9月4〜5日は、メンテナンスのため臨時休業とさせていただきます。
明日、8月29日は通常どおりオープンしています。
週の半ばは、清水農園恒例のBBQにお呼ばれ。
ちびっこ含めた家族+住み込みバイトさんに私たち加えて、総勢20名近くで、倉庫で炭をおこして豪快に。
野菜はもちろんすべて自家製。今年のトウモロコシは特に甘くて最高。ズッキーニも焼くとさらに甘みが増してとろける旨さ。
焼肉用の美味しい牛肉もあったけれど、なんといってもメインディッシュはクマ&イノシシ!
クマはその日の朝に捕れたて、さばきたて。こんがりめに焼くと「肉そのもの」の味がして十分イケる。新鮮だからこその貴重なレバーも。
イノシシは燻製にしたスペアリブ。これがめっぽう美味しかった!都会っ子のバイトくんたちも、目を丸くしてかぶりついてた。
北軽井沢ならではの、大地とともに暮らしてる人ならではの、最高のおもてなし。
ひと夏だけの滞在のバイトくんたちにも、忘れられない味になっただろうなぁ。
忘れないでいてほしいと思う。
清水家のお父さん、家族のみんな、ご馳走様でした。
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今日、土曜日の夜は「北軽井沢ミュージックホール」で行なわれる「秋いちばんコンサート」へ。
お店を閉めて、急いで明日の支度をしてから、自転車で出かける。
こちらも毎年恒例の行事ながら、きちんと出かけてみたのは恥ずかしながら初めて。(私の両親などは、滞在時期が合えば出かけていたらしい。)
北軽井沢・大学村別荘地にゆかりの深い作曲家・寺島尚彦さん(2004年没)の遺志をついで、亡くなった後もソプラノ歌手である娘さんをはじめご家族を中心に、地元の人々がサポートしながら毎夏ここでコンサートを企画。
演目は様々。地元ではお馴染み「浅間鬼押し太鼓」の演奏に始まって、男性合唱団や寺島さんの愛弟子たちのグループによるオルガン演奏、ご家族による歌。お孫さんにあたるチビッコたちの歌もあったり(可愛かったー)。
途中の休憩タイムには、我らが清水農園などで採れた茹でトウモロコシや地元の牛乳が振る舞われたりするのも村ならではの温かさ。
寺島さんの曲には、同じ大学村の隣人である谷川俊太郎さんや岸田衿子さんが詩をつけたものも多くある。
かつてこの村では、才ある人たちが集まって、仕事とは別に楽しみながら曲を作ったり、詩を贈り合ったり、歌ったり奏でたり、そうしたことが自然と行なわれていた。
そしてそこで生まれたものは、いわゆる「別荘族」の気まぐれなお遊びではなく、地元の村の人たちにも垣根なく伝えられた。
そんな「文化」などど呼んでしまうと仰々しいような、もっと素朴で、人間らしい遊びや愉しみの交流があったということは、この村に暮らす者としてなんとも誇らしいこと。
誇らしいと同時に、今の私たちにはなかなか真似のできないということが残念でもあり...。
でもその一端が、こうしたコンサートなどによって継承されていくのはとても素晴らしいこと。関係者のみなさんには感謝しなければ。
今回のコンサートには、農場で一緒に働いているTさんも出演していました。
普段は一緒に泥まみれになって、くだらない冗談を言い合う仲の彼は、本業はプロのオルガニスト(ピアニスト)。寺島さんの教え子でもあったことから今回のコンサートにも協力して、見事な演奏を披露していた。演奏者のなかで一人真っ黒に日焼けしておかしかったけれど、北軽井沢では、そんなことも起こりうる。
プログラムの最後は、(毎年決まっているのだそうですが、)寺島さんの代表作「さとうきび畑」の合唱。森山良子さんなどが歌う、ざわわ、ざわわ、というあれです。
時期的に8月、夏の終わりで、作曲者本人のご家族による熱唱とあって、ひときわその詩がぐっときました。隣にいた初老の男性は、目頭をハンカチで押さえていました。情景が浮かんでくるような、本当に素敵な歌。会場中、聞き惚れていました。
寺島尚彦さんの歌を、この曲しか聴いたことがなかったので、しんみりとした印象だったのですが、シャンソン歌手・石井好子さんのバックとして一緒にツアーを回っていたこともあったそうで、シャンソン風の軽快なものや可愛らしい童謡など、一緒に歌いたくなる明るい歌が多かったのも印象的でした。
会場では、農家さんほか地元のお知り合いにも、別荘客でお店に遊びに来てくれる友人知人にも、どちらにも会えて、そうか、今この場所では、地元も別荘客もみんな一緒に楽しんでいたのだなーと嬉しくなった。
そういう機会がもっともっと増えてくれたらいいなーと思いつつ、ざわわ、ざわわ、と歌いながら、満月に近い月に照らされた夜道を、自転車で帰ってきた。
北軽井沢の短い夏も、終わろうとしています。