おでかけリポートの続編。
この日の小旅行の後半には、ある人(プラスある動物たち)との
素敵な出会いが待っていました。
上田からさらに松本方面へ20分ほど車を走らせたところに、
青木村という山間の村があります。
これも、知り合いのある方からの情報で、その村に、何年か前に
東京から移り住み、宿泊ロッジを経営しながら、ヤギを飼い、
そのヤギミルクでチーズやヨーグルトを作っている人がいるよ、とのこと。
ヤギ!
今、うちの相方は、この愛すべき生き物に夢中です。
犬、猫、うさぎ、リス、プレーリードッグ、ワラビー etc.etc...
彼がこれまでに生活を共にした動物たちは数知れず。
今回の「ヤギ飼いたい熱」も、また〜、と相手にしていなかったのですが、
どうやらあながち妄想だけではないようです。
そして、今回の青木村来訪が、その熱をさらに加速させることに...
情報源の方がこれまた天然資質なもので、
前日詳しく所在地を聞こうと連絡してみたら、
「あらぁ、その人の名前も、ペンションの名前も忘れちゃったわ〜」... 。
残されたキーワードは、「青木村、ペンション、ヤギ」。
しかし、今どき、何ものも、ネット検索の網から逃れることはできません。
ヒットしました。
その名も「たんぽぽ堂」... How Cute!!!
のどかな里山を抜ける国道が、山にさしかかり、傾斜も急になり、
だんだん心細くなりはじめるころに、ポツンと手書きの案内看板が出ます。
そこからさらに山を目指して行くと、行く手に現れるのは
それこそアルプスのふもとにありそうな、三角屋根の木造の建物。
間違いようがありません。建物はこれしかありません。
野いちごの実など、自然にまかせて青々と茂る庭の小道を抜けて、
建物に近付いてみても、まるで人気がなく...。
留守かしら、と恐る恐るノックしてみると、奥からおじさんがノソリ。
着古したTシャツの胸部分には、たんぽぽマークと「たんぽぽ堂」の文字が!
How Cute ×2!!!!!
怪しいものではないことを説明し、ヤギが見たいと言うと、
奥のヤギ小屋を指し、どうぞ自由に見てくれとのこと。
母屋からさらに奥の敷地、傾斜面に、ヤギ小屋が計3棟ありました。
近付いてみると、それまでシ〜ンとしていた小屋から、いっせいに
「めぇぇぇぇぇぇ〜」と、大合唱が始まりました。
覗いてみると、いるわいるわ。
黒いのや白いのや茶色っぽいのや、おとなやら、こどもやら。
特に子ヤギたちは、木の枠から必死に顔を出して、ちん入者の顔を見ようと
押し合いへし合いの大騒ぎ。
後から聞いたところ、40頭弱、いるそうです。
なんの動物でも子供は特にかわいいものですが、子ヤギの可愛らしさは
また格別。やばい、私まで洗脳され始めました。

ひとしきり交流を楽しみ、母屋に戻ると、チーズを見せてもらえることに。
現在、たんぽぽ堂さんで作っているチーズは、
フレッシュタイプの「クワルク」と、カマンベール、それに飲むヨーグルト。
その場で出して頂いたヨーグルト、臭みもクセもまったくなく、
爽やかな酸味がとほのかな甘みで、ごくごく飲めてしまいます。
続いてクワルクタイプも味見。さっぱりして、牛のチーズよりもくどくなく
クセがないので、いつまでも食べ続けられそうな感じ。
美味しい... ヤギがいると、こんなチーズがいつも食べられるんだ....
はっ。いけない、いけない。私はストッパー役なのに。
そんな私を尻目に、相方は早速「はじめは何頭からスタートしたんですか?」
なんて、もう聞いちゃってる〜!

たんぽぽTシャツの吉田さんは、どうやらこの日、
スローな日々の中でも、特別、日常の様々な雑事が立て込み、
奥様はお外にお出かけ中で、保健所さんや農協さんがやってくるわで、
運悪くとても忙しそうだったのですが、それでも、突然訪れて
いきなり熱心にヤギの飼い方を訊ねるおかしなカップルに
とても親切に応対してくれました。
念願のヤギカマンベールとクワルクを購入し、またの来訪を約束し、
たんぽぽ堂さんを後にした私たち....
帰り道のそれぞれの脳裏には、しっかりと「ヤギのいる暮らし」が
もう焼き付いて離れなくなっていたのは、間違いありません。

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Farmer's Lodge たんぽぽ堂 TEL 0268-48-0008
このブログのタイトルが「麦小舎」から「ヤギ小舎」に変わる日も
遠くないかも....
と、言う訳で、折しもこの日は、前々からの宣告通り
電気を消して...のキャンドルナイトの日。
ロウソクの光のなか、丁寧に作られたパンとチーズを味わうシアワセ。