この仕事でラッキーなのは、取材を口実に、会いたい人に会えるということだ。
先日お会いした軽井沢在住の女性染織家・Oさんも、以前から心ひそかにお会いするチャンスを狙っていた方。
淡いパステルカラー(ご本人いわく"春の色")の草木染めの作品から思い描いた通りの、ふわりと優しいオーラをまとったひと。きっと、このブラウスやショールが似合うのは、他の誰よりも、ご本人だと思う。
特に印象的なのは、茜のビンク。桜の花びらをもっと淡くしたようなものから、紅に近いような濃いものまで、ひとくちにピンクといっても、こんなにたくさんの表情を持っている。
それも、作り出すのは、ひとの手ではなく、自然の力。
染め物は、絵画や彫刻のように、単純に感性やセンスだけでは思い描いたようなカタチにはならない。媒染剤との調合は、もはや完全に「理系」の世界。
自然の恩恵 + 先人たちの知恵 + 化学反応データの集積。うむ、奥が深そう。
今のOさんは、そうした過程すべてを、さらりと楽しんでいるように見える。
どんなコトにも、きっちりとした答えを見つけようとしてしまう、明晰なひと。
その、ひとつ間違うと自分を追いつめてしまいがちな潔癖さが、おそらく染織という、必ずしも「1+1=2」ではない、複雑な要素が絡まりあいながら思いがけない答えに繋がることもあるこの手仕事にであって、ポッと花が咲くように才能が開花されたのだと思う。(勝手な推測につき、間違っていたらゴメンナサイ。)
小さい頃、オシロイバナを浸した液でハンカチを染めた時のワクワクした思いが蘇る。
すぐに影響を受けやすい私。
草木染め.....オモシロソウ♪ ステキ♪♪
ずうずうしくも、次回は作業現場を覗かせて頂く約束まで取りつける。
こんなに取材対象に毎回影響を受けていたら、身体がいくつあっても足りないのだけれど...。
★自然色の染め織り「ノノ・クラフト」
http://www.nonocraft.jp/