目覚めると、周囲の風景は、昨日までとはまったく違う顔を見せていました。
雪のすごさは、まさにここ__瞬時にして見慣れた景色をまったく違うものにしてしまうこと__にあるなぁ、とつくづく感心してしまいます。
昨日の朝まで、枯れた木立の中に寂しそうに佇んでいた我が家も、結婚式を迎えた朝の花嫁さんのような、凛とした清々しい表情に。
一年の役目を終えて荒れた土肌をむき出しにしていた畑も、ご覧のとおり。まだ誰の足跡もつけられていない、まっさらおろしたての白い絨毯。
これから雨よけの囲いをまわそうとしていた小屋部分の屋根には、早速、凶器のようなつららがニョロリニョロリ。うかうか、下を歩けません。
これから3〜4ヶ月、オシャレ靴とは、しばしお別れ。(しかし、こんなのが日常靴になるなんて、やっぱりすごいところに住んでいるなぁと思う。)
先日お会いした女性作家の方が、軽井沢の魅力について、こう話していました。
「閉じ込められたような閉塞感が好きなの。だから、物理的にもどうしても閉じ込められてしまう、雪の日はとっても好き。逆に、乾いてよく晴れた秋の快晴の日などは、外に出かけないと悪い事をしているような気持ちになって、好きじゃないの。」
この感じ、とてもよく分かる。
私も、休みの日など、なるべくならうちの中で、じぃーっとして、本を読んだり、手紙を書いたりして過ごしたいと思うのに、天気がよかったりすると、つい罪悪感に捕らわれて、意味もなくフラフラと出かけて、結果、徒労に終わったりすることがしばしば。
今日は、朝の早い時間に、長靴を出して、ザクザクと周囲をひとしきり巡って、雪の感触を確かめ、その美しさに惚れ惚れし、写真も撮って、
「よし、ちゃんと雪の実感を噛み締めました!」
と、誰に言うでもなく報告し、さぁーて、とばかり、ラクチンな部屋着に着替え、たっぷりのミルクティーをいれ、なかなか開けずにいた本を抱えて、コタツのあるお部屋へ。。。
これぞ、至福の時間(とき)・・・♪
(ここでお断り。今日は喉がチクチク痛み、首の周りのリンパ腺がパンパンになって、あ、やばい感じ、、、と思ったために、会社をお休みさせて頂きました。決して、健常な状態ではなく、安静もかねて、の、このスタイルな訳です、です。)
アクティブな暮らしを楽しんでいるかのように見えて(見えるのか?)、意外と「籠りたい性質(たち)」でもあるんです、実は。

本日の読書。
「
完璧な病室」 小川洋子著(中公文庫)
最近、ふたたび小川洋子にはまっています。
デビュー作も含んだこの本は、「博士の愛した数式」などの"優しさ”が全面に出る近作とは違い、彼女独特の、目を背けたくなるような残酷さや、消毒薬の匂いがツーンと漂うような潔癖さに溢れていて、読むうちにスーッと現実離れした時間に吸い込まれる感じを心地よく感じながら、あっという間に読めてしまいました。
特に、今日みたいに、世界が雪に覆われた、物音ひとつしない静けさの中では、物語の中と外とがちょうどシンクロして、よかったのかも。
きづけば、外は夕暮れの青い青い世界。

雪の降った日のもうひとつの楽しみは、これくらいの時間、白い雪原が深い藍色の空に染まって、山や樹々のシルエットが切り絵のように浮かび上がるのを見られること。
細い下弦の月と、ぴかっと光る明るい星が、小指につけるネイルシールのように、小さく瞬いていました。
今晩、これからまたまた雪の降るだろうとの予報。
今年はスタートダッシュだなぁ。