満月の夜。雪野原が蒼く照らされています。
冷たい風が強く吹いて、体感温度的には真冬並み...。
そんな春はまだまだ...な山を降りて、今週末はしばしの逃避。
行き先は春も間近の古都、京都です!
思えば京都は10年ぶりくらい。。
カフェ(喫茶)好き、アンティーク好き、散歩好き、祭り好き、
竜馬好き(あ、これはつい最近のことですが...)な
自称オトメ(気持ちだけは...)としては、もう少し足繁く通っていても
よさそうなものですが、とはいえ近い距離ともいえず、
機会を逸したまま時は過ぎ。
今回、相方方の家族親睦旅行の行き先として白羽の矢がたち、
コレ幸い、と一緒に連れて行ってもらうことになりました。
そうしてあらためて「京都」というキーワードで世の中眺めてみると
ホントにみんな、京都が好き♪なものなのですねぇ。
本屋さんには京都ガイドが並び、雑誌のグルメ記事にも必ず登場。
オトメ的セレクトのガイドを挙げてみるだけでも、
甲斐みのりさん、木村衣有子さん、ナカムラユキさん、
最近では伊藤まさこさんまで、京都散歩の指南書は数知れず。
それぞれの目線で、"私だけの”新・旧の魅力を取り上げていて
パラパラ眺めるうちに、ついつい「京都マジック」にかかりそうに...。
そんななか、そうしたオトメ的目線とは一線を画した
面白い「京都案内本」に出会いました。
『
都と京』(酒井順子著、新潮社)。
自らも京都フリークである酒井女史が、二つの「みやこ」を
わかりやすく対極的に(時に西東京出身で生粋の
東オンナである自分を自虐的に見せながら)描いたこのエッセイ。
これまで漠然と感じていた「京都」という特殊な町の実態を
ずばりっと言い当ててくれていて、なんとも爽快。
飄々と毒を放つ語り口に何度もくすくす笑いをこらえつつ、
一気に読み切り、読後はサッパリ。
「一元さんお断り」や「決して本心は見せない」(個人差はあると
思いますが...)などの、なんだか近寄りがたいイメージを
持たれがちな京都の人(特に女性)の、その秘められた理由が
ちょっぴり見えて、なるほどなーと納得。
(念のためお伝えしますが、私の知ってる京都の友人知人は
みんなフレンドリーですけど...笑)
特に、何事もストレートに「みなまで言う」のは"もっさい”とされる、
というくだりには、まさに「みなまで言わ」ねば気の済まない性分の
私なんぞは、完全に京オンナ失格...。えろうすんまへん。
京都在住の方も、京都に憧れ、京都にくじけた(?)人も、
一度読んでみてください。京への旅のお伴にも....。
(私は単行本__坂崎千春の表紙画が素敵!__で読みましたが、
ちょうど今、新潮文庫・今月の新刊、として書店に並んでいます。)
旅__となると、つい情報収集で頭でっかちになっちゃって
肝心なものを見てこれない失敗談の多い私。
今回はなかなかもてない家族で過ごす時間を第一に、
あくせくせずに"はんなり"と、楽しんでこようと思います。