
暖かい日が続いて、庭にくる鳥たちの活動も活発になってきました。
ふだん仕事をしている2階の部屋の窓からは、相方がつくった鳥の餌台をすぐ真上から覗けるようになっています。
毎朝、そこにヒマワリの種を置いてやるのですが、置いて10分もしない頃から、示し合わせたようにあちらこちらから鳥がやってきます。
真っ先にやってくるのは、わが家の庭の常連さんの筆頭、シジュウカラ軍団。
このあたりでは一年を通じていちばんよく見られます。
目印は、バードウォッチ初心者にもわかりやすい、胸の黒いネクタイ模様。
「ツーツピー」や「ツーチツー」と聞こえるはっきりとした声でさえずり、警戒しているときには「ジュクジュクジュク」と濁った早口にもなります。
冬の間も群れをつくって、朝や夕方によくやってきていましたが、最近は一日中近くにいる様子。
すっかり我が物顔で、餌をやり忘れているときは、2階の窓と同じ高さの枝にとまって、こちらを見ながら催促するように鳴くことも。
数が多く、しょっちゅう見かけるので、「またシジュウカラが食べ尽くしてるー」と、ちょっとツレない反応をしてしまいがち。
でもよくよく見ると、羽根の黒白の縞模様も、首の付根が黄緑色だったり、造形的にはとってもきれいなんですよね。
シジュウカラ軍団の合間を縫って切り込んでくるのが、同じカラ仲間のゴジュウカラ。
羽根がうっすらとブルーグレーのように見えて、ちょっとずんぐりむっくり。目の脇に黒いライン。
少し高い枝から「フィーフィーフィー」という声が聞こえると、来たな、と気づきます。
エサ台に来る前に、いったんすぐ近くのミズキの太い幹に止まり、頭を下にして器用に動いて、狙い定めてから飛んでくるのが面白い。
シジュウカラがヒマワリの種を一粒ずつつまんで去るのに較べて、ゴジュウカラは雑に食べ散らかしていくように見えるのですが、これは個体の性格によるものかしら!?
頭はシジュウカラと同じように黒いのだけど、ひと回り小さくて、胸にネクタイがないのは、たぶんコガラ。地面に近いところにいるときは、「ジャージャー」と悪い声をしたネコが甘えるような鳴き声がします。
(上の、たまたまキャッチできた空中写真も、おそらくコガラ、かな?)
梢のほうから「ツッピンツッピン」と可愛らしい澄んだ声もするので、ヒガラも一緒になって来ていると思うのですが、数が少ないのかはっきり見つけられません。
カラ軍団とは少し離れたところに、スズメもいます。スズメたちは、うちの庭では立場が弱いのか、いつも2〜3羽でくっついて、カラたちがいなくなるのをじっと待っているようです。(なかなか譲ってはくれないのですが。)
人間からの“配給”にキャッキャと喜ぶ一団には目もくれず、太い木の幹を2羽のつがいでよじ登っていくのは、“チームキツツキ”のコゲラ。
幹を下から上へ、コツコツとくちばしで突きながら、黙々と上へ上へ登っていく姿は、何かの点検作業をしている人のように、マジメそのもの!
可愛らしいし、なんだか不憫でもあって、見つけるとずっと行く先を見届けずにはいられません。
今朝の2羽は、ドラミングもせず、早々に諦めて飛び去ってしまいました。
お腹の赤いアカゲラも、白と茶色の景色では、いるときはよく目立ちます。
そんな鳥たちの観察は飽きなくて、気づくと数十分、時間が過ぎてしまいます。
今はまだ、年中このあたりで過ごす留鳥たちばかりですが、もうひと月もすれば、ウグイスなども暖かいところから戻ってきてくれるはず。

一方で、冬鳥は旅立ちのとき。
うちから車で数分の、長野原西中学校の横の「応桑用水池」に、数年前からやってくるようになった白鳥の群れ。
この冬も、20羽以上は姿があって、通りがかるたびに気にして見ていたのですが、数日前に通り過ぎたときには、もう姿が見えませんでした。
あれ、もう行ってしまったのか...... と、少し寂しい気分に。
毎冬、いつやってきて、いつ旅だっていくのか、詳しく観察されている人はいないでしょうか。ご存知でしたら教えてほしいです。
北軽井沢周辺には、ほかに白鳥が来る池や湖がなく、ここに来ていると知ったときは、他に生き物の気配がない冬場だからこそ、特に嬉しく感じました。
話をしてみると、他にもこの白鳥の飛来を楽しみにしているご近所さんも多いよう。
ただ、もともと立ち入りのできない場所なので、池の周りがぐるりと鉄線で囲まれていて、遠くから観察することしかできないのが残念なのです。
管理されている方、冬の間だけでも、地元の人の慰みに開放して頂けたら嬉しいのですが!
この白鳥たちにしても、その他の渡り鳥にしろ、「さて、行くか」と長い旅の出発を決めるのは、なにがキッカケなのか、そのときどんな気持ちでいるのか、本人たちに聞けるものなら聞いてみたいものだといつも思います。
群れのリーダーが決めるのか、暗黙のサインで数日前からみんな気づいて心の準備ができるものなのか。
人間と同じで鳥にだってノンビリ屋さんがいて、「え?あれ?今日なの?ええー聞いてないよーーー!?」と慌てる子がいてもおかしくないし、なかには、今日ちょうどお腹痛いんだけど...という間の悪い子だっているはずじゃないか、とか。
車でちょっと行ってきます、というのとは訳が違う、北を目指す数千キロの旅。それも自力で。
滞在中は、のんびり湖面でぶらぶらしているように見える彼らが秘めている、とんでもない能力と、その一途さのようなものに、ますます興味を憶えます。
去年から、遅まきながら少しずつ勉強を始めてみている身近な鳥たちのこと。
今年はもっと観察を続けて、さらにお近づきになりたいなあ、と楽しみなのです。