
1年でもっとも軽井沢が混雑する日。
住民ならば、食料もひとしきり買い込み、頭から布団をかぶって、一歩も外に出ずに過ごすのが常識ですが、(とはいえ、住民の大半はこの時期、サービスマシンとなって、格闘する訳ですが。)とある取材を命じられ、のこのこと下山して行きました。
案の定、一週間前までは野良猫がトコトコと通りを闊歩するだけだった町の大通りは、中近東の国のバザールさながら、多種多様な人種でモミクチャとなっていました。
どこを向いても、人、ひと、車、くるま、ヨロヨロ自転車.....
毎年のことながら、この突然の町の姿の変貌に、慣れることができず、悪い夢を見ているかのように、ぼぉーっと目眩がしてしまいます。
特に、今日は、雲ひとつない青空から照り差す陽光のもと、ゆらゆらと揺れる人の波は、まるで白昼夢みたい。
窓をぴしゃりと閉め切り、フジコ・ヘミングの「ラ・カンパネラ」のボリュームを大音量にした車内から、ノロノロと過ぎていくそんな光景を眺めるのは、シュールなアングラシネマの映像を観ているようで、逆にちょっと面白いということを発見。
これからは、この手で乗り切りたいと思います。

見計らったように、満開になった、旧軽ロータリーの桜。