__森で読みたい本を教えてください。
アーティスト、作家、編集者、書店員、カフェ・雑貨店主、フォトグラファー、ミュージシャンなど、本を愛する40名の方にお願いし、合計120冊の“森で読む本”が集まりました。
それぞれの本にまつわるエピソードや思い出は、まるで一つ一つが短編の物語を読むような魅力に溢れています。
さて、あなたなら、どんな森へ、どの本に出会いに出かけるでしょう?
その「121冊目」の本を想像しながら、ひととき、本を巡る森の探検をお楽しみください。
- - - - - - - - - - - - -
「Forest & me.」別冊
森で読む本120冊
120 Books for Reading in the Forest
2009年10月発行
B6サイズ 48ページ モノクロ スリーブ(ケース)付き
525円(税込)
- 40名による「森で読む本」紹介(表紙写真付き)
- ミニ対談「森のほとりでひとやすみ」[小山千夏×山村光春]
編集・発行 藤野麻子
デザイン 武捨真紀子
挿絵 tam tree
- - - - - - - - - - - - -
もとを辿れば夏の半ば。
「buriki+BOOKLUCK」の企画が正式に決まった頃、ふと、せっかく素敵なイベントができそうなのだから、これにあわせて自分でも何か手を動かしたい、という欲求がムクムクとしてきました。
あれこれ想いを巡らすうちに、前々から一度やってみたかったことを思い出したのです。
それは、ひとの本棚の覗き見!
よそのおうちにお邪魔すると、本棚が気になって仕方のない性分。
その欲望を誌面にかこつけて果たしてしまおうと目論みました。
声をかけたのは、「麦小舎」を通じて知り合うことができた様々なジャンルの職業の方々。
本のプロから、活字嫌い(!)という人まで。
想像したとおり、皆さんとてもユニークなセレクトをしてくれて、原稿が届くたびに(一足早く)ワクワクしながら目を通してきました。
お願いをしておきながら、後から自分が書く段になって気づいたことですが、膨大な本の中からたったの3冊、さらには限られた文字数で紹介する作業というのは、案外骨が折れるもの。
本業の傍ら、そんな厄介なことに時間を割いてくれた選者の皆さんには、本当に感謝しています。
森で読む、といっても、具体的な行為を差しているばかりではありません。
いえ、どちらかといえば、ほんとうの森のなかでは、本や活字など不要なのかもしれません。
この本のなかで思い描いてもらった「森」とは、遠く離れた海の向こうにあるかもしれない森や、幼い頃田舎に遊びに行った記憶の中にある森、自分がこれまでに彷徨ってきた過去という名の森など、今、目の前にある「現実」とは別のところに流れている時間軸の象徴としての存在です。
「本」というツールを通して、日常の裏側にあるそんな時間のことを想像してみるのも、楽しいのではないかしら.....と思いました。
読む人にとっても、じゃあ自分だったら.....と、想いをはせてもらうことができたら、さらなる幸せです。
もちろん、シンプルにブックガイドとしても楽しんで頂けるはず。
小さい頃に読んだきりになっていた懐かしい本。知らなかったけれどこの人が薦めるならば手にしてみたいと思える本。新たな発見があると思います。
装丁についても、これまでのフォレミとは、あえて全く違う形にしてみました。
細かい部分は手にしてもらったときの楽しみにとっておきたいと思うのですが、大きな特徴は、袋綴じ・スリーブケース・手製本、です!
本体はシンプルにモノクロ印刷、ページは1枚ずつ袋綴じにしました。どこか懐かしい、たとえば小学校の頃に作った「遠足のしおり」のような雰囲気を出したかったので。紙は、サトウキビの搾りかすを使ったバガスという紙種を選んでみました。手触りが優しくてお気に入りです。
冊子は、ボール紙で作ったスリーブケースに収めました。このスリーブも、以前から一度試してみたかったもの。想像どおりの質感が出せて嬉しいです。
そして今回は、それら本体・スリーブともに、すべて手製で綴じたり貼ったり組み立てたりしています!コスト削減ということもあるのですが、最初に思いついた時から「自分の手を動かす」ということが今回の挑戦テーマ(?)でもあったので、その手段を選択。
早速、先週末の納品以降、ちくちくと進めていますが、こ、これが、予想以上に、ちょ、ちょっと大変でした!(いきなり泣き言、汗)
でも、原稿を寄せてくれた方へや、これから手にしてくれる人への感謝の想いを込めつつ、せっせとがんばる所存ですっ(鼻息)!
また今回は、挿絵をイラストレーター&手芸家の
tam treeさんにお願いしました。
ところどころに散りばめられた切り絵のようなカットは、まさに森へと誘うようなノスタルジックな雰囲気。小さな本に奥行きを持たせてくれています。
ざっくりとご相談しただけだったのですが、内容をしっかり汲み取ってくれて、あまりにもぴったりに仕上げてくれて、ほんとうに嬉しい。tam treeワールドもぜひご堪能ください。
- - -
ここでいくつかご案内を。
*この別冊の発行にともない、今秋に予定していた「Forest & me.04」の発行はお休みさせて頂きます。次回の通常のフォレミは来年春となります!通常版もこの後も続けていきますので、よろしくお願いします。
*上記の手製作業の関係で、一度にたくさんを作ることができません。ひとまず、販売は「麦小舎」店頭のみとさせて頂きます。
通販は10月下旬からを予定しています。確実なお届け日がお伝えできず申し訳ないのですが、ご希望の方のご予約は承ります。メールにてご連絡ください。発送可能の際はまたこの場でお知らせ致します。
なお、今回は部数少数のため、お取り扱い店での販売は、在庫を見ながら可能であれば同じく10月下旬以降にお届けしていく予定です。(すべてのお取り扱い店にお送りできない場合もあります。ご了承ください。)
*素人の手製につき、多少のズレ、ヨレなどはご容赦ください!
*ご協力いただいた皆さんへの発送も遅れており申し訳ありません。なるべく早くお届けできるようがんばりますので、今しばらくお待ちください。
古本小屋の片隅に置かせてもらっています。おひとつ記念にいかがですか。