久しぶりに、古本屋さんでまとめ買いをした。
といっても正式な「古本」屋さんではなく、派手な看板が目印のチェーンの「中古本」屋さん。
近くに「古本」屋さんがなかなかないので、「中古本」屋さんで妥協するしかない。
これら「中古本」屋さんの本棚は、独特で面白い。
ある本は同じものが10冊以上も並んでいたりする(一昔前なら『チーズはどこへ....?』とか、今なら『世界の中心で.....』とか。。)のに、欲しい本はなかなかない。
でも突然、およ?!こんなところに紛れちゃって、、という正式な「古本」が所在無さげに隠れていたりもする。
当然だけど、新刊本屋さんとも古本屋さんとも、ひと味違う風景。
たまに行くと、しばらく滞在してしまう。
同じ棚を何度も往復する。この「何度も見る」はポイントだと思う。
1回目、2回目でスルーしていた子(?)が、おもむろに顔を出したりするから。
さっき通った時はなんで気付かなかったんだろう、と思う。
それとは逆に、どうしたって、絶対に欲しくなんかないのに、なぜか背表紙につられて、何度も手に取ってしまうヤツもいる。
手に取ってしまってから、ちぇ、まただ、と思う。
「中古本」屋さんも、随分ひとりで遊べる。
さて、前置きが長くなったけれど、今回の収穫。
奥から。。。
この秋から冬にかけてハマってる女性作家のひとり、小川洋子の初期の作品『シュガータイム』(美品・100円!)。
近頃、新装幀で再販された(←ライフログで紹介中)猫と人間の麗しい関係を描く『A CAT'S LIFE_あたしの一生』(前の装幀のもの)。
手前の2冊は「ジャケ買い」ならぬ「装幀買い」。
須賀敦子さんの作品は、おそらく図書館で全部借りて読んだと思う。でも、装幀が素敵だから、いずれ全て買うだろう。
この『
遠い朝の本たち』だけでなく、『コルシカ書店...』や『トリエステの...』などの表紙を飾るのは、彫刻家・舟越桂氏の木彫りの人形たち。
この舟越氏の作品の、「一瞬」を閉じ込めた「静」の世界が、優しく、かつ潔い、須賀さんの文章とよく似合っていると思う。
もう一冊は、ベルリンの作家、ベルンハルト・シュリンクの『
逃げてゆく愛』。
『朗読者』がベストセラーとなった著者。
その『朗読者』も、この『逃げてゆく愛』でも、表紙に使用されているのが、同じく木工家・三谷龍二さんの描く絵だ。
松本在住、木の器の作者として、一躍脚光を浴びている三谷氏は、絵画も秀逸で驚いてしまう。
こちらも、傷ついた過去を持つ「硬質」な作者の作風とよくマッチしていると思う。
新潮社クレストブックスシリーズの装幀をはじめ、「新潮社デザイン室」のデザインがとても好き。よく惹き付けられる。
今日、登場した「気になる人々」の著書も、これまたかなり気になっている↓。
『
おもちゃのいいわけ』
舟越桂・著(すえもりブックス)
『
木の匙』
三谷龍二・著(新潮社)