この春、麦小舎の本棚に加わった、一冊の絵本。
荒井良二さんの『
あさになったのでまどをあけますよ』。
あの町に、この村に、朝がやってきて、子どもたちが窓を開ける。
お話というお話はなく、たったそれだけのあらすじ。
ただ、まぶしい色彩につられるように手に取って、ぱらぱらっと開いたときに、おもわず「あ!」と声が出たのでした。
隣にいる相方にも見せたら、やっぱり同じことを言いました。
「この景色、I町(福島にある相方の故郷の町)にそっくりだ。」
きっと、見る人によって、それは色々な町に形を変えるのかもしれません。
懐かしいあの町。どこかで出会ったことがあるような風景。
そこに、今日も朝がやってくる。
朝がきたのだもの。
窓を大きく開けて、光を、風を、取り込まなくちゃ。
ほらほら、いつものように。
冬の間のモノクロの世界に慣れきっていた眼に、一気に色彩が戻ってきたようでした。
寒い寒いと縮こまっていた体に、すーっと風が吹きこんできたようでした。
どうにも不条理で、なのにどうにもできないことに鬱々として、暗いところでモジモジするばかりだった背中を、後ろから大きなてのひらでバーンと叩かれたようでした。
絵本の持つ底力を見せられた一冊でした。
みんなにも見てもらいたくて、お店のサンルームの席に置いています。
そして、その絵本の原画展が今、前橋の「フリッツ・アートセンター」で開催されています。
詳細はこちらを。
私たちも先日観てきたのですが、原画はさらに素晴らしいものです。観なければ損です!
5月6日までなので、慌ててお知らせをしています。
お近くの方は、明日あさってで、どうぞご覧ください。
6日にはフリッツの庭で、
こんなすてきなイベントも。
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麦小舎のGW期間の営業は、明日5日までです。
6日(日)はお休みしますので、ご注意ください。