうたた寝させてもらっているような気持ちよさと安心感に、ほんとうにしばらくウトウトとしてしまいました。
ローソクや暖炉の炎と一緒で、ぽくぽく吹き出る煙も、いつまで見ていても見飽きないのですが、そろそろ正午も回る頃。
休日ではなく、“お昼休憩"(!)だったことを思い出し、30分ほど山時間を楽しんだ後、下山開始。
小浅間には、もうひとつ西側にも頂上があり、そちらからは群馬側の景色がきれいなのですが、この日はすっかりお腹もいっぱいになって満足したのでパス。
小石と砂の下り坂は、踏みしめるというより、半分滑り落ちるように下っていくと早いし楽。
“火星”から、ふたたび緑の森に戻り、道ばたのキノコ観察をしながら元来た林道を抜け、あっという間に下界(というか中腹ですが)。
ドアtoドアで、2時間と少しで帰宅しました。
ほんとうはあの後も、カラマツの紅葉時期にまた行きたかったけれど、なかなかタイミングがままならず。
あの日、ふっと突然思い立って行くことができてよかったなぁと思います。
冬場はあの風がさらに身を切るように冷たいかと思うと、怖じ気づいてしまうけれど、真っ白な浅間をまたあそこから見てみたい思いも。
春以降、北軽井沢に行ってみようと思われたなら、少し早起きをして午前中に小浅間トレッキングを楽しみ、「麦小舎」で下山後のひと休み、帰りがけに軽井沢か草津方面で温泉に寄って… というコースは、いかがでしょう!?
ただ、いくらアクセスがお手軽とはいえ、1500m超えの立派な高山には違いないので、お天気や、気温に適した装備はお忘れなく。
また、浅間山の噴火レベルが、今の「2」から「3」へ引き上げられれば、火口から4km圏内の小浅間にも登れなくなります。
来年もこのまま、パイプをぽくぽく、くらいのご機嫌でいてくれることを願いつつ…。
]]>
ASAMA HIKE & TRECK!! vol.1 「ヘソ曲がり、鼻曲がりへ行く。」
http://mugikoya.exblog.jp/22342718/
2015-10-18T16:00:00+09:00
2015-10-18T16:21:53+09:00
2015-10-18T16:18:31+09:00
linetta
山に登る、こともある
9月27日 鼻曲山へ。
そういえば、うちから車で10分で入口まで行けるのに、鼻曲山に登ったことがなかった。
浅間山の東、ちょうど関東平野の西の端っこの壁になる峰々の一部。
本格的な登山コースは、霧積温泉から、白糸の滝に近い長日向から、二度上峠から、とそれぞれあるが、もっとズルして手短に登れるルートがある。
ズルのコースで名前も「はなまがり」なんて、へそ曲がりの初心者トレッカーの私にはうってつけではないか!
お手軽コースの入口は、「軽井沢スノーパーク」ゲレンデ。
予報の「曇り後晴れ」を信じてみたけれど、朝8時時点で厚い雲。紅葉にもまだ少し早いし、ゲレンデ周辺には人っ子一人いない。
ズルの上にさらにズルをしてリフトもあるのだが、シーズン外のため停止中。
(動いてたって乗りませんけどね!)
看板も何もないため、とりあえず比較的傾斜の緩そうな、向かって右方向の斜面を登り始める。
実はこの最初の斜面登りが、このコース中、いちばんキツかった…
まだ身体も温まっていないので、膝が重たい。
後ろを振り返って景色を眺めるフリをしながら、こっそり休み休み、15分ほどでリフト終点へ。
晴れていればここでも背面に浅間山がドーンと見えるはずだが、すべてはガスの中。おまけに小雨も降り始める。
ここから山歩きスタート。細い林道を進む。
靄ったなかでも、ガマズミの赤い実がパッと目立つ。
林道の脇の薮には、猫の尻尾のような真っ白なサラシナショウマの群生。幻想的。
夏ならばここは、希少なレンゲショウマが見られることでも知られているらしい。あの薄紫の花は見てみたいなぁ。
雨に濡れた森は、自分たちの足音さえ消してしまうほど物音一つしないので、熊除けの鈴を大げさに鳴らしながら歩く。
遠くでキツネの鳴き声がした。親が子供に注意しなさい(ヘンなのが歩いてますよ)と伝えている声。
20分ほど進むと、少しずつ傾斜がキツくなってきた。
「トレッキングポールがあれば楽なのになあ」と愚痴ったら、相方がそこらへんに落ちていた手頃な木をナイフで削って持ちやすくして、ナチュラルポール(!)を作ってくれた。
ちょっと太いし、一本だし、山登りというよりお遍路さんのようだけど、やっぱりあると楽だ。
根っこだらけの段差を、ポールを支えにぐいっと登る。
得意になっていると、傾斜が険しくなり、摑んで登るためのチェーンロープが現れた。
ロープを摑むにはポールが邪魔になる。
仕方なく、せっかく手に馴染んできたポールを諦めて(そんなことで渋っていたら、帰りにまた拾えばいいじゃんと言われてそうした)ロープを摑んでよじ登る。
あれ、けっこうハードな山登りじゃん!濡れて滑るし。
よじ登ること10分ほど。
眺望がまったくないので高さの基準がわからないまま、なんとなく登りきった感のあるなだらかな熊笹の間を進むと、左手に二度上げ峠方面からの道との合流点。(かなり鬱蒼としていたけど通じてるんだろうか。)
その先で、右手に長日向方面からとの合流。(こっちも崖のような急斜面。)
その向こうに、10畳間くらいの平らなスペースがあり、足元に山頂を示す小さな柱。
やったー、1655m、登頂!
… という感慨は、40%くらい。
なにしろ、予想通りではあるのだが、視界はゼロ。見渡す限り真っ白モヤモヤ。
晴れていれば浅間山に白根の遠景まで見えるらしい。
スマホの山アプリをかざして、位置だけは確認しながら、エアパノラマ… 。
まだ10時を過ぎたくらいだったけれど、せっかくここまで来たので、持ってきたお弁当を広げる。
それなりに歩いて汗もかいた後なので、お弁当とお茶はおいしい。
しかし静かだ。鳥も鳴かない。
30分近く粘ってみたけれど、ガスは晴れるどころか濃くなってくるようだったので、来た道を戻る。
ロープのところは、脇に誰がつけてくれたのかジグザグ迂回する獣道のようなところがあったので、下りはそちらを。
無事、ナチュラルポールを回収。
帰り道はゆっくり、キノコウォッチングをしながら。雨上がりなのでキノコは大賑わい。
だいぶ下ってきたところで、初めて右手のカラマツ林の向こうに山並みが見えた。浅間隠山。
リフト終点まで降りきると、浅間隠しから、手前にコブのように見える鷹繋山、二度上峠方面は視界がきいた。浅間は相変わらずガスのマントにすっぽり。
ゲレンデ部分には、浅間の噴火の軽石がゴロゴロしている。
同じ形状に見えても、赤っぽいの、黄色っぽいの、白っぽいの、と色がいろいろ。
これは年代が違うからなのか、飛んできた場所が違うのか。今度、H先生に聞いてみなくては。
頂上での休憩を抜きにして、登り1時間半、下りで1時間ほど。
朝8時前にうちを出ても、11時過ぎには戻れてしまった。
てっぺんは1655m、でも登り始めがすでに1300m近いはずなので、高低差は300ちょい。
見晴らしがないと山登りの楽しみは半減だけど、それでも、ふだんの休日ならグダグダ過ごしてしまうお昼前までに、「行って帰ってきたのだ」という充足感は悪くない。
だーれもいない靄のなかの林道を歩くのも、ちょっと夢の中の景色っぽくてよかった。
北軽井沢周辺にいて、ちょっと手軽に静かに歩いてきたい、という時には良いコースかと。
今ごろは紅葉も真っ盛りでしょう。
以上、浅間山麓山歩き、「ヘソまがり、鼻曲がりへ行く」の巻、でした。
【Google Map】
◎参考サイト
Yamakei Online 鼻曲山 http://www.yamakei-online.com/yamanavi/yama.php?yama_id=337
ぐるっと浅間楽名山 http://rakumeizan.kitakaruizawa.net/hanamagari/
]]>
「山には登らないのですか?」
http://mugikoya.exblog.jp/22331310/
2015-10-16T15:00:00+09:00
2015-10-16T15:22:13+09:00
2015-10-16T14:57:42+09:00
linetta
山に登る、こともある
「山には登らないのですか?」
住んでいる場所柄、そう聞かれることが多い。
近所の野山のようなところを歩くのは好きで、季節のよいときにはよく出かける。
でも、ここでいう「山」は、きっとそういうことじゃない。
きちんとした装備で、ポールなんか握って、地図で下調べをした上で、計画だてて向かう、「登山」のことだろう。
そう聞かれると、「いやぁ、まだなかなか…」と答えるしかない。
北軽井沢はどっちを向いても山ばかり。
そもそも、普段いる場所がすでに浅間の中腹のような位置でもあり。
行こうと思えばいつでも行ける。
そう思っているうちに、世の中の登山ブームはヒートアップし、あっちにもこっちにも山ガール・山男子。
そうなると得意の(?)天の邪鬼&斜め目線の自意識が邪魔をして、「山なんて毎日見てるから十分なんじゃいっ」という気分に。
かくしてウン十年…じゃないや、ウン年。
それがどうしたことか、今年は秋の初めから、どうもそわそわ落ち着かない。
どこどこの山に登った、という話が気になって仕方がないし、気がつけば山地図アプリをDLしたりしている。
いや、理由はある。
「行こうと思えばいつでも行ける」は、もしかしたらそうじゃないかもしれない、と思い始めたからだ。
浅間だって草津白根だって、いつまた大きな噴火をするかもしれない。
そうしたら今なら立ち入れる場所にも入れなくなる。
噴火だけじゃなく、自分自身の体調や環境にしても、そんなゆとりがいつ突然持てなくなるかもわからない。
それに…… 。悔しいけれど(何に対してだか)やっぱり登った先にはきっと、下から見上げているだけではわからない「いいもの」があるんだろう。
こんな近くにいて、そんな「いいもの」をみすみす見逃す手もない。
(天の邪鬼はよく強欲に反転する。どっちにしろ、ねじれてる!)
というような心境の変化がありまして。
先月から、近所の低い山からぽつぽつ登ってみることにしました。(前置きが長い…。)
とはいえ、装備(靴もリュックも)はほとんどゼロ。
調べてみると、山の道具はほんとにお高い。みんなよくあれだけ立派に揃えてるよなあ、と驚く。
とりあえずまあ、手持ちのハイキングシューズとナップザックで行けるところから__。
本格的に登っている人から見たらお散歩に毛が生えたようなレベルですが、私と同じようなアマノジャクさんや浅間山麓に詳しくない方のために、山行の記録も残してみようと思います。
(つづく)
]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/