
「寒さ」を表現するとき、「寒い」<「冷たい」(比較級)<「痛い」(最上級)となる訳ですが、今朝はこの「痛い」の領域に確実に踏み込んでいた。
マイナス16℃。でもまだこれより先の世界がある。その時はどうしよう。「痛々しい」になっちゃうのかしら...。
そらぁ麦だって、ぶさいくなお婆ちゃん顔にもなっちゃいますよ。
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「痛さ」から少しでも逃避しようと(視覚だけでも)選んだ今年最初のDVDは、ハワイ島が舞台の『ホノカアボーイ」。
生暖かい島の空気、甘いサトウキビとマラサダの匂い、少しくすんだ光。
主人公が島を訪れるきっかけにもなったムーンボウ。月の光で見える夜の虹。
その本来のものは見えなくても、恋するビーさんにだけは特別な「月の虹」が見えた。
昨日の夜のNHKは、詩人まど・みちおさんのドキュメント。
100歳を越えても、身の回りのものを“不思議がり”ながら、次々と詩を生み出す。
何気なく見ていたら、ずんずん魅き込まれてしまった。
涙を流したあとに、まどさんの一言。
「涙が出ると、まつげのところに虹がでます。見えなくても見えると思えば、虹は見えます」
恋するビーさんと、詩人まどさんに共通していたのは、一言で言うなら「素朴」さ。
不思議なことを不思議がったり、恋する人を恋しがったり、美味しいものを美味しがったりできる、素朴な心。
知ったように決めつけたり、今さらだものと諦めたり恥ずかしがったりしない、素朴な情熱。
年明け早々、たまたま出会ってしまった2つの虹から、「素朴」ということの大切さが、なんとなく胸にズシンときた。(素朴さとは対照的な時代に在るだけに、特に。)
いくつになっても、「素朴」でありたい。
そういえば、虹を見るときは、誰でもみんな子供みたいな顔で空を見上げる__。