お盆期間が過ぎて、ようやくちょっぴり時間と気持ちに余裕ができたので、
夏の間に訪ねたかったところを目指して、軽井沢をひと巡り。
8月*日
午前中にひと仕事終わらせて、お昼過ぎの「
カフェイーナ」。
目抜き通りに面したお店には、まだまだ観光客も多く賑わっていたけれど、Kさん夫妻はいつもの笑顔で迎えてくれる。暑いからスムージーが大人気。私もモラを。デッキのハンモックに揺られて雷の音を聞く。自分ちにもあるのに、よそでハンモックに乗るのはちょっと照れ臭い。
その足で「
脇田美術館」へ、齋藤周さんの絵画の展示を観に。
先月末、設営とオープニングのために札幌から来軽していた齋藤さんと奥様の山本さん(『
旅粒』の制作者でもある)とお会いしてから、ようやくの観賞。
外は激しいスコール。館内にお客さんはまばら。脇田さんの常設展示にもゆっくり目を走らせながら、お目当ての展示室に辿り着く。と、そこには色彩が溢れていた。
オレンジ、黄色、グリーン。ポップな色の洪水のなかに、見え隠れする女性の影。膝を抱えたり、空を見上げたり...。じっと観ていると、自分自身が絵の中の小さな人になって、逆方向から外の世界を眺めているような不思議な錯覚に陥る。あれは私?
こんなに鮮やかなのに、湖の底のように静か。でも伝わって来るのは、確かな、その先にある明るい光。
絵を観ながら、こんなにも心地よくなれたのは久しぶり。ゆらゆらたゆたっている間に、表の夕立は上がっていた。
最後にショップで脇田さんの鳥の絵のハガキと素描集を買う。
Shu Saito [ a brief space of time ]
9月3日まで 脇田美術館

美術館から歩いて5分のギャラリー「
ラ・ボロンテ」。
愛ちゃんと妹さんの美人姉妹も、変わらず元気そう。今年からカフェのメニューもたくさん増えていた。がんばってるなぁ。
噂の恵比寿「櫻花」のアイスをお庭の席でいただく。黒糖ほうじ茶。ほうじ茶の芳ばしさがしっかり味わえてとっても美味しい。
手入れの行き届いたみずみずしい庭。時間が止まったようなギャラリー。私にとって旧軽井沢のオアシス。
8月*日
S夫妻とのランチに選んだのは、追分の「
ピッツェリア・クィ・エ・ラ」。
こちらもこの夏、きっと大忙しだっただろうお店の一つ。
さっぱりと軽い水牛のモッツァレラがめちゃくちゃ美味しい。
訪ねたのは春先以来だったのにちゃんと憶えててくれた店主夫妻。明るくて気取ってなくて気持ちのよい二人。Sさんたちともお喋りが弾んでゆっくり贅沢な時間。

その足で、ギャラリー蔵で行なわれている期間限定の展示「
extension / store 歩いていたら。」展へ。
雑誌でも活躍中の3人のスタイリストによるインテリアスタイリングの展示+
ランドスケーププロダクツのショップ。こんな展示が軽井沢であるなんて、とワクワク楽しみにしていた期待どおりの魅力的な空間。古い蔵の個性を活かしつつ、「山の朝」をテーマにした3通りのインスタレーションが展開されていて、真似したくなるアイデアがたくさん。
魅力的な企画なだけに、8月というドピークな期間を避けてもう少し外したシーズンに行なえていたら、もっとこの町に馴染んだ落ち着いたイベントになったかもしれないのにな、と、ちらり。
会場にいらしたスタイリストさん本人の「やっぱり家具でもプロダクトでも本物を見る機会をもっと作っていきたい」という言葉に共感。
山小屋の本棚をイメージしたシェルフは、「
追分コロニー」さんがブックセレクトを担当。こんなふうに地元を巻き込んでもらえるのは嬉しいこと。
前から欲しかったカメラマン野川かさねさんのリトルプレス「ポケットに山を」を見つけてほくほく購入。他にも欲しいものは数あれど。
extension / store 歩いていたら。
8月22日まで。ギャラリー蔵(離山公園)
その後、Sさん宅にお邪魔。ミニミニかわいいウサギちゃんと戯れつつ、今後、来シーズンに向けて行ないたい企画のアイデアを交換。ひとつのテーマのもとに、地元の作り手やショップを巻き込みながら、面白いモノができそうな予感。
前向きなアイデア交換は楽しくて、ふつふつエネルギーが湧いてくる。
一人ではできなくても、みんなで動けば変えていけることもあるかもしれない。
同じ方向性を持つ仲間が増えていくのは、楽しくて、明るい。
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半日×2日間の、短い夏休み。(それもごく身近な!)
それでも、美しいモノと楽しい会話から、夏バテ気味でパサパサしていた心に潤いと前に進む力を注入できた気分。
この場所で、私ができること。
ひとつひとつ、カタチにしていけたら、と思う。