待ちかねていた荷物が届いた。
差し出し元は、沖縄・石垣島のやちむん(焼き物)やさん。
中身は、大きめと小さめのお皿を、それぞれ数枚。

去年の秋に行った旅行の際、現地のお知り合いに薦められて、でかけたこのお店。
そこで、一目惚れしたのが、沖縄本島の読谷村、北窯で作陶されている、松田共司さんという方の、この器たち。
旅から戻ったばかりの
日記でも取り上げているが、ざらっとした土の感触の残る地肌に載せた緑釉や飴釉の独特の色使いが、なんとも温かく、眺めているだけで気持ちが優しくなってくる。
持ち帰って、小舎のデッキのテーブルに並べてみると、これが予想以上にしっくり来た。
最南端の島国と、本州ど真ん中の森の中。
共通点はないはずなのに、不思議...。
棚の中にしまい込んでおくのではなく、毎日じゃんじゃん惜しみなく使うことで、より愛着が湧いてくるのも魅力だ。
それから、毎日の食卓に欠かせない一枚となっている。
今回、おそるおそる、これから小さなお店を開くので、そこで使わせてもらえたら...と、連絡を取ってみると、オーナーの方は「憶えていますよ」と仰ってくれた上に(このブログまで見ていてくれたそう!感激。)、今ある在庫の画像をメールで送ってくれたり、やちむんの特長など補足情報まで加えて、懇切丁寧にお返事をくれた。
何度か、メールやFAXでのやりとりを経て、無事、数千キロの距離を飛んで、器たちが到着。
念入りに梱包もしてくれたおかげで、みな事故もナシ。
お願いしたお皿のほかに、小さなお土産もついていた。

同じ作家の方の楊枝入れ。ミニ花瓶としても使えそう。
心遣いが、嬉しい。
(写真の色がいまいちで残念。)
今でも、時折、大好きな竹富島のポストカード(↑の写真に写っているものなど)を眺めては、あの島々のことを思い出す。
北軽井沢での暮らしも十分スロウだと思っていたけれど、もっともっと、何倍も、時間がゆっくり流れていた。
すれ違う人たちが、作り物でない笑顔で迎えてくれた。
そこに住む人たちが皆、その場所を心から愛し、誇りに感じていた。
そういうことが、照れくさくなく、当たり前に感じられた。
今回お世話になったお店のオーナーの女性も、自分たちの手数料などを加えずに、作品を販売している。
「それが、私の島への恩返し」
そう、さらりと話す。
いつか私たちも、この場所に対して、そんな思いを持てたらいいと思う。
「此処ではない何処か」を求めるのではなく、「此処しかない」と言い切れるくらいに。
作り手と、それを紹介する人たちの、飾り気のない想いのつまった「やちむん」。
そこに、まだうまく言葉にできない私たちの伝えたい「なにか」を乗っけて、少しずつ提供していけたらいい、と思う。
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(余談)
私たちのスズメの涙ほどの予算では、このお皿を取り寄せるくらいが精一杯。
本当はあれもこれも、と思ってしまうけれど、これも追々、ゆっくりと増やしていく予定。
当面は、ちぐはぐなモノが登場するかもしれませんが、驚かずにご容赦ください(汗)。
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荷物の到着を一緒になって喜んでる麦。
彼女のお目当ては、器をくるんでいた大量の新聞紙の方ですが...。
(みずから飛び込んでグルグル巻きになり、喉をグルグル言わせているところ。決して虐待中ではありません。)