週明け早々、東京に仕入れと打合せで1泊2日出かけてきたりしたもので、あっという間に週末、金曜日。
そして気づけば2月に突入。
これからが寒さの底だとわかってはいるけれど、カレンダーが一枚めくれるごとに、春に近づいているのは事実。
特に、今日のように、モコモコのダウンで完全防備せずに外に出かけられてしまう暖かさをのっけからプレゼントされてしまうと、もうトンネル出口は見えてきたかしら〜♪などと浮かれてしまう。
きっとこの歓びはすぐにへし折られてしまうけれど、それでもいいのです。
今日という日が暖かい。それが幸せ!
振り返りが遅くなってしまいましたが、松本・ブックパッカーアンテナサイトでの出張本屋「kiji books is comin' to Matsumoto」は、先週の土曜日、無事閉幕となりました。
クロージングイベントとして行なった一日限りのおでんやさん「ほんのおでん」。
土間の片隅にスペースをもらって、前日に煮込んできたおでんの鍋とエスプレッソマシンをちまちまと並べてセッティング。
おままごとみたいなその様子を見ていたアンテナサイトの主人ゴウさんが、「なんか似合う気がする」と「南極料理人」のサントラをかけてくれたのがぴったりで可笑しかった。
ブックパッカー参加者と、他にもおでん目当てに覗きに来てくれた方が、お鍋を覗き込みながらアレとコレと〜とチョイスして、眼鏡を曇らせながらハフハフかぶりついている光景は、なかなかに良いものでした。
きっと「おでん」というメニューならではの、ファストフード感や、「ちょっと一杯」(この日はお酒は無しでしたが)みたいなノリが、見ず知らずの人がふらっと寄り合って、ぽつぽつと会話を交わす、アンテナサイトの雰囲気に合っていたのかもしれないなーと思います。

この「寄り合う」感じは、初めて正式に参加させてもらった「ブックパッカー」の場でもずっと感じていたこと。
「馴れ合う」や「ぶっちゃけ合う」ほど押し付けがましくなくて、すっと隣合って座った者同志で、言葉を交わし合う場。
たとえば、地方のローカル線の待合室(木のベンチには近所のおばあちゃんの手編みの座布団が敷かれている)での1コマみたいな。
小さい頃からのお気に入りの一冊。
今の奥様と結婚するきっかけになった一冊。
自分を「その気にさせてくれる」一冊。
好きで堪らない外国の国を伝えるための一冊。
大事なものを無くして途方に暮れている時に出会った一冊。
本屋の売れてるランキングや、誰かエラい人のお薦めブックレビューとは違って、「実はこんな本があるんですけど...」と初対面の方がおずおず紹介してくれる、そんな本との出会い方も嬉しいものだなあ、と、参加中ずっと、ふわふわ暖かいものに包まれているような(想像していたピリっとした感じとは正反対の)気分でした。
「ブックパッカー」はこれからも、アンテナサイトや日本各地で開催されることでしょう。
もしお近くで開かれることがあったら、ぜひ気軽に参加してみてほしいなあと思います。
なんかね、ちょっとね、想像以上に楽しいものですよ!
......と松本での余韻にひたっている間もなく、実は明日から、キジさんはさらなる飛来地を目指します。
(渡り鳥みたいになってきたなあ!)
今回はたくさんの古本屋さんが集まるなかに、コショっと(←ダジャレってます)混ぜていただきます。
場所は、諏訪湖のほとり。
私たちも大好きなお酒「真澄」で知られる「宮坂酒造」内ギャラリーで開かれる古本市です。
酒蔵で本を読む「くらもと古本市」
日程:2012年2月2日(土)〜11日(月)
場所:セラ真澄(宮坂醸造内)
時間:10:00〜17:00(最終日16:00まで)
http://kuramoto.valuebooks.jp
2月9日は美篶堂さんの製本ワークショップもあるそうです。
どうぞお立ち寄りください。