陽気つづきで、自然界のサイクルすべてが早回しのようだったこの5月。
いつもなら6月に入ってそろそろ鳴くかな?というエゾハルゼミも、一週間前くらいから絶好調。
連日、四方八方からシャシャシャシャシャーーーーと頭に鳴り響いているので、もはや実際に鳴いているのか幻聴なのかわからなくなるほど。
虫の鳴き声というより、波の音とか、古い冷蔵庫から聞こえる機械音のように、そこにあるのにないような、かなりうるさい音量なのに逆に無音に近い静けさに感じられるような、不思議な音の「膜」。
この「膜」の上に、ギターやピアノの生音を重ねることができたら素敵な効果が生まれるかもしれない、と、仕事のBGMにピアノ曲をかけながら、ふと。
いつかハルゼミの季節にライブをやってみましょうか。
彼らの合唱はお天気次第だから、タイミングを見極めるのが難しいけれど。
先週は、水・木曜日と、平日ですがお店をオープン。
あまり告知をしなかったしどんなものかしらと恐る恐るだったのですが、蓋を開けてみればたくさんのお客様!
もちろん、ありさんのお菓子やハルさんの古道具目当ての方がほとんどですが、これまで週末だから行けないよーと言われていた地元のお店仲間の皆さんなどに来てもらうきっかけとなれたよう。
あちらこちらでお知り合いが顔を合わせたり、初めましてで話が弾んでいたり、お店もちょっとふだんとは違う「社交場」風に。
(そのため、おひとりで静かにケーキを味わいたかった方にはちょっぴりごめんなさい。)
なかには、遠方から8年ぶり(オープンしてすぐ以来!)という友人も来てくれたりで、なんと嬉しいこと。
嬉しい気持ちと同時に、わざわざ訪ねてくれた方たちに、この場でのひとときをしっかり楽しんでもらわなくてはという緊張感もあり、お店を始めて間もない頃を思い出すような瞬間が何度もありました。
また、提供するお菓子を最良の状態で味わってもらえるよう、事前の準備から最後の盛付けまで、ものすごい集中力と熱量をそそぐ職人としてのありさんの仕事ぶりを間近に見たことも、忘れかけていた大事な何かを思い出させる引き金にもなり。
お客さんへのちょっとしたサプライズに… と企画した2日間が、思いがけず自分の「今」に跳ね返ってきて。
そのことの意味、あの日にかけてもらったいくつかの言葉を、そのあとも反芻しています。
9年目の営業となる今年。
実は今、ひとつのターニングポイントを迎えています。
春先からの急展開に、まだ自分自身、この先の切り替えポイントでどちらの線路に進んだらよいのか、決められずにいます。
頭からはシューシュー蒸気をあげながら、ポイント前の駅で一時停止しているところ。
(とはいえもう6月。そろそろ決めて発車しなくてはいけないのだけど。)
ただ、今は、のんびり各駅停車ながら、これまでなんの疑問も持たず、大きな障害物も事故もなく、ここまで電車を走らせ続けてこれたこと、そのことのほうに新鮮な驚きと感謝の気持ちのほうが大きくて、思い返し始めたらキリがなく。
目の前のポイントのことだけでなく、その先に電車が向かう目的地(ゴールなんてとても見えないけれど)まで、もうちょっと広く、遠く、視線を向けてみて。
新しい「路線図」と「時刻表」ができ次第、お知らせします。
今回、出張「hacomori」でゲトした木彫りの壁掛け。
鮭(?)に遅いかかるクマの獰猛度ゼロのつぶらな瞳にひと目で陥落しました!