寒波に次ぐ寒波。もう何が標準なのだかわからない寒さが続いて、気づけば冬至も過ぎて。
寒さと目の前に広がる雪景色は、冬もピークの頃の様相なので、もうとっくにクリスマスもお正月も済ませたような気分になっていた。
まだ師走だったなんて?!
先週後半からの爆弾低気圧(この言葉も違和感なく使えるようになってきたもんだ)の余波で、北軽井沢周辺も一気に40cm近い降雪。
その後も冷え込みは緩まないので、半分ほど溶けただけで残りはツルツルガリガリの氷の原っぱに。
運転するにも、歩くにも、いちばん厄介な状態。
繰り返しでしつこいけれど、これが2月頃なら諦めもつくけれど、まだ12月、冬も序の口!
風の噂で暖冬と聞いたような気がするのですが、あれはどこの国のお話だったのか…。
その冬の嵐の最中は、仕事の用事で単独で上京していた。
予報を見て、荒れそうな勢いだったため、急遽、前日から前乗りに変更したり、戻ってきた日には駅のそばの駐車場に4日間放置していた車がゴリゴリの雪に覆われ、危うく動かせないかとヒヤヒヤしたり。
この場所に暮らしていると、冬の移動には、都心にいたらちょっと想像がつかないような備えや手間が降り掛かる。
新幹線でたった1時間の距離、同じ関東圏内にいるにも関わらず、この(言葉どおりの)温度差というか、環境の差、生活行動に生じてくる差に、冬場は特に頭がクラクラしてしまう。
東京では、よほど大きい台風や大雨になって電車が止まったりする以外、普段の暮らしが天候に左右されてしまうことは、滅多にない。
今回も、嵐のような雨にはなったけれど、濡れて寒くて嫌だね、という程度。
けれど、冬の山麓の生活では、天候次第で予定の変更を余儀なくされることは当たり前。
吹雪になれば運転は危険だし、短時間で一気に積もれば除雪が間に合わず動けない。
車以外に山を降りる方法はないので、その時点でどうにもならない。
同じ環境で暮らす知り合いとの約束だったら、もちろん「仕方がないね、またあらためて」となる。
もともと約束自体、限定させずに「このあたりのお天気のよいときに」としておくことだってある。
人間の「約束ごと」より、お天道様の機嫌がなにより優先される。
それに抗えば、少し大げさだけれど、命に関わることだってある。
でも、そんな山麓の「暗黙のルール」は、山を下りれば通用しない。
晴れていようが、嵐がこようが、仕事は仕事、約束は厳守。
それはもっとも。そうでなければ、社会なんて廻らなくなってしまう。
私だって、数日、東京に滞在して、慌ただしく動いているときは、山での不自由さなんてすっかり忘れていた。(だからこそ、戻ってきたときにその落差にしばらく頭がフリーズしてしまうのだけど。)
北海道でも、北陸でも、山間部でもなく、気候の穏やかな関東平野の真ん中が、国を動かす中央部になったことは、(頼朝さんまで遡ればよいのか、家康さんがすごいのか、よくわからないけれど、)たしかに賢明なことだったんだなーと、ヘンなところまで話が飛んで感心する。
ええと、なんだったっけ…。
そうそう、山のルールと、街のルールということ。
どっちが正しいとか偉いとかではなくて、それぞれの場所にルールはあって然るべき。
ただ、ときどき、冬のさなかに這々の体で雪と氷をかいくぐって(これまた大げさ!)山を降り、しばらく街のひとに混じって行動してみると、この不便極まりない山のルールが、懐かしいような、そもそもそちらが人間にとっても自然なことのような気がしてきてしまうのだから、不思議なものです。
特に、ここ数年のように、「異例の!」とか「10年に一度の!!」とか「観測史上最大の!!!」というレベルの天候不順や自然災害が頻発していることを考えると、「お天道様には逆らえない」という山のルールが、もう少し広く下界にも広まってもいいのではないかなと思うことも。
初めからそう思えていれば、いざというとき、お天気を甘く見て被害にあうことも、人間の都合を第一にと必死に無理や無茶をして動いたりすることも少なくなるだろうから。
そうは言ったって、それは社会全体で「せーの」で意識が変わらなければ、なかなか難しいでしょー、というご意見もよーくわかりますとも。
こうなったらアレですね、政府とか、社会を動かしているおエラい企業とかに、順番でひと冬、極寒の地域に「体験異動」してもらったら良いですね。組織ごと、みんなで。
そうしたら、いろいろな意味で「経済最優先!」のスローガンには無理があることや、字面だけでない「自然との共生」ということにも気づいてもらえるような気がするのですが…。どうでしょうね。
そんなことより、ホリーでメリーでワンダフルなクリスマスを前に、久しぶりの更新で、なんだかシブいことを書いてしまっていることのほうが気になってきました。。。
全部、この冬の始まりが寒いせいです!!!
みなさま、どうぞ暖かくして、素敵なクリスマスをお過ごしください☆(←唐突に取り繕ってみました!)
真っ白な世界に同化している近頃のモモ。
ぬくぬく茶色く同化している近頃の麦。