小春日和というより小夏日和と言いたくなるような季節外れの陽気つづき。
北軽井沢でも日中は汗ばむほどで、いったん出してしまったコタツを恨めしく眺めていたりな訳ですが、それでもやっぱり日が傾けばグンと冷たい空気が降りてきて、いよいよ明日からはまた本来の寒さが戻ってくるようです。
イベント続きでとっ散らかっていた日々が落ち着き、この3連休は久しぶりにゆったりとお店を開けています。
先週末のお祭りが、どこかもう遠いことのよう...
この日記(ブログ)にどこから振り返って書けばいいのかしらと思いますが、まずはやっぱり「ブックニック」のことを。
今年は10月5日、6日の2日間、北軽井沢ミュージックホールにて行なった「BOOK-NiCK(ブックニック)」は、無事、終了いたしました。
ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございます。
全体のまとめは
「ブックニック」のサイトに書いていますので、よろしければそちらで。
こちらではもう少し個人的な感想を。
3回目ながら、毎年毎年、手探りのイベントづくり。初めての会場。
蓋を開けてみるまでどんなものになるのか、自分たちでも想像がつかず、直前は不安と緊張でキリキリ舞い(いつものことなのですが)。
いえ、直前だけではなく、当日オープンして以降も、お客さんが途切れやしないか、退屈していないか、不具合なところはないか、出店者さんは困っていないか?...などなど、あちらこちらが気になって、ムダにあくせく。
目の前に、本を挟んでお客さんと出店者さんが楽しそうに会話している姿や、夢中で絵本をめくる子供たちの顔、美味しい食事や手に入れたお宝(古道具や雑貨なども)を手に穏やかに寛ぐお客さんの様子がくっきり見えるようになったのは、イベントも後半になってからだったかもしれません。
ミュージックホールという場所が持つ独特の「閉じているのに開かれた庭」のような空気が、ちょうどよく小さなお祭りの親密な雰囲気を高めてくれて、思い描いてみた以上の効果を生んでくれました。
何人もの方に実際に「こんな素敵な場所があったなんてねえ!」と言ってもらうこともできて。
ちょっと贔屓目に書いてしまえば、ふだん夏の後はひっそりと息を潜めているホールも、たくさんの人に訪れてもらって、喜んでいたようにも思えます。
この場所を選んだのは正解だったなあ、ということ。
そしてもうひとつ。
気持ち良いイベントになったのではないかと思える最大の理由は、そこに集まってくれた「ひと」。
なかには遠路はるばる泊まりがけで駆けつけてくれた出店者の方たち。
私たちが何もお願いしなくても、すぐにその場に最大限魅力的な、“ピクニック的”なブースを、作り上げてくれました。
それは、私たちが「こんなふうだったらいいなぁ」と漠然と思い描いていたイメージを、さらに、さらに、上回るかたちで。
2日間だけで消えてしまうなんて、もったいないようでした。
イベントが始まってからも、自分たちのブースだけでなく、会場がもっと居心地よくなるようにと、自然と手を貸してもくれました。嬉しいことでした。
そして、クンクン、嗅覚をきかせて(笑)、駆けつけてきてくれたお客さま。
お店を通じて顔なじみの方はもちろん、ずいぶん遠くから「このために来ました!」と言う方もいて。
私自身は、冒頭に書いたようなあたふたな状態で、ゆっくりお話することがほとんどできませんでしたが、出店者さんたちに聞くと、お客さんがみな良い人ばかりですばらしいです、と。
当たり前のことですが、こうしたイベントは、集まってくれた方たちが作るもの。
主催者というのは、そのお膳立てをするだけの役割。
準備をしている途中は、つい自分たちで作っているような気になってしまうのですが、今回あらためてそのことを強く再確認することができました。
自然のなかで本と出会ってみませんか?それもこんな山奥の村で...... なんて。
ずいぶんとお節介でワガママなイベントだなあ、と思います(笑)。
でもこれが、案外と楽しいものなのですよ!
ブックニックでは、お気に入りの一冊を見つけてもらうことはもちろん、「本との出会い方」を楽しんでほしいなあと考えています。
大きな新刊書店で黙々と棚を見てまわるのも、amazonで狙い定めてポチッと買うのも、それはそれで目的にあわせて必要なこと。
でも時には、何に出会うかわからないまっさらでからっぽな状態で本の山に飛び込んでみる。
本の売り手のひととも、直接、話をしてみる。
すると、いつもならまったく目に入らなかった本が急に気になって、新しく興味の対象が広がったり、そこで交わした会話や、本が置かれていた場所や空気まで含めて本と一緒に持ち帰ることができる。
その本はきっと、本棚のなかでもちょっと違うオーラをまとったまま、その後の人生を一緒に歩いてくれるんじゃないか、って。(最後はちょっとおおげさになりましたが。)
その出会いの場として、この山麓の村ののどかな雰囲気や、秋の初めの清々しい時期は、なかなかに適しているのではないかと思うのです。
元をただせば、この時季の北軽井沢に足を運んでもらいたい。そのための「口実」として自分たちも好きな「本」を選んだ... という無理矢理(?!)と言えなくも無い設定だった訳ですが、それもどうやら当てずっぽうばかりでもなかったようで。
ブックニックは、来年以降もこの季節に続けていきます。
これ以上、盛大にも、華やかにもならず、きっと来年もあくせく言いながら試行錯誤していることと思いますが、秋の初めのお楽しみとして定着していったらいいなあと願っています。
早くも、やってみたいことがちらほら。。妄想は大の得意なもので!
今回の様子をまとめたスライドショー(2分半ほど)を作りましたので、よかったらご覧ください。
また来年、秋のピクニック、ご一緒しましょうね!!