恥ずかしいことなので、書かないでおこうかと思ったけれど、(↓で先制コメントも入れられてしまったし、)告白する。
昨日の朝、ぎっくり腰ならぬ、ぎっくり背中になった。
畑にお手伝いに行き、なんでもない軽い物を持とうとした瞬間、背中の左部分に激痛が...。
思わず声が出なかった。
そのままごまかしながら、朝の作業はなんとか終え、昨日はそれでおしまいだったので助かったのだけど、そのまま夜になるにつれ、もう、立つたび、坐るたび、少し身体をひねるたびに、「ウッ」となり、しばらく呼吸も止めて傷みが去るのを待つ。
くしゃみも欠伸もダメ。トイレもキビシい。寝ていても坐っていてもダメ。どうにもダメ。
さすがに今日のお手伝いはお休み。みんなは土砂降りのなかでの作業。申し訳ないよぉ、と思いつつ、ベッドの中で七転八倒する。
また皆さんに優しい言葉を頂こうという魂胆で白状したのではなく、最近つくづく、自分のカラダのひ弱さ、使えなさに、情けなくなることしきりの毎日。
畑のお手伝いに行くようになり(といっても毎日でもなく、時間にしても一日ほんの数時間なのだが)、次々カラダにボロが出てきた。(先日の「お岩さん」もそう。)
ボロが出ないまでも、ちょっと手伝っただけで、全身クタクタになる。
かがみっぱなしで刃物を使って切る作業。カラダをくの字に折り曲げて苗を植える作業。野菜を詰め込んだ段ボールやコンテナを運ぶ作業。這いつくばるように雑草を取り除く作業。
なにしろ、農作業は重労働だ。
それを、農家の人たちは男も女も関係なく、季節になれば連日、明け方から日の入りまで続けている。
田舎で見るおばあちゃんの姿が、頭が地面に付いてしまうのではないかというばかりに、腰から二つ折りになってしまうのも、よくわかる。
もちろん、どんな商売だって、大変だし、きつい。楽な仕事なんて無い。
それでもやっぱり、農作業は特に厳しいのではないだろうか。
今朝のような大雨のなかでも、泥のぬかるみにはまりながらも、作業する。一日も出荷は休めない。
カラダだけでなく、畑の上では、頭も使う。
出荷先に合わせた数を効率よくカット、水洗いし、箱に詰め、トラックに積む。
一連の流れをスムーズにすばやく行うため、いちいち指示を受ける前に、自分でその場でやるべきことを判断する。
いくつもの野菜を同時に収穫するため、広い畑を無駄なく移動しなければならない。
なにしろ畑は広いので、同じ一本の畝の上でも、端と端に立てば顔もわからないくらいの距離。それをあっちへバタバタ、こっちへバタバタでは始まらないので、効率よく最短かつ最善のやり方で、動かなければいけない。
時間も限られているから、悠長にもやっていられない。
これまで、事務系のオフィスワークに限らず、いわゆる「現場」に立つような、かなりガテン系な職種に就いたこともあり、それはそれで巧いことやってきたと思っている。
どちらかといえば、新しいことを憶えるのは早い方だし、なんとなく器用ににもこなせてしまうので、「シゴトを憶えるのが早くて助かるわ」と言われるのを「当然」と思ってきた。
そう書くと嫌味のように聞こえるかもしれないけれど、それにはそれなりの努力もしていて、小さい頃からカッコつけで見栄っ張りなところがあるために、その場ですぐに役立つ人間だと思われないのは、自分自身がまず許せないのだ。
よく、動きが鈍かったり物覚えが悪かったりして、周りから「使えない」とレッテルを貼られているのを、まったく気にしない、そのことに動じない人がいるのを見て、信じられない!という思いで眺めていた。どうしてそれで平気にしていられるの?と。
今回、まさに「畑ちがい」の仕事を、ほんのちょっとでも経験してみて、今の自分が「使えない」人間であることに気付き、そしてそれが一日二日ですぐに修正できずにいることが、悔しくて、情けない思いでいっぱい。
そこに来て、カラダも故障。完全に戦力外。二軍行きどころか、ファームに出戻りだ。(それにしても、野球のファームって、なんで「ファーム」なんだ?)
あたり一面、畑に囲まれた大地の上で、私の今までの「経験値」なんて、まったく「無」以外の何物でもないことを思い知らされた。
本格的に農業を極めよう、なんて思っている訳ではないのだから、思い詰める必要もないのだし、(いえ、そこまで思い詰めてはいないですから、ご心配なく。単純に悔しいだけです。)体力面での向き不向きだってあるだろうから、無理したってどうにもならない部分もあるのだけど、やっぱり何事も元気で強いカラダが資本。もう少し、日常でカラダを鍛えなきゃならんなー、とは、つくづく感じたのでした。
あーあ。情けない。。

いつもは寝ていたくて仕方ないくせに、いざ「寝てなさい!」と言われると、おとなしく寝ていられない性分。。
カラダをロボットのように動かしながら、マーマレードのジャムを煮て、パウンドケーキを焼き、小さなパンをいくつか焼いた。
(痛いのが右の背中の筋だったら、こんなに動けなかったから、まだ助かった。)

夢中で色々作っていて、ふと気付いたら、昨日から降り続いた雨が止んで、また春蝉が啼き出した。
外に出ると、ムワッとした熱を含んだ重たい空気。
背中がまたミシッと痛む。梅雨時のぎっくりは、タイミングが悪い。。。