冬の嵐に、家がキシキシと音をたてて揺れている。
麦はそのたびに眼をまんまるに見開いて、なにか独り言を言いながらそこらを走り回ってから、さっさとコタツに逃げ込んだ。
なまぬるい風に、今日が冬至ということも、3日後にはクリスマスということも、どうもぴんとこない。
年も押し迫って、いくつかのことがあった。
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取り返しのつかない大失敗をした。
気持ちのゆるみから、信頼を裏切った。
ぼんやり浮ついたところがあったのだと思う。
泣くべきではなかったけれど、情けなさに涙が出た。
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毎日、必ず一枚、ハンカチを作り続けているひとに会った。
同じサイズの正方形のハンカチを、毎日、一枚。
その前はバッグだった。
昨日とは違う今日をあやふやにはせず、確実に明日に繋げていく。
あやふやさに慣れきっていたところだったので、ため息がでた。
そのひとは最近、名前を変えて再生したばかり。
やることなすこと、潔くて、強い。
変わるぞ、と思って変われるものでもないけれど、
知らず知らずに身につけてしまった余計なものを
削ぎ落す頃合いなのかもしれない。
そうしなければ、きっと来年の今頃もあやふやなままだ。
そろそろ大掃除。
家も、ワタクシも。
(その前に、この風に家ごと吹き飛ばされてしまうかも!もの凄いです。)