立秋とはまだ名ばかりの、連日の夏空、入道雲。
激しい夕立(夕方だけでなくお昼頃からも)は、熱雷というのだそう。
台風が過ぎてからは梅雨が戻ったようなグズグズお天気。
暑さが戻ってきてからは激しい雷雨。
ここ数週間、雨の降らなかった日はありません。
広い空の下で畑仕事をしていると、雲が少しずつ集まり始め、
むくむくと天に昇って膨らんでいき、ぱんぱんに張りつめて、
風船がはじけるように雨となって落ちて来る様子が、刻一刻と、
アニメーションのように観ることができます。
豪雨にずぶ濡れになって、長靴の中からパンツの中まで
びしょぬれになって、濡れ鼠で畑を走り回る私たちの姿も、漫画のよう。
この年になって、ここまで漫画のように雨に打たれる経験というのも
なかなかないことなので、可笑しくて、テンション上がります。
漫画のオチのように、雷が落ちて髪の毛チリチリ〜〜〜というところまでは
カンベンしてほしいですが。
そんなこんなで、高原の短い夏をてんてこ舞いで這いずり回っています。
お盆の週末を前に、北軽井沢の小さな町にも、人や車が増えてきました。
サングラスにバミューダパンツのお父さん。
ツバの広い帽子に日除け腕カバーをつけたお母さん。
真っ黒に日焼けした子供たち。
「よそ」の空気をまとった人たちが、普段は閑散とした町に
活気を運んできます。
今ではすっかり「いらっしゃいましたねぇ」と横目で見ている私自身が
十数年前まではそうして短い滞在を満喫する側として
はしゃぎながら往来を闊歩していたのだと思うと、
急に目線があべこべになるような、立場がひっくり返ったような
不思議な感じを憶えます。
「なにもこの時期に集中しなくとも」とは、毎年つぶやきたくなるのですが
やはりそうなる事情もあるのでしょう。
せっかくですから、存分に楽しんで、キラキラした夏の思い出を
たくさん持ち帰ってほしいなぁと思います。
十数年前、テニスラケットを抱えてサイクリングをしていた私が、
さらに二十数年前、父親の肩車で草原を散歩していた私が、
そうしていたように。
ね。