パソコンの前にゆっくり腰をおろす余裕もなく、毎日が全力疾走(というより全力バタ足)で駆け抜けていく8月。
久しぶりにブログを開きました。
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先週までのお盆ウィーク。
この夏も下界の暑さのおかげでか、ふもとの軽井沢はもちろんのこと、こちら山腹の北軽井沢の村も、たくさんの車と人で溢れました。
ピーク時には、ここから中軽井沢に降りるまでに、普段は20分の道が1時間以上かかってしまったとか。
(地元の人はこの時期なるべく移動しないようにするので、すべてよそから来た人の情報で知ることなのですが。)
スーパーツルヤやアウトレットの混雑ぶりを想像するだけで、クラクラ目眩がしそうです。
そんな最盛期にも関わらず、お店のオープンはほぼいつもと変わらぬ週末のみ。
お客さんからは「この時期くらい平日もやっているかと思った」と言われ、同業者からは「こんな時期に開けないなんて信じられない!」と呆れられ...。
相変わらずのマイペース、ご迷惑をおかけしてオリマス。。
ただ、天の邪鬼といおうかなんといいますか...
人がいる時期に合わせて無理にでもオープンして、がっちり稼いでやるぜ〜、というノリには、どうしてもなれません。
むしろ、この時期の来店はお薦めしません、なんて公言しちゃってるくらいですから。
いつもこの時期の軽井沢にしか来たことがない方からは、どこにいっても道路は渋滞で、駐車場もいっぱい、お店では待たされて、たいして美味しくないものが高いし、サービスもおざなりだし、まったくうんざりしちゃって...という声をたびたび聞きます。
一度そんな思いを経験したら、たいていの人は「軽井沢?あぁ、あそこはもういいわ。。」となってしまうでしょう。
一年365日のうち、ほんの2週間くらいだけ町が姿を変える、、その一瞬の時期の光景が、多くの人の「軽井沢のイメージ」になってしまっているのが、いつも残念でなりません。
都心からも近く、涼しくて自然も豊かな観光地として、いまだに夏の軽井沢にたくさんの人が来てくれることは、この土地を好んで暮らしている立場からしたら、ありがたく嬉しいことには違いありません。
ただ、その人たちが、軽井沢の”ほんとうのいいところ”にまで触れてくれたかどうかは大きな疑問です。
ちゃかちゃかした表層の部分だけを眺めて「ふうん...」で終らせてしまったのでは、ブランド店に足を踏み入れた時のように、「軽井沢に行って来ました」ということだけを呟いて満足されてしまったのでは、あまりに残念だなぁ、、と、ついついそちらに思いがいってしまうのです。
そもそも軽井沢や北軽井沢という場所は、日帰りや一泊くらいで来てみたところで、たいした面白味のないところです。
数日間滞在して、人のいないほうへと分け入って、車を降りて自分の足で歩いてみて、美味しい空気をたくさん吸って、その空気が体の中いっぱいに巡り始めてみて初めて、都会にはないこの場所の気持ちよさというものに気づいてもらえるはずなのです。
この、夏場の一極集中スタイルには、お店側(迎え入れる側)の人も毎年クタクタに疲労困憊し、シーズンの後、体調を崩してしまう話もよく聞きます。
ここぞ、と頑張りたい気持ちもわかるけれど、この極端な変動とバランスの悪さは、迎える側にとっても、訪ねる側にとっても、あまりよい効果を生んでいないような気がして...。
どうにかならないものかなぁ、と思いつつ、毎夏、シーズンが始まってしまえば結局、何も考える余裕もなく嵐に巻き込まれ、気づけばまた誰もいなくなった町に秋風が吹いて、、、の繰り返し。
でもこれはやっぱり、訪ねてくれる人に罪はないので、迎え入れる側が、努力して、夏休みシーズン以外の時期の魅力を伝えたり、自分たちにも負担なく、永くこの場所で続けていけるやりかたを、考えなければいけないんだろうなぁと思います。
いつまでも、「夏場の稼ぎで一年をなんとか乗りきる」が合い言葉では、外からの人に愛される場所にはならないのじゃないかなぁ。。
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残暑が猛威を振るっているようですが、お盆を過ぎた北軽井沢は、例年のごとく、秋の気配が漂い始めました。
日中の日射しは強いですが、朝晩はひんやり肌寒いくらい。
蝉の声はやんで、代わって秋の虫の合唱が響き始めました。
ススキの穂が少しずつ大きくなってきて、萩やコスモスの花が咲いています。
高い山の方にいけば、リンドウやワレモコウ、マツムシソウなどが咲いているのではないかしら。
ようやくいちばん好きな季節がやってきます。
秋の北軽井沢はほんとうに美しいので、その時期にぜひ訪ねてもらいたくて、今秋も企画を用意して、準備を進めています。
昨年に引き続いての本のイベント「Book-nick」を、10月半ばに開催します。
一部、twitterなどでは先行でお知らせしてしまいましたが、びっくりするゲストもお招きできることになりました!
詳細は来月頭には告知を始めます。
夏バテしてしまった頭とカラダを少しずつリセットしながら、来たるシーズンを楽しみに待ち構えることにしましょう。