近頃、無性に行きたい場所があります。
そう、動物園。
この雑誌「Coyote No.7」をたまたま手にしたことと、仕事に煮詰まってきたこと、しばらく軽井沢近辺から離れていない状況があいまって、「あぁ、動物園に行きたいな・・・」と、なってます。
そもそも、「Coyote」は、川上弘美と井上陽水の対談(ふたりが井の頭動物公園を散歩!対談タイトルは「昼下がりの情事」。なんて魅力的な配役!)に魅かれて買いました。
ほかにも、角田光代といしいしんじが長野市の茶臼山動物園へ、島尾ミホとしまおまほの祖母・孫娘コンビが奄美の動物園と島尾敏雄を回想するなど、かなり内容の濃い1冊。
動物園といえば、家族でお弁当持って、とか、高校時代のデートコース(ふるい?)の定番だけど、オトナになってから、足を踏み入れる機会ってなかなかない。
一番最近でも、たしか3年前くらい、小諸の懐古園の中のミニ動物園かな。
なぜだか、もう凍えそうな秋の終わりに行って、アライグマやワラビーやペンギンやウサギの檻の前で写真を撮りました。テナガザルみたいなナントカモンキーみたなのがいっぱいいた気がします。(そのあと、どこか外国から立派な白いライオン?トラ?がやって来たんでしたっけ。)
個人的に印象に残っている動物園は、1年間だけ留学していた南フランスのモンペリエという街の、市街地からはバスで30分くらいかかる町外れの動物園。
たまたま住んでいた寮の近くにそんなものがあり、友達も少なくて、もてあました日曜日とかによく出かけてました。動物園といっても、入場料が取られるのでもなくて、ひろーい敷地内に所々「動物もいる」という感じ。あまりに広くて、それぞれの動物たちのエリアも反対側が見えないくらい広いから、間近に動物が見えることはほとんどない。
熱帯みたいなヤシとかが植えられてる散策路を「あっついなぁ〜」と独りごちながら、「寂しくなんかないさ」と無理矢理自分に言い聞かせながら、歩いたことばかりを憶えていて、見た動物は色鮮やかな南国の鳥たちみたいのしか記憶にない。実際、かなり孤独だったんでしょうね(笑)。ひとりぼっちの異国の動物園。今思えば、悪くないけど。
外国(特にヨーロッパとか)に行くと、大きな都市のど真ん中の一等地に、威張って、遊園地とか動物園があったりしますよね。東京の上野も、あれも一等地、かな。
実際にはその場所にいること自体があり得ない、アフリカ種のキリンやライオンとか、中国からのパンダや、南極(?)からのペンギンとかが、絶対にいつまでも馴染むことなく、いつまでも故郷のことをどこかで考えているようなうつろな目をして、たむろしてる動物園の物悲しさが、でも、嫌いではないです。
いきたいな、動物園・・・
お天気がよければ、今日のお休みの日にひとりでも出かけようかと思ったくらいなのですが、あいにくの曇天。思わず、書店でこんな本を買ってしまった。
「どうぶつしんぶん」福音館書店 日本傑作絵本シリーズ。
岸田衿子、谷川俊太郎(北軽・大学村文人チーム!)らの文章と、イラストは堀内誠一という、贅沢な執筆陣。
扉を開くと、中にはページは1枚もありません。そのかわり、ポケットの中に、折り畳まれた「しんぶん」が春から冬までの4号分、収められています。
「しんぶん」は、季節毎のもりのニュースから、ブタの「ハンプシャーふじんのりょうりきょうしつ」、はいくのコーナー、ひげはかせ(おそらくヤギ)の「からだをしろう」、まいごのお知らせ、など、盛りだくさん!ちゃんと、広告欄(しまうまペンキ店ほか)もあります。
なんとも微笑ましい。なにしろ「このしんぶんの目指すところ」のなかに、「ほんとでもうそでもないことは、おもしろおかしくみんなにしらせる」とある。似たような、とはいえ内容の充実さでは完全に負けている「しんぶん」作りを仕事にしている私にとって、参考にしたいスタンスであります(笑)。
大のおとなが寄ってたかって楽しんで作ったことが伝わってくる。
おとなに、ぜひ、オススメです♪