今朝はこの冬初めて、洗濯機が凍って動かなかった。
正確に言うと、たぶん排水管が凍ってしまっているから、「洗い」はできるけど「すすぎ」のところでピーといって止まる。
来たな、と思って、ファンヒーターをがたごと運んで、洗濯機に向かって温める。20分ほど温めてあげたらガタンといってから動き出した。
やれやれ。
「氷の城」の我が家を抜け出し、峠を降りた足で、今年オープン初日の「追分コロニー」さんへお邪魔する。
薪ストーブでお部屋が温められてて、見回せば本の山に囲まれていて(当たり前だけど)、ここは天国!
居心地がよいのをいいことに、Y子さんを掴まえて長々とお喋り。コロニーさんで昨秋行なった(私は残念ながらタイミング悪く伺えなかった)メロジさんの展示のことや、追分や北軽井沢にゆかりの作家さんのことなど。Y子さんはお喋りが面白おかしく上手なので、ついつい長話してしまう。営業中なのに失礼シマシタ。
ちょうど居合わせたお客さんが、「フォレミ」を手にして「わぁ可愛いー」と興味を持ってくれていたのに、恥ずかしくて名乗り出せなかった。気の効いた一言も言えればいいのに....。
コロニーさん夫妻とは来週も念願のとある場所へ連れてっていただく予定が。楽しみ。
「追分コロニー」は冬期も週末のみオープンしています!詳しい営業日はHPでご確認ください。
http://www11.plala.or.jp/colony/index.html
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こちら、トンカチです。
窓が凍って開け閉めできないので、これで窓ガラスを叩き割ります__
というのは冗談ですが(でもなんだかあり得そうな感じでもあるけど、汗)、そうではなくて、手製本をする作業で使います。
フォレミの別冊『森で読む本120冊』を自分で製本しようと決めて、ある程度の枚数を一気に綴じられる大型ホチキスを買ったのですが、そのホチキス、普通に留めるだけだと、芯のところだけ凸状に出っ張ってしまってカッコが悪い。(もっと高性能なものだとフラットに綴じれるのもあるのですが。)
なので、いったん留めて、上から製本テーブを張る前に、ひとつずつトンカチで叩いて平べったくなるようにしています。(元々はデザイナーM嬢のアイデアです。)
夜中、我が家から時折、コンコン、ゴンゴンと不気味な音が響いてくるのはそのためです。
たくさんの注文を一気に頂いて、急いで仕上げなくちゃーという時は、焦って、一つ一つの行程がとてもまどろっこしく感じるのですが、時間にも余裕があってゆっくりやれる時は、こうした地味な作業もとても楽しい。
バラバラの紙束だったページが、まとまって、綴じられて、テープでちょっとすました顔になって、ケースを組み立てて、タイトルシールを貼って、最後にそこへくぐらせてやると、イッチョマエに「本」のカタチになる。
自分の手の中でカタチになったと思うと、1冊1冊がより愛おしく思えます。
あぁ、この感じ....。
小学校に上がるか上がらないかの頃、近所に住んでいた祖父母の家に遊びにいって、私はそこで飽きずに「おはなし」を書いていました。
おじいちゃんは、あれは何て言ったらいいのだろう、天気予報をラジオで聞きながら等圧線だとか天気図の記号を専門の用紙に記録するのを日課にしていて、その書き終えた古い用紙がたくさんあったので、裏紙に自由に書かせてもらえました。
その頃、お姫様だとかお城だとか妖精だとかが出てくる「おはなし」が大好きで、「○○物語」なんてタイトルまでつけて、けっこう長編モノも書いて、それをおばあちゃんが上手だねぇなどと褒めてくれるものだから、調子にのって次々書いていたのです。
ひととおり書き上げると、おばあちゃんがそれを束ねて、穴を開けて、お菓子の空き缶に貯めておいてくれた贈答品についてくるピンクや赤のリボンで、かわいく綴じてくれました。
それが嬉しくって、誇らしくって。
今、小さな本を作りながら感じている歓びは、あの時となんにも変わっていないのかもしれません。
でもきっと、本や活字が好きな人にとっては、自分が手を加えたものが一冊の本になる、というのは、何にも代え難いヨロコビです。
それが例え、小さな小さなミニコミに過ぎないものだとしても。
"作品を発表する"というのとは別の次元での、工芸的な__というとおおげさなので__"工作的な"本づくりの愉しみ。
本が好きだからといって皆が作家や物書きにはなれませんが、こんな付合い方ならもっとたくさんの人が楽しめそうです。
ということから今は「製本」などのワークショップなどもよく見かけるようになりましたが、見かけの外側を整えるだけじゃなくて、内側(中身)にももう少しコミットして楽しみたい...。
「手作りする本の愉しみ」。
なにかカタチにして提案できないか、手探り中です。