今年も「その日」が近づいています。
「その日」とは何の日か。
その答えとして、3年前に「Forest & me.」vol.02 のなかで『森に祝福の雨が降った日。』と題して綴った文章を、ここに書き写してみたいと思います。(一部、修正しています。)
森に祝福の雨が降った日。
梢がさらさらと風に揺れる音。
鳥たちのさえずりと羽ばたき。
そんないつもの森のBGMに、この日、美しい旋律が加わった。
そのふたりの指先から生まれる音色は、
草木や大地、そして私たちの頭上へも、等しく、優しく降り注ぐ。
まるで神様が空から降らせる恵みのシャワーのように。
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いつからだろう。気づいたら、tico moonのふたりの奏でるメロディーは、毎日のすぐ身近なところにあった。晴れた朝には、澄んだハープの音色が一日の始まりを一緒に祝い、一人ぼっちの夜には、優しいギターの音色が暖かい毛布のように包み込んでくれる。あえて「聴く」のではなく、それは空気のように、風のようにそばにあって、そしていつも私に「森の記憶」を呼び起こしてくれた。
どこの神様のいたずらか。その森にふたりの生の音が流れる日が訪れた。
(2008年)7月に発売されたアルバム「Rasberry」リリース記念ライブツアーの会場の一つとして、はるばる「麦小舎」まで。それまで何度も夢のなかで思い描いた小さな森での演奏会の光景が現実に…。指折り数えて迎えた当日の朝、予想外に冷たい真冬並みの空気が立ちこめる庭で、外での演奏なんて無理なのではと半べそ状態の私に、ふたりは「大丈夫、やりましょう」とニッコリ笑いかけてくれた。
ふたりがそっと呼吸を合わせて、演奏が始まる。
友加さんの細い指が弦をつまびき、影山さんのギターが背後から支えるように、時に先へと導くように軽やかに奏でられる。それぞれが、お互いの音を信頼し、慈しみ、なおかつその場で高めあおうとしている。その熱のようなものが少しずつ私たちの心と体を暖め、そのまま木立を抜け、空へと漂って溶けていく。
演奏前にふたりが話してくれたこと。
「7年間、ずっとふたりでやってきましたが、これからも“ふたり”だから作り出せるものにこだわっていきたいと思うんです。」
今ここに流れているのは、まさに、ふたりの、ふたりにしか作れない音。ふたり以外の誰にも真似できない清冽な世界...。
幼い頃、誰にも内緒で大切なものを仕舞い込んだ宝箱。もう一度あの箱を取り出して、この奇跡のような時間を閉じ込めよう。川原や森で見つけた光る石や虹色の鳥の羽根みたいに、いつまでも心の片隅をキラキラと照らし続けてくれるように。
この日のことは、ほんとうに宝物の記憶として、今でも胸に焼き付いています。
それから3年。秋がやってくるたびに開催している「tico moon」の演奏会は、今年で4回目を迎えます。
私たちにとっては年に一度のご褒美のような、そしてお客さまにとってもきっと、日常からふっと切り取られたような安らかな心地よいひとときは、回を重ねても魅力が褪せることはありません。
「この場所、この森ほど、tico moonの音楽にぴったりな場所は、他のどこにもない!」
カフェを開いた当初から、そう秘かに豪語し続けてきた確信に近い思いも、いまだに変わってはいません(笑)。
今年5月、3年前の「Rasberry」につづく新譜「Daydream Garden」もリリースされたばかり。
ふたりの紡ぐ新たな世界が、また私たちを「物語」のなかへと誘い出してくれることでしょう。
私たちもこの日のためだけのお菓子と暖かいお飲物をご用意して、心からリラックスできる心地よいひとときをお約束します。
お席はあと少し、ご用意可能です。
どうぞ、秋の初めの森の演奏会へ、お越しください。
tico moon live 2011 autumn @麦小舎
□Date/2011年10月2日(日)
□Open/13:00 Start/13:30
□Charge/¥2,500(1ドリンク+プチお菓子付き)
□Place/本とコーヒー 麦小舎
群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-3407
□Reservation/
ご予約はメールにて承ります。
otayori@mugikoya.com
代表者のお名前、ご連絡先、人数、を明記の上、お送りください。
☆
twitter でもお申込承ります!(@mugikoya を付けてお知らせください。)
*電話でのご予約はお受けしておりませんのでご注意ください。
*ご予約は先着順となります。定員になり次第、締め切らせていただきますのでご了承くださいますようお願いいたします。
*ご予約いただいた方には、確認のメールを返信させて頂きます。3日ほどたっても返信がない場合はお問い合わせください。
*代金はライブ当日、受付にてお支払いください。
*お子様の同伴については、メールにてお問合せください。
初めての演奏会の日の記念の一枚。これもタカラモノ。