夏らしい夏の記憶がほとんどないままに、
今年の8月はするりと逃げていっちゃいました。
照りつけるような眩しい陽射しに葉っぱがいっせいにキラキラ輝くような、そんな高原の真夏の景色に出会えたのは、ほんの数日だったような.....。
心残りがなくはないけれど、気分的には8月が終わったことに少しホッとしつつ、内心では、一年でもっとも好きな次のシーズンへ向けて、気持ちが走り出しています。
夏はどうも周囲のペースに巻き込まれて、自分の足下が見えにくくなってしまうので、苦手なのです...
- - - -
小さな店にも、その日ごとに色々なことが起きるもの。
先週末あったこと。
ひとりでいらした女性のお客様。テラスでお茶とケーキをして下さったあと、入口の扉のところで「どうもごちそうさまでした」と挨拶をされて、するりと出て行かれました。
あれあれ、お会計がまだなのにな、と思い、また戻ってくるかしらと待っていたら、そのまますーっとお車も出発。
あれれれれーと思いつつもどうしようも出来ず、こんな事態(言葉は悪いですが食い逃げってやつ?)は初めてで、でもまさかなぁー、そんな方には見えなかったし(だって最後には挨拶もされて)....と諦めもつかない気持ちでしばらくモヤモヤ。。
それから30分ほど過ぎてから、パタパタパタと駆け足とともに、そのお客様がふたたび。
「ごめんなさい!私ったら。あんまりリラックスしてしまったものだから!」と。
手にはトウモロコシの入った袋。お詫びにと買ってきてくれたのでした。
お会計も忘れちゃうくらいリラックスしてもらえるというのは、ある意味、お店にとっては最上の褒め言葉なのでは!?
モヤモヤもすっきり。みんなで笑顔笑顔な結末でした。
そんな楽しい出会いや交わりがほとんどなのですが、ときどき、ちょっと悲しい気持ちになることも。
私の場合、そのうちの大きな原因は、本の取り扱い方のこと。
読み終えた本を、本棚の違う場所に戻されたりするのは全然構わないのですが、無理なスペースにむぎゅーっと押し込まれて本が傷んでしまっていたり、読みかけの本を開いて逆さにした状態でしばらく置かれていたり、お子さんが放り出したり引っ張ったりしているのを見ても付き添いの大人が注意しなかったり。
そんなときは、他の何と比べても、こと本に関しては胸がドキドキするくらい悲しくなります。
整理整頓や片付けについては偉そうなことを言えない大雑把な私ですが、本だけは、小さい頃から手荒に扱わないよう身にしみついてきているようなのです。
こういうことを言うと、「そんな大切な本なら自由に見せなければいいじゃない?」と言われたりもしますが、そういうことではないんじゃないかと思います。
そういう人はごく一部なわけですし、そちらのほうに基準を合わせるのではなく、ちょっとだけ注意をしてもらえればあとはみんなが楽しむことができるはずだから。
だから私も、そういうことに気づいたときは、なるべくお互いが嫌な気持ちにならない程度に、注意はさせていただいています。
これからも、もっともっと本も増やして、お客様に繰り返し訪問してもらう楽しみのひとつにしていきたいと思っています。
それから、これは“店内放送”。
先週末の土曜日に、グレーのショールのお忘れ物をお預かりしています。
心当たりの方は(念のため座っていた場所を明記の上)ご連絡くださいませ。
- - - -
「お店」をしていく上でのそんな小さな事柄を、それはもう比べようもないくらいたくさん経験してきた大先輩の本。
奈良の「くるみの木」のオーナー、石村由起子さんの近刊『
私は夢中で夢をみた』を読みました。
普段はあまりこの手の自叙伝というかサクセスストーリー的なものは手に取らないのですが(だって、それぞれの道はみんなそれぞれだと思うから)、表紙の質感や装丁に惹かれて...。(編集は、敬愛する兄貴・山村光春さん。)
あくまでさらりとした書き口でしたが、その裏にある25年という歳月は、やっぱり途方も無い時間...。
その果てしない繰り返しの毎日で、石村さんが大切にしていることは、「その日やるべきことを次の日に持ち越さない」という当たり前のことと、もうひとつがタイトルにもある「夢を見続けること」。
現実と夢。相反するこの2つのことを、バランスをとってきっちりやっていくことこそが、お店だけに限らず毎日の仕事と暮らしを続けていく上で、シンプルだけど重要なことだなぁとあらためて気づかされました。
目の前の現実に捕われて視野が狭くなったり、反対にぽわぽわと夢みがちに日々を無駄にしてしまったりしがちな__即ち私のような__方がいたら、読んでみても良いかもしれません。
===
9月1日。毎年、この日が来て、防災訓練の放送を聞くと、あっと思って浅間に目がいきます。(歴史上ではもっともっと大きな惨事を忘れないための日なのですが。)
昨日は朝のうちだけ晴れて山の姿が見えたけれど、煙は少なく穏やかでした。
今年はひとまず大丈夫かな。。
===
今週末、9月6日のtico moonさんのライブは、ひとまず定員に達したため、
受付を終了させていただきます。
終了してからご案内するのもひどいのですが、当日ご来場いただける方には、軽井沢『ありんこ菓子店』の特製ミニお菓子セットをお配りできることになりました!
お飲物は数種類のものをおかわり自由でご用意いたします。
お菓子とお茶を手に、あの美しい音色にゆったりと浸ってくださいね。
なお、当日、お天気が良い場合には、あと2〜3組ご入場が可能です。
興味のある方は、前日、9月5日の日に、お電話にてお問合せください!
◆ライブにともない、9/6(日)は貸切営業(一般営業はクローズ)となります。ご了承ください。