浅間山麓の紅葉が盛りを迎えた先週、一週間。
家にいても気が気でなく、時間を見つけては、小さな秋を探しに外に出る。
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裏山__。
なんて呼んだら怒られるかもしれないけれど、浅間牧場は、うちからだとちょうどそんな気分的な距離にあるハイキング場所。
車を停めて5分も歩けば、浅間北東麓のなだらかな傾斜と草津白根方面まで一望できる見晴し台へ。
強風に、体がよろめきながら、深呼吸。
高山植物が多く残る草原も、草花はすでに店じまい。あたり一面、枯れ草天国。
緑の季節もいいけれど、カラカラに枯れた草たちが風に揺れ、カラマツの黄色い雨が降ってくる晩秋のこの場所は、特に好きだ。なにより誰もいないから、丘一帯を独り占め。
熊鈴を持って来なかったら、奥まで進むのはやめにする。
いつもなら用意する暖かい飲み物を入れた魔法瓶は、あえて持って来なかった。理由は、丘のふもとに、美味しいエスプレッソを飲めるお店ができたから。
牧場入口の交差点から歩いても3分のところにある「エスプレッソ・バー・タグス」で、濃いカフェラテを一杯。
朝10時から夜10時までやっていて、カレーやシチューなどの食事も美味しい「タグス」さんは、近頃、ご近所仲間のオアシスになっている。
今日みたいに、浅間牧場のハイキングの前後に寄るのにちょうどオススメ。
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軽井沢に降りて、買い物のあとに友人と待ち合わせ。
国道18号の一本山側を走る「1000m林道」も、紅葉シーズンには一度は車を走らせたい径。
オレンジ色の雑木林のトンネルがつづき、(テレビで見る)カナダやアメリカ北部の風景に似ている気がする。
待ち合わせの場所、ルイボスティーの美味しい「RTea room」の窓からの景色も、一枚の絵のようだった。
「RTea room」さんも近頃人気のお店。お昼時は、日替りランチ目当てのお客さんでよく混んでいる。
ひとしきりお喋りを楽しんたあとは、友人の好きな散歩コースへ。
セゾン美術館前のお池から千ヶ滝を目指す遊歩道。
夕暮れ前のぴりっと冷たい空気のなかを、カラマツの梢と三日月を振り仰ぎながら、てくてく歩く。
春から秋の初めまで、お互いにどうしても気忙しく過ごしてしまうので、こんなふうな時間が戻ってきたことを喜びながら。
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それから数日。
木枯らしが吹いて、木々の葉はあらかた落ちてしまい、山にもはっきりと雪が積もった。
明らかに秋の終わりが見えかけている。
これからの長い冬に較べて、秋はなんて急ぎ足なんだろう。
とはいえ、ここであまり引き止めてしまってもいけない。
平地のみなさん。秋のリレー、まもなくバトンタッチです。