iBookの調子が悪い。
CDを入れる部分(受け皿が出て来るのではなく、勝手に吸い込まれていくところ)に何かが挟まっているみたいに受け付けてくれない。
修理に出す出さないなどしているうちに、なんとなくPCとのそりが合わなくなって、軽く絶交中。
代わりに本ばかり読んでいた。
アーヴィングの長編、吉本ばなな(あ、よしもとばなな、だったっけ)の新文庫、植村直己の冒険記、孫一先生の独白。
ばなな氏の小説は、続けて何本も読みたいとは思えないのだけど(特にスピリチュアル色が濃いのは体調次第でついていけなかったり)、タイミングのよい時に出会うとスイッチが入って、同じのをなんべんも読み返したくなる。
『
なんくるない』(新潮文庫)も、相方が書店で「これは?」と言わなかったら通り過ぎていたけど、久しぶりのばななワールドにずっぽりはまってズンズン読んだ。(コタツに移動するのも忘れて室温2〜3℃のダイニングの片隅で。)
人生の歯車が狂っちゃった人が沖縄に出会って救われる、と言ってしまってはミもフタもないですが、ずるずる沈みこんでいきそうな人を独特のパワーでぐいっと引き上げるワザは見事。
現状、特に穏やかな人生を過ごしてる私まで、いったん突き落とされて、一緒に救済された。
特に表題作が好きだった。
いかにも「まんま」っぽいセリフでも、実はものすごく言葉を選んで使っているんだな、とヘンなところに感心(大先生に対してナニを言うか!)
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今日、帰宅したら、さらに嬉しい本が2冊届いていた。

ひとつは、かつてお勤めしていたステーショナリーメーカー「DELFONICS」が出した、その名も『
デルフォニックス 文房具の本』(パルコ出版)。
会社創立20周年を機に、これまでのデザインやポリシーを集大成としてまとめた1冊。
ページをめくれば、馴染みの深い商品や販促のツールなどが現れて、たいした貢献もできなかった私ですが、なんだか感慨深い...。
デザインや表現、見せ方というものに対して、とことんこだわる(それこそ1mmの世界まで!)姿勢を教えてくれた社長兼ディレクターのS氏。
寝ても覚めても新しいデザインのことを考えていたS氏の「本当によいものを作りたいなら、そのことを24時間考えていなければいけない(少しニュアンスは違うかもしれないけど)」というコトバが、今もときおり蘇る。
きっとこの本も、24時間つねに頭において、タイトル文字の配置にもミリ単位まで指定をして、大切にカタチにしたのでしょう。
文房具・雑貨が好きな方なら必ず惚れこむ世界の定番アイテムも勢揃い。
ぜひお買い求めあれ!(T、宣伝しといたぞ!)
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さらに、お待ちかねの1冊。
長嶋有さんはじめ若手作家・アーティストによる同人誌の第2弾『イルクーツク2』。
前作は「メルボルン1」、そして今回が「イルクーツク」...
タイトルの付け方から装丁まで、すべてが自由で贅沢な作品集。
2は綴じ方も手がこんでいて豪華。執筆陣にもいしいしんじさんらの名前も。
同人誌、って、今は聞かない愉しい響きだなー。
それにしても「イルクーツク」って、、。正しく発音できても、間違ったんじゃないかという不安がつきまとう。いるつーつく、いくるーくつ、、ぶつぶつ。
巻頭の有さんのお話。今、ある人が見ているコトと思っているコトはそれぞれひとつだけじゃないよなーたしかに、と思う。(普通それを全部書いたら大変なことになるから、登場人物はやたらすっきりと理路整然とした人にならざるを得ないけど。)
慌てて手をかけちゃったから、これからゆっくり読むのだ。魅惑の同人誌を!
詳細は
こちらのページで見られます。