雨、雨、雨。
昨日は霧のような小糠雨。今朝は時折葉っぱにバラバラと強く音をたてる気まぐれ雨、のち本気雨。
ここのところ週末のたびに降る。
気温にあわせて人影もまばらになった町。紅葉にはまだ早く、夏の勢いを無くした緑の木々がただ寂しく濡れそぼる。
お店も当然のごとく静かで。今年もなんとかがんばってくれそうな初期のアラジンストーブが、デッキのお客さんの足元を弱々しく暖める。
個人的には、ひとりこのアラジンの前を占領して、ブランケットにくるまって、大きなマグいっぱいのカフェオレを飲みながら本を読めたら、それはそれは至福だと思う。こんな雨でも。
あらかじめ開き直ってオコトワリ。これからの季節、この店はほんとに寒い。最低限に暖めはしますが、寒いものは寒い。その寒さも含めてこの場所らしい、ということで、どうぞぬくぬくした格好で冷たい空気の中で飲む珈琲を楽しみに来てください。
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秋の初めはいつもそうだけど、すとん、とヒト恋しいような、心細い気持ちになる。
賑やかなパレードかおみこし行列に一緒に参加していたはずなのに、気づいたらひとり取り残されてしまったような。隊列はもう遠く向こうへ...(サヨウナラ、ライネンマデ。)
今年の秋の始まりは、いつもよりせつない予感をはらんでいるのは気のせいかしら...。
咲きそびれたムクゲの蕾。咲かずに終わるもまた美し。
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季節の変わり目のこんな心もとない雨の日に、ぴったりのアルバム。
Judee Sill、「Live in London」。
芯の強い、それでいて押しつけがましくない、女性らしい包容力あるストレートな歌声が、すーっとお腹に滲みこんでくる。
ライブアルバムなので、曲間にMCやインタビューが入る。そのトーンの抑えた話し声も素敵。
私の生まれた頃のアルバムが、まだこんなにも新鮮に響くなんて。
今日もお店をしながら繰り返し聴いていた。
胸のざわざわも少しだけ落ち着いた。
明日から10月? まぁ驚いちゃう。
スコーンと冴えた秋晴れが待ち遠しい。