
先週の台風が去ってから、空気ががらりと入れ替わり、本格的な冷え込みがやってきた。
先週後半にはとうとう温度計で0℃を確認。
畑の野菜にも霜が降りるようになり、早朝の出荷作業も先週の金曜日までで終了。
ふだんより1週間以上早い。
そのぶん、日中は大忙しになるのだけれど、朝の手伝いしか行けていない私は、予想以上に早くお役目ご免となり、5月から続いて来た早起きから開放されて嬉しいやら、やっぱり少し寂しいやら。
それまで点けたり点けなかったりだった灯油ストーブも、もう朝には欠かせない。
私たちが平気かなと思っても、麦がストーブの前で催促する。
点けると、吹き出し口すぐ前の最前席の椅子を陣取り、ファンが直接当たるのも気にせず、ニャンモナイト化(アンモナイト化石のように丸くなること)する。
薪ストーブの煙突も慌てて掃除し、週末から稼働させた。
今くらいの気温ならすぐに暖まって、午後には熱いくらいに。
「今季もいよいよ、、、」というよりは、ついこの間まで使っていて、ようやくストーブなしでいられるようになったくらいの気もする。
なにしろ、一年の半分はお世話になる。
外に出ると、香ばしい煙のよい香り。
この香りを嗅ぐと、一気に「冬が来るのだ」ということを実感する。
焚き木拾いも急がなくては、と思ったら、昨日から雨になってしまった。
お店に来るお客さん、特に別荘の方は、そろそろ閉める時期。「また来年」という挨拶も多くなってくる。
滞在時はご夫妻でよくうちに来て下さったご近所のMさんは、17年使った別荘を手放されるそうで、先週末、お別れの挨拶に。
倉庫にあったいらない木材をたくさん分けてくれた上に、奥さまからは最後にご本も頂いた。
おふたりとのお喋りはとても楽しかったから、寂しいことだ。
いつまでもずっと会えるとは限らないんだなあ…
麦小舎の今季の営業は、11月23日(日)まで。(
詳しくはカレンダーを。)
気がつけば、もうひと月。
お店を開けていながらも、なんとなく、お店を閉めてからのことや、来季からのことを考える時間が多くなってきた。
その日一日をがむしゃらにがんばる、というより、ぼんやり、ちょっぴり心ここにあらずな状態。
(お店も静かなものですから…。)
秋の終わりはどうしたって、「ひらく」より「しまう」ことを考える時期。
仕舞う。終う。了う。
この場所に暮らして、季節に沿ったお店をすることになって、「しまう」を毎年経験するようになった。
「おしまい」には、寂しさがつきものだけど、いったん「しまう」ことで気づくことがあったり、また「ひらく」ことの愉しみも味わえる。
仕事も、趣味や好きなことも、旅も、人との関わりも、言ってしまえば人生そのものが、ひらきっぱなしでは終わらない。
いつかはすべて、しまわなくちゃいけない。
最近は、そのための練習をしているような気がすることもある。