東京ブックハンティングでの収穫のなかから、一部をご紹介。
(一般の新刊書籍以外のものです。)
■『
ネコの履歴書』(オルネ・ド・フォイユ発行)
昨年春に、恵文社とオルネ・ド・フォイユでそれぞれ開催された同名の企画展のために作られた、部数限定の自家本。
「まんまと企画に乗せられちまった、思うツボだぜ、チックショー〜」と心の中で叫びつつも、ネコ好きとしては、手に取らずにはいられませんでした。
自慢の愛猫を披露するのは、岡尾美代子、甲斐みのり、フジモトマサル、吉田ルイ子ら。
このほか江口宏志がネコ本を紹介したり、網中いづる、100%ORANGEのネコイラストもあったりと、盛りだくさん。
(余談ですが、恵文社一乗寺店店長・堀部篤史さんちのネコも「ムギ」ということが判明!)
こうして見ると、ネコ好きの各人たちには、やっぱりどことなく共通する空気があるような。
うまくは言えないけれど、なんというか、皆「ツルんではしゃいだりしない(というか、できない)」人たち、のような気が(勝手なイメージだけど)する。
わんこ好きの人ほど、表立って「見て見て、ウチのコ、可愛いでしょ〜〜」と言い合ったりすることが、なんとなく苦手で、できない(ホントは言いたいんだけど。)
で、じわーっと、静かに、ネコを観察し、ソイツならではの癖を見つけたりなんかして、ひとりほくそ笑んでるような、そんなネクラな感じ。
自分ちのネコであるにも関わらず、写真を撮るにも、特徴・性格を語るにも、一定の「距離感」が拭いきれないような、そんな遠慮がちな感じ。
全編に漂う、そんな感じ、が、日頃ネクラかつ遠慮がちに、ネコと同居してる私みたいな人間には、堪らない。
こうして本棚には、どんどんネコ本が増えていきます。
この、つい本を集めてしまうという習性も、ネクラな「ネコ派」だからこそという気がするのですが、、、。
「イヌ派」の皆様、いかがでしょう?
■『
いろは 4号』(いろは編集部発行)
オトメの、オトメによる、オトメのための「リトルプレス」の草分け的存在、「いろは」の4号も入手。
大好きなネット古書店「
海月書林」の市川慎子さんらの作るこの本。
毎号、古本や雑貨、地域にスポットを当てた紹介や、気になるアーティスト(新旧問わず)をクローズアップするなど、「自分たちの好きなモノ」を、丁寧になぞる姿勢が、とても好き。
「好きなモノは好き!」と、迷わず、ためらわず、潔く。見習いたい。
今号には、軽井沢にも夏場の出張店を出す、草木染めのお店「草木屋」も登場。
お店の存在は知っていたけれど、こんなにスゴい人たちだっとは。
地元にいながら、気付けずにいたことが、悔しかったり、知ることができて嬉しかったり。
他にも長野の小布施・須坂を巡る旅なんかもあったり、ちょっと身近で嬉しい特集です。
■『暮らしの手帖 57号』
1960年、冬の号です。
もう、なんてったって、「ジャケ買い」です!
カラフルに並んだカップ&ソーサーにコーヒーポット。この配色、バランス、見事です。
世田谷文学館でやっている『
花森安治と暮らしの手帖展』、行きたかったな〜(泣)。今週末の日曜日までです。
■『
ちいちゃな女の子のうた“わたしは生きてるさくらんぼ”』(デルモア・シュワルツ文、バーバラ・クーニー絵、ほるぷ出版)
最後に、とんでもない絵本を見つけてしまったので、ご紹介!
イラストのバーバラ・クーニーは好きなんですが、こんな絵本は今まで知りませんでした。
なにしろ、タイトルから度肝を抜かれちゃいますが、ページをめくるたびに軽い衝撃波を受けます。
裸の女の子が、真っ赤なさくらんぼを手に「わたしは生きてるさくらんぼ〜♪」と、唄い始めます。
それ以降も、場面はクルクルと展開し、クーニーの優しい色使いの挿画とともに、女の子はそこかしこに飛び出していきます。
この不思議な世界観は、どうしても実際に見てもらいたい(私の拙い文章力では、どうにも伝えきれません!)のですが、とどめの末尾2ページは、ちなみにこんな感じ・・・
「わたしは いつも わたしでしょう。
わたしは いつも あたらしくなるのよ。」
立ち読みでパラパラめくって、ここまで来たときには、断続的な小さな衝撃波が、一気にカメハメ波となって、私を襲いました。
一見、小型の可愛らしい幼児向け(背表紙には5歳から、とあります!)の絵本なのに、なにっ、なんなの、この圧倒的な、他にモノを言わせぬ、強い意志を秘めたメッセージ性は!!
これはもう、完全に、子供たちへ、というよりも、私のような「惑いの世代」の女性にこそ、読まれるべき絵本です。
ホントに「ビックリしたなー、もう」てな1冊です。
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相方作の間仕切りラックに並べてみました。