嵐が去って、今朝の浅間山は、銭湯の壁に描かれた富士山のように、くっきりテカテカ光っています。
数日前、伊藤まさこさんから届いた封書。
なかには、今、発売中の「暮しの手帖」とお手紙、ちいさな本のプレゼントも。
今号の「暮しの手帖」は、まだきちんと読んでいなかったので、なにかしら...と思ったら、巻末のまさこさんの連載コラム『映画ちらちら』のなかで、北軽井沢を舞台にした『カルメン故郷に帰る』のことを取り上げてくださっていたのでした。
映画のことに触れながら、北軽井沢の風景、浅間山のこと、岸田衿子さん今日子さんの本のこと、草軽電鉄のことまで。
まさこさんが、北軽井沢に対して、軽井沢とは別の角度からちゃんと見てくれて、飾らずにありのままの文章にしてくれて、なによりも「好きだなあ」と思ってくれていることが伝わってきて、じんわり嬉しくなりました。
「北軽井沢ならではのよさ」みたいなもの。
観光ガイドブックでは、相変わらず軽井沢のオマケみたいに、見開き1ページでざっくり立寄りスポット(浅間牧場、鬼押出し園、おもちゃ王国...、20年前と変わらない)が並ぶだけ。
私たち(暮らしているもの)が著わそうとすると、良く見せようとして、余計な修飾詞や感嘆詞をくっつけてしまいがち。
(今のところ、いちばんありのままを書いているのは、いつもお薦めしている佐野洋子さんのエッセイ『神も仏もありませぬ』だと思うけれど、それも少し偏りはあり...。)
まさこさんの文章はほんとうになにげないのだけど、実際に自身の足で歩いて見て感じたこと(わたしが横からうるさく吹き込んでしまったこともありますが!)なので、久しぶりに客観的な「北軽井沢」を読むことができて、すとん、と落ちて来ました。
主題となっている『カルメン故郷に帰る』も、未見の方はぜひ!
むっちむちの可愛らしい高峰秀子さんと、森でも林でもないすーっと見晴らしのよい村の様子が、新鮮です。
コラム冒頭に「北軽井沢に暮らす知人からの便りはいつも、浅間山のことから始まります...」と書かれています。
そうだったっけなあ、と思い返してみましたが、無意識でしたが、今日のブログもそんな書き出し!
...はい、たしかにお手紙やメールには、時候の挨拶のかわりに、その日見える山の姿を書いてしまうことが多いかも。
山麓のひとは、みなそうではないでしょうか。
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もうひとつ、最近見つけた嬉しいもの。
軽井沢町が開設した「
軽井沢町立図書館デジタルアーカイブ」というサイト。
ちらりと開いてみたら、貴重で珍しい映像や資料がアップされています。
昭和20年代につくられた「浅間山」という映画や、「カルメン〜」でも登場する草軽電鉄の記録映画など、他では見られない映像があり、これから空いた時間に少しずつ見ていきたいと思います。
この取り組みはいいなぁ。今後も追加されることを期待しています。
そうそう、4月1日、中軽井沢駅に新しくオープンした町立図書館。
先日ほんの少し覗いてきましたが、広々ゆったりとして、窓から浅間山も一望できて、腰を落ち着けて読んだり書いたりするのに気持ちよさそうな空間でした。
これからちょくちょく使わせてもらおうと思います。