しばらく山に引き蘢っていた反動のように、今月はちょこちょこお出かけ。
特に"海づいて"います。今回は我が家から100kmちょっとの日本海へ。
ただし、海が目的ではありません。
海と、山と、小川と、のどかな里山の風景が広がる谷あいに、この秋生まれたばかりのカフェ&ギャラリー「
tanne(タンネ)」へ。
タンネとは、村の地名「谷根」をそのまま読んだものでもあり、ドイツ語でモミの木という意味もあるのだそう。(そのモミの木がお店の可愛らしいトレードマークになっています。)
「麦小舎」を通じて知り合う事ができた大切なお友だちFさんが、大きな古いおうちを自分たちの手で改装し、時間をかけて丁寧に作り上げたこのお店。
夏の準備まっただ中にお邪魔したときには、まだまだ完成図が見えない頃だったので、どんな変身を遂げたのか楽しみでならなかったのですが、はたしてオープンしたお店は、予想どおりの、いえ、想像以上の素晴らしい空間でした。
建物の隅々にまで、提供してくれるお料理やお菓子の、そしてギャラリーに並ぶ作品のひとつひとつ、すべてに、Fさんの想いがぎゅっと込められていて、だけど決して押し付けがましいものではなく訪ねたひとが思い思いにのびのびできる「幅」や「隙」のような部分もちゃんと残されていて、はぁ、こんな場所が近くに出来た村の人たちはなんて幸せなんだろう、とつくづくため息がこぼれてしまう。
目に見えるもの、見えないものを含めて、Fさんのおもてなしの姿勢に、お店というものの有り様の原点みたいなものを感じました。
Fさん、素敵な空間を作ってくれて、どうもありがとう。
細かな部分は言わないようにしましょう。
この扉を開けたときの胸が高鳴るような気持ちを、みなさんに感じてもらえるように。
私たちもこの先、きっと幾度となくこの扉を開くのだろうと思います。
離れていても、待っていてくれる扉があるということは、とても幸せなことだと思います。