真冬の休日。
見事にひきこもっています。
南に向いたコタツのある部屋に、PCと、読みかけの川上弘美の単行本と、頂き物の高級チョコレートの金色の小箱を持ち込んで。
この時期、(といっても、ゴールデンウィークや夏の盛りを除く、ほぼ一年中がそうだったりするのですが、)うちの周りは、歩く人はおろか、車さえ滅多に通らず、冬に活発な小鳥たちが家猫をからかいにテラスにやって来る以外、なにかしらエネルギーを感じられる物音は、まったく聴こえてきません。
周囲のあまりの静けさは、落ち着けるような、かえってサワサワと不安で落ち着けないような。
本を読むのも、電車のなかなど、人工的に騒々しい場所のほうが、集中できるもの。
「無音」は、ひとの心を千々に乱しますね。
するべきこと、考えるべきことは、たくさんあるはずなのに、さっきから数時間、なにひとつ進められずにいます。
窓に映る浅間山の稜線が、思いがけずくっきりと大きくて、二次元的にのっぺりとして、お風呂屋さんの富士山みたい。
差し込んでくる弱々しい冬の光線が、縁台で眠りを貪る猫のおでこを照らし、全身を照らし、やがて西に傾いて壁に遮られて暗くなっていくのを、見るでもなく見ています。
片岡に露みちて
揚雲雀なのりいで
蝸牛枝に這い
神、空にしろしめす
すべて世はこともなし
末文のフレーズは、よく口ずさんでしまうことがありますが、全文を初めて知りました。
(読みかけの本に出ていました。)
季節は少々ずれますが、この、静かな、白い世界の中にあっては、まさに「すべて世はこともなし」、です。
う〜む。
今日の私に、生産性のある行為は、なにひとつ期待できそうにありません。
こうなったらとことん、この「無力感」(怠慢、逃避、甘え....なんとでも言われましょう)を貫いて、夜は、近くのホテルの「入浴付きバイキングプラン」に出かけます。
他人の気配やエネルギーに接して、明日からの社会的行為への復帰に、せめても備えることにいたしましょう。
行ってきたのは、車で10分ほどの「
ホテルグリーンプラザ軽井沢」。
ここで、バイキングと温泉がセットになった日帰りプランがあるのです。
相方は去年一度体験済みですが、私は初めて。
バイキング料理は、シーズンや曜日によってかなり内容にバラツキがあるという噂。
今日は連休最終日なので、昨日一昨日よりは混み合わず、かといえまだ明日まで滞在というパターンもあるだろうからそこまで淋しいこともないだろう、と、しなくてもよい深読みをしながら、いざ会場に入ると、想像以上にずらりと並んだ品々。
お刺身やお寿司からカニ・海老・生牡蠣、中華総菜、トンカツ、ステーキ、パスタ、カレーにきしめん、、、もうなんでもあり!怖いもの知らずのラインナップです。
当然、味のクオリティについてはご想像通りとなりますが、それでも目移りしながらお皿は山盛り。
(ここでも性格の差は出て、最初に取り過ぎて一回目で既に八分目くらいになっちゃう私。一回ずつ「ジャンル」を決めて少量ずつきちんと取り分ける相方。。。)
でも、意外と食べられないものですよね、バイキングって。
2皿目からは、和洋中、全部同じ味に思えてきちゃいます。
食事の後、フロントでタオルをもらってお風呂棟へ。
ここは、数年前にきちんと掘削して温泉です。「奥軽井沢温泉」という立派な名称も付けられています。
大型ホテルだけあって、さすがに浴場は広い!
露天も、岩風呂、木のお風呂、ジャグジー、最近リニューアルされた「洞窟風呂(!)」などがあり、シーズン中なら家族連れで大変なことになっているのでしょうが、今日はさすがにガラガラ。
ほぼ貸し切り状態でのんびり入ることができました。
お湯は少し赤茶っぽく濁ったトロトロしたタイプです。
これで、2980円なら、まずまずでしょうか。
(去年までは2000円だったので、もっとお得だったらしいのですが。)
びっくりしたのは、北軽での数少ないお友達、S夫妻に、ばったり出くわしてしまったこと!
めったに行かないのに。。。奇遇です。
お寿司のコーナーとステーキのコーナーを行ったり来たりしている、見覚えのある後ろ姿の人がいるなぁ、と思ったら、やっぱり(笑)。
なぜだかわかりませんが、ホテル側もあまり積極的に宣伝していないこのプラン。
オフシーズンだけに、利用してみるのもよいかもしれません!