先週末はお休みをいただき、ここぞとばかりに飛び回ってきました。
大事な用事もあったのですが、そのほかに、お互いのシタカッタコトをひとつずつ叶えて、充実の2日間でした。
やっぱり、たまにこうして外に出かけてみるのは、自分たちのことを客観的に見直す良い機会にもなると思います。
まだ思うように出来ていないこと、もう少し変えてみる必要のあることが見えてきたり、さらには、出会った場所や人に刺激を受けて、やりたいこと、新しく始めたいことが、ムクムクと胸に膨らみ始めました。
そのなかには、すぐに手をつけられない夢のようなことも含まれているのですが、そういう気持ちも大事に暖めながら、目の前のことをきちんとこなせていけたらいいと思います。
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そうして、すぐに浮き足だって自分の「ネタ帖」に思いついたことを書き留めたり、ねえねえとしつこく相方に同意を求めたりしたがるウカレモノですが、ちょうど、この週末に偶然お会いした素敵なマダムが何気なく言った言葉が、ぴしゃり、と心に響きました。
小さなスペースでおもちゃ箱をひっくり返したように楽しい雑貨のお店を開いているその女性。そのお店の片隅に手づくりのスコーンが置いてあり、私たちの後から来た人が買っていったのにつられて、思わず手を伸ばしました。
彼女自身が焼いたものではなく、お友だちの方に彼女がレシピを伝授して作ってもらっているものだそう。(お話してみると、マダム自身は飲食関係をはじめ、様々な人生経験を持つ方のようなのです。)
「これ、美味しいわよう」と、その人。
「でもね、今の若い人はあれね、すぐにいろんなものを入れたがるからいけないの。
うまく焼けるようになると必ず入れてしまうでしょう、胡桃とかゴマだとか。
私はヤメてって言うの。スコーンは、あとからジャムやクリームをつけて楽しむものだから、それ自体はシンプルでプレーンでなくっちゃ。
第一、それが一番美味しいんだから。」
思わず心の中でウームと唸ってしまいました。
スコーンに限らず、なんでも同じこと。たとえば、お店でも。
少しずつなんとかこなせるようになってくると、つい欲が出て、あれもこれも手を出したくなってしまう。
でも、そうしてしまうことで、徐々にはじめのカタチから遠ざかって、自分たちが大切にしたいと思った本質から離れてしまうこともある...
バリエーションを増やすことより、本当に美味しいシンプルなスコーンをずっと焼き続けることのほうが、数十倍難しいことだと思います。
お店も、なるべくシンプルなハコにして、来てくれる方が様々に味つけして楽しんでもらえるくらいが理想的。
フムフム。よいタイミングでよいことを聞いた気がします。
翌朝、いただいたスコーンが、本当にびっくりするくらい美味しかったことは、付け加えるまでもありません。
あんなスコーンを焼いてみたいなぁ。
それにはまだまだ鍛錬が足りないですが...。
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今年もあっという間に折り返し地点。
一日を、一つの出会いを、大事にしながら、後半に臨みたいと思います。