「山には登らないのですか?」
住んでいる場所柄、そう聞かれることが多い。
近所の野山のようなところを歩くのは好きで、季節のよいときにはよく出かける。
でも、ここでいう「山」は、きっとそういうことじゃない。
きちんとした装備で、ポールなんか握って、地図で下調べをした上で、計画だてて向かう、「登山」のことだろう。
そう聞かれると、「いやぁ、まだなかなか…」と答えるしかない。
北軽井沢はどっちを向いても山ばかり。
そもそも、普段いる場所がすでに浅間の中腹のような位置でもあり。
行こうと思えばいつでも行ける。
そう思っているうちに、世の中の登山ブームはヒートアップし、あっちにもこっちにも山ガール・山男子。
そうなると得意の(?)天の邪鬼&斜め目線の自意識が邪魔をして、「山なんて毎日見てるから十分なんじゃいっ」という気分に。
かくしてウン十年…じゃないや、ウン年。
それがどうしたことか、今年は秋の初めから、どうもそわそわ落ち着かない。
どこどこの山に登った、という話が気になって仕方がないし、気がつけば山地図アプリをDLしたりしている。
いや、理由はある。
「行こうと思えばいつでも行ける」は、もしかしたらそうじゃないかもしれない、と思い始めたからだ。
浅間だって草津白根だって、いつまた大きな噴火をするかもしれない。
そうしたら今なら立ち入れる場所にも入れなくなる。
噴火だけじゃなく、自分自身の体調や環境にしても、そんなゆとりがいつ突然持てなくなるかもわからない。
それに…… 。悔しいけれど(何に対してだか)やっぱり登った先にはきっと、下から見上げているだけではわからない「いいもの」があるんだろう。
こんな近くにいて、そんな「いいもの」をみすみす見逃す手もない。
(天の邪鬼はよく強欲に反転する。どっちにしろ、ねじれてる!)
というような心境の変化がありまして。
先月から、近所の低い山からぽつぽつ登ってみることにしました。(前置きが長い…。)
とはいえ、装備(靴もリュックも)はほとんどゼロ。
調べてみると、山の道具はほんとにお高い。みんなよくあれだけ立派に揃えてるよなあ、と驚く。
とりあえずまあ、手持ちのハイキングシューズとナップザックで行けるところから__。
本格的に登っている人から見たらお散歩に毛が生えたようなレベルですが、私と同じようなアマノジャクさんや浅間山麓に詳しくない方のために、山行の記録も残してみようと思います。
(つづく)