このあいだの土曜日。
近頃では毎日のことで驚かなくなったゴロゴロというお腹の底に響くような音とともに、真っ黒い雲が一瞬にして青空を奪って、しばらく滝壺にいるようなシャワーが来たあと。
この虹が出た。

真っ先に会社の2階に駆け上がる。他のスタッフも気づいてカメラを手に追いかけてくる。
負けずにスリッパのまま、びしょぬれのベランダに出てパチリ。
慌てたから、電信柱ど真ん中の構図だし、はしゃぎすぎて網戸をぶっ倒してしまった。
みんなの顔もいつになく上気している。
まったく、みんないい年した連中だってのに。
いつもはつまんない顔して仕事してるいい大人を、一瞬にして夢中にさせちゃう、虹という魔力。
いくつになっても、虹は不思議だ。
(写真ではよく見えないが、ダブルのリング。)
やいのやいの言ってるうちに、澄ました感じで、何事もなかったかのように、消えた。
つまんない感じだった社内には、でも、しばらく、ちょっと気恥ずかしいような、ゆるるんとした感触が残った。
虹についての追記。
浅間牧場で働く相方によると、てっぺんの見晴らしのよいところから山の裾野の方角に虹が出ると、半円ではなく、完全な丸に近いかたちのものが見えたりするらしい。
ホントかな。見てみたい。