新年度の始まり。
みなさま、桜のもと、華やかなスタートを切っておられますでしょうか。
こちらは、本の山に埋もれております.....。
文字通り、パソコンのある机の上も、その脇の床にも、その向こうにも、本の山。
センパイ本屋さんに較べたらまだ笑っちゃうほど微々たる量ではあるのですが、我が家のスペースに対しては結構なボリューム。
その山を、空いた時間に少しずつ切り崩しては、中身をチェックし、汚れていたらキレイにしつつ、世の中の相場とも照らし合わせながら値札をつけて、小屋に運んで....の繰り返し。
でも、ある程度量があるといっても、私たちが心からオススメしたいっと興奮しちゃうようなシロモノはまだまだ少ない。
私たちが思い描く「棚」を作れるようになるには、だいぶ時間がかかりそう。
とはいえ、ちょっとずつでも回転していってもらわないと困ってしまうし、それに私たちもまだまだ勉強不足だからとんでもないお買い得品が紛れているかも!
ぶらりと覗いては、一緒に育てていってもらえたら嬉しいです。

その「分室」の情報をもう少し詳しく、4月に入りましたし、お知らせしますね。
この春のカフェスタートと同時に、小さな本屋さんをオープンします。
名前は『
kiji books』といいます。
kiji は、鳥の「キジ」。現「麦小舎」、旧「地蔵堂」のあるこの敷地には、昔からキジの親子の住処があって、ケーンケーンという鳴き声がよく響いてきます。
一時期、姿が見えなくなったこともあったのですが、去年はまた一組の親子が住みついて、親キジのあとを一生懸命追いかけるかわいい子キジたちの行進もよく見かけました。お父さんキジはクジャクみたいに色鮮やかな盛装です。親キジはとっても子ども想いで、他の生き物の気配を察すると自分がおとりとなって必死に子どもを守ろうとします。そんな時、空を飛べないのは不憫です。
大空を飛び回れないかわりに、キジの親子が楽しみにしていること。それは、毎夜のようにお母さんキジが子供たちに読んできかせる「物語」。森の片隅の薮のなか、小さな居心地のよい巣に丸くなって、子キジたちはうっとりと物語に耳を傾け、そして夢のなかでは広い空をどこまでも自由に飛んでいく.....。
......おっとっと。途中から妄想が入ってしまいましたが、なんとなく頭に浮かんだ「鳥の巣」と「物語」のイメージが、「小さな小屋」と「本」に繋がっていくような気がしました。
また、この雑木林の先住民である彼らと、いつまでも仲良く暮らしていけるように。
そして雑談をもとに相方が書いたイメージの絵(厳密には色々突っ込みどころがありますが)が可愛かったため、「kiji books」命名の運びとなりました。(長々と説明するほどのことでもなかったですが...。)
扱うものは、古くて味わいのある本を中心に、リトルプレスほか手づくりの本、新刊でも小さな出版社が丁寧に作っているものなどを。
本と合わせて、手触りや質感が気持ちよかったり、たたずまいが美しい「紙のモノ」も、少しずつ集めていきたいと思っています。
「古本」と「紙モノ」。どちらもアナログの最たる物!「電子化」が騒がれるこのご時世に、またまた見当違いな方向に歩き出してるようですが、結局のところ今回も「好きなモノは好きなので」というほかありません。(相変わらず商売っ気ゼロ。)
個人的には、「本との出会い」ほど、心ときめく出会いはありません。
そのときめきを、この場所で味わってもらうことができたなら。
たまたまふらりと迷い込んだ森のなか、コーヒーで一息ついてのんびり過ごして、帰り際、何気なく覗いた小屋で探し求めてた一冊に出逢えた!なんてことがあったら、それこそ物語みたい。
なんでカフェなの?どうして本屋さんなの?と尋ねられたら、ただ、単純に、あるひとの日常に、そんな「物語な1コマ」を(頼まれてもいないのに!)プレゼントして、一緒に楽しくなりたい、っていうことなのでしょうか、ね。(まだ自分たちの深層や行く末も見えていないのですが。)

というわけで、話は戻って、今、本の山の中におります。
大好きな本たちではありますが、こうして埋もれているとだんだん息苦しくなってくる...。
なので、明日からしばらく、南の島、そう、ハワイにでもひとっ飛びして、思う存分羽根を伸ばしてこようと思います。
さらば、いつまでも往生際の悪い冬よ!
ごきげんよう!
注)今日の記述の中には、「四月馬鹿」の日にちなんで、一ヶ所、願望を含んだ事実に反する内容(つまりウソ)がありますので、ご注意ください。
本屋さんはウソじゃないですよ。
ウソみたいに小さい店ですが、ちゃんとやりますよ。