昨日までの生温いおかしな低気圧は過ぎて、年末にふさわしいきりっとした冷たさが戻ってきた。
お昼過ぎまで細かい雪が降って、午後には雪は止んだかわりに風がゴォッと吹いて、夕方にはぜんぶ静かになって、すべての音がしなくなった。
夕暮れを待たずに太陽はさっさと雪雲の向こうに隠れて、4時過ぎには見える世界が青一色になり、それも一瞬ですぐに真夜中のようになる。
遠くの家で庭で焚き火をしているオレンジの色だけがちらちら見える。
今年の山の冬は、年末を迎えて、いよいよそれらしく本格的になってきた。
ひとりこの家にいると、浅草とかアメ横とかそうでない普通の街でも人がたくさんいて賑わってる世界が地球の裏側にあるような気がする。
今年はこのまま、明日はちびちびと二人分の簡単おせちを用意して、元日も小屋でひっそり迎える予定。
毎年私だけ極寒を逃げ出して里帰りしたり出かけていたので、二人で過ごすのは実は初めてだったりする。
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今年はなぜかお互いに用意したクリスマスプレゼントが遅れて届き、数日前にそれぞれの手元に。
私→相方。

「サンク・プリュス」で目にして、一度は買わずに離れたものの、やっぱりあのフォルムは可愛かった!と、後から発送してもらったもの。
内寸も測れるメジャーと小さな水平器とコンパスとしても使えるフランス製の工具。
小さい割りに少々ずしっと重たいが、DIY部長のお伴として活躍されることを祈りつつ。
相方→私。

岐阜県の白鳥町というところで作られた曲げわっぱのお弁当箱。
蓋を開ければぷわっとヒノキのいい香り。お弁当を入れて軽くチンすると、さらに匂いがよくなるのだそう。
すべすべした木の感触も気持ちよくて柔らかい。
これで来年はお弁当づくりのための早起きも苦でなくなる...ハズ(?)
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ひさしぶりに本を読む時間ができた。
今年最後の1冊は、川上弘美の「真鶴」。
雪に閉ざされた音のない部屋で一心に読んでいたら、どこかに持っていかれそうになった。静かで激しい狂気のおはなし。
惚れて、宿して、最後にはひとりになる。女の業みたいなものを書かせたらこの人は天下一品。
読み終わり持っていかれそうにそわそわしたので、適当にネットを開いて、「ほぼ日」で糸井さんとタモリの恒例のくだらない対談を見つけて、すぐに緩んで戻ってこれた。
マジメにふざけるオジサンたちが好きだ。
年末はこれくらいのゆるっと加減がちょうどいい。
来年最初に読む本も、もう手元にある。楽しみ、楽しみ。