麦小舎に暮らす:くらす
2016-12-28T16:27:27+09:00
linetta
森で、本と珈琲と__。
Excite Blog
2016.12.28
http://mugikoya.exblog.jp/23746352/
2016-12-28T16:00:00+09:00
2016-12-28T16:27:27+09:00
2016-12-28T16:27:27+09:00
linetta
くらす
11月末、今年初めての本格的な雪と同時に今季の営業を終了してから、あっという間にひと月が過ぎてしまいました。
このブログの場で、きちんとお知らせもできていないままでしたので、「お店はまだやっていますか?」という問合せもいくつかいただき、申し訳ありません。
昨年あたりから、手元のスマホで簡単に操作できるSNSの手軽さにはまってしまい、ブログの更新がまばらに。
twitter や instagram では、ちょこちょこと日常のよしなしごとを綴ってはいますが、やはりSNS はあくまでSNS。
空き時間にいじれたり、即座に反応をもらえる楽しみもたしかにあるのですが、どうしても断片的・表面的な言葉や内容になってしまい、ひとつの考えや感情を、「書く」という行為を通して立ち止まってゆっくり掘り下げてみるということが、以前に比べてどんどん希薄になっているように感じます。(もともと思いつきの感情だけで走ってしまうタイプなのに、それがますますとなると… 。)
来年はもう一度このあたりのこと(SNSとの付き合い方や、「どの場で、誰に、何を伝えたいのか」など)整理して見極めたいと思っているのですが、今日はひとまず今年一年のことを簡単に振り返っておこうかと。
(あくまで私個人にとっての、ですが)今年2016年は、これまでと較べて少し「風向きが変わった」一年でした。
具体的にいえば、ちょうど去年の今ごろからゴソゴソと動き始めていた地元・北軽井沢から発信するフリーペーパー(今風にかっこよく言えば「ローカルメディア」!)の発行に携わるようになったこと。と、それに付随して広がった人間関係や、これまでとは違った視点など、もろもろをひっくるめての「風向き」です。
フリーマガジン『きたかる』は、昨冬から活動が始まり、春、夏、秋、と、これまでに3号を発行することができました。
『きたかる』の目的は、私自身が愛してやまないここ北軽井沢の隠れた魅力(場所、歴史、人も含めて)の発掘と発信です。
北軽井沢暮らしが10年を過ぎる頃から、どこかで本格的に手をつけなくてはいけないことだと(勝手に)思いを強くしていたところだったので、そんな機会が舞い込んできたのは、とても嬉しくありがたいことでした。
実際に作り始めるにあたって、尊敬すべき才能にあふれたメンバーと出会えて、この一年でぐっと濃密な時間を過ごせたこともとても大きな変化でした。
小さなお店の店主&フリーのライターという立場的に、組織や集団というものに属さず、ソロでの活動がしばらく続いていたこともあって、ひとつのチームを組んで何かを作る楽しみも、久しぶりに味わうことができて。(本来、私はきっとこっちの場所のほうが合っているのではないかとも思います。)
そして、取材や製作を通じて、ただ暮らしていてもなかなか出会うことのなかった、北軽井沢に住むひとや、この場所に縁あるひととも、少しずつですが接点を持つようになり、距離が近くなったり、幅が広がったり。あらためて、ここにはこんなに個性的で面白いひとがたくさんいたのか、とびっくりさせられてばかりでした。
移住してきてこれまでの10年間、人づきあいよりも大自然のなかで暮らせることにばかり喜びや楽しみを求めていて、それもそれで楽しく今でも気持ちの大半を占めてはいますが、一方で、人と交わることで知ること・見えることの大切さにも、ようやく気づけたような気がしています。
けれどもちろん、人と交わるということは楽しいばかりではなく、厄介だったり面倒なことも運んできます。
今までは、森の中の小さな小屋で、自分の気の合うひとたちとだけ、気の合う話をして笑っていればよかったのに、突然、思いもよらぬ考えをぶつけられたり、聞きたくなかった話も耳に飛び込んできたりします。
ときどき、「あぁ、この居心地のよい場所で気楽にしていたかったなぁ。調子にのってひょこひょこ出て行くんじゃなかったなぁ、このおっちょこちょいめ… 」と思ったこともありました。
でも、逆を言えばそういう経験こそ、この場所での私の暮らしに足りなかったものなのかもしれません。
この山麓の村に、天国のように爽やかで美しい6月と、地獄のように長く凍える2月があるように、ある場所で生活するということは甘さも酸っぱさも苦さもある。
ただただ美しくてきれいな場所や土地なんて、きっとどこにもない。
苦さや酸っぱさも味わった上で、それでもやっぱりここが好きなんだ、と言えたときに、また違う景色が見えてくるのかもしれない。
実際、今もまだ真っ只中の渦中にいるので、偉そうなわかったようなことは言えないのですが、少なくとも去年の年末に見えていなかったものが、一年後の今はうっすら見えるようになっている。
だから、来年以降のこれから、どんなふうな景色が見えるようになるのか、今はすごくシンプルに楽しみでなりません。
そんなふうに楽観的に思えるのも、やっぱりここ北軽井沢という土地が、人間のちっぽけなあれこれを笑い飛ばしてくれるようなおおらかさと、とてつもないパワーを秘めているからだと思います。
少々思うようにいかないことや悩むことがあっても、雲の切れ間から目の前にドーーーンと浅間山が姿を現せば、モヤモヤなんて一瞬で吹き飛ばしてくれる。
この大地の力は、ほんとに最強の味方です。
うしろにこんなでっかい存在がついていてくれるのだから、ちょっとくらい失敗したってヘマしたってどうってことない、どうにかなるさ!と。
浅間山には、「おいおい、自分の能力や努力の足りなさを勝手にこっちに押し付けんなよ。甘えてんじゃねえ!」と怒られて、来年あたり一発どかんと来ちゃうかもしれませんが!
こんなふうに少し風向きの変わった一年。
もうひとつ同時に、特に店をクローズしてからこのひと月に考えていたことがあります。
それは、居場所から外に出てみたことと、矛盾しているような、でも並行してあることでもあるのですが、外に踏み出してみたからこそ、自分の居場所__つまり「麦小舎」という場所を、あらためてもう一度、組み立て直してみなければ… ということです。
それについては、もう長くなってしまったことだし、また次回(たぶん新年明けたら?)... 。
やっぱりときどきはこうして、思いを書き留めておくことも大事だな。
きっと、後から振り返ったときのためにも。
日々のことも、ちょっとずつまたこちらに戻していこうと思いますので、これからもたまに覗いてみてもらえたらと思います。
それまでの間の日常や北軽井沢の風景は、よければこちら▼をご覧ください!
https://www.instagram.com/asakomugi/
それでは、2016年も、無事に、健康に、おおむね楽しく笑って過ごせたことに感謝しつつ。
みなさまもお元気で、よい年をお迎えください!
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10年目の秋の日のこと。
http://mugikoya.exblog.jp/23599335/
2016-11-06T11:00:00+09:00
2016-11-06T11:40:48+09:00
2016-11-06T11:40:48+09:00
linetta
くらす
落葉が進み、空がだいぶ広くなってきました。
この秋の黄葉は、出足も遅く、長雨の影響で早くに枯れてしまった木も多く、なかば諦めていたのですが、眺めていると面白いことに気づきました。
同じ樹種でも、タイミングを見計らってパッときれいに色づくものもあれば、早々に枯れて散るもの、今ごろのんびり色づき始めたものもいたり、とても個性的。
黄葉でも新緑でも、つい森全体で眺めてしまいますが、木、一本一本にも性格や個人差(個木差?)があるということを改めて気付かされます。
もう少しこの景色を眺めていたいけれど、木々の向こうには薄く雪をかぶった浅間山…。(今年は11月1日ぴったりに初冠雪しました。)
もう次の長い長い季節がそろりそろり、忍び寄って来ています。
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慣れないイベントに張り切ってしまった10月。
お祭りが過ぎたあとは、いくつかの仕事に追われながらもなんとなく抜け殻のようにぼんやり。
お礼とご報告も、こんなに遅くなってしまいました。
まずは2年ぶりの開催となった「ブックニック」。
今年は体育の日の1日のみの開催でしたが、お天気にも恵まれ、本と、本を楽しむ人たちとともに、無事和やかに行うことができました。
これも、参加してくださった本屋さんの仲間たちと、ご来場いただいたお客様のおかげです。
他のこうしたブックイベントに較べたら、規模も小さくこじんまりとしたものですが、逆にこれくらいの雰囲気がゆっくり楽しめるとお客さんには言ってもらえたり、本屋さんからは「ほんとうに本が好きな方たちがじっくり選んでくれるのが嬉しい」という言葉をもらいました。
回数を重ねても、なかなか手作り感が抜けず、進歩がないことが気がかりだったので、そう言ってもらえることはとてもありがたく、思い切って再開できてよかったなと思います。
もちろん改良していくべきところはまだまだありますが、あまり何のために、とか、こうあらねば、と難しく考えず、シンプルに「本との出会いは愉しいもの!」という思いを、少しでも多くの人と分かち合える場になれたらいい。あらためてこの1日を通してそう感じました。
また来年以降も、そんな小さな本に集まる輪をつくっていければと思います。どうぞご一緒してくださいませ。
そしてもうひとつ。前日に行った麦小舎10周年感謝祭のマルシェとライブ「10年目の秋の森で。」
こちらは朝まで雨が残り、マルシェやライブ会場を急遽変更するなど、少しバタバタとはなりましたが、この日も私たちにとって記念すべき、忘れられない1日となりました。
マルシェを一緒に盛り上げてくれたのは、麦小舎のこれまでの10年間を、近くから遠くから見守ってくれた方々ばかり。
そんなみなさんですから、始まる前から私たちも大船に乗った気持ちでお任せしっぱなしだったのですが、迎えた当日、それぞれ忙しいにも関わらず個々のすばらしい作品や商品、おいしいモノを用意して、一緒にお客さんを迎えてくれました。
スペースも十分ではなかったり、寒かったりというコンディションのなかでも、終始笑顔で、今この時間を一緒に楽しもうと自然にふるまってくれる。
そのおかげで、小さな店の店内で、庭の片隅で、こじんまりとではあるものの、温かなやりとりや寛ぎの場が生まれました。
後半は、9年前の麦小舎での初ライブ以来、何度となく訪れてくれているtico moonのおふたりによるライブ。
結成15周年を迎えるおふたりの新しいアルバム「arietta」の収録曲を中心に。
9年前は9月なのにとても寒い日で、凍える手を温めながら演奏してくれました。
あのときの胸がいっぱいになった気持ちを今も覚えています。
そして今、3年ぶりに聴くおふたりのハーモニーは、あの日のドキドキとはたしかに別の、頭と胸だけでなく、もっと手や足の先の隅々までじわじわと染み込んでいくような、これまた初めて味わうざわめき。
それまで、10年という月日をあまり意識したことはなかったのですが、同じひとつの場所で聴く音楽の響き方の違い、自分の受け止め方の違いに、形には残らない年月の積み重ねというものの手触りを初めて感じられたような気がしました。
親しい人たちと、美しい音楽と、たくさんの温かい言葉に彩られた一日。
数年ぶりというお客さんにも会えたのも嬉しかったこと。
私たちだけでは決してつくることのできない時間。
同時に、10年前のこの場所でもたぶん作れなかった空間。
感謝祭と銘打っておきながら、感謝すべきギフトをもらってしまったのは私たちのほう。
困っちゃうな。またこの恩返しのために、10年がんばらなくてはならない!
この一日を、「森の写真館」の三菜ちゃん・章三パパの親子カメラマンが、一冊のアルバムに綴じてくれることになりました。
(アルバムは完成したら、この日お世話になった皆さまにもお配りします。)
サンプルでもらったなかからのワンショット。
これが10年目の今の私たち。おかげさまでこうして笑って、ここにいます。
これからも笑って、ここにいたいです。
秋の2日間、ご来場のみなさま、協力いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
お祭りは終わりましたが、麦小舎の今季の営業は11月いっぱいまで。
今月はいつもののんびりオープンをしながら、秋から冬へ、いちばん美しい大好きな季節をゆっくり楽しもうと思います。
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5月の日記。
http://mugikoya.exblog.jp/23158207/
2016-05-20T21:30:00+09:00
2016-05-20T22:21:10+09:00
2016-05-20T12:23:26+09:00
linetta
くらす
GWからあれよあれよと日々が暴走中。
今年はなんだか自然界のペースも速く、カッコウの前にエゾハルゼミが鳴き出したり、早咲きのツツジを追いかけるように、ふだんなら6月半ばが見頃のレンゲツツジがもうあちこちで咲き出して。
木々の緑ももはや新緑というより、一段濃い、夏間近の勢いに。
こんなスピードではあっという間にまた秋が来て寒くなってしまうよ、、、と心配になるほど。
ひと息つけて落ち着くためにも、5月の日々を記録しておきます。
先週の土曜日は、牛たちに会いに。
北軽井沢で毎年5月に開かれる、乳牛の品評会「スプリングショウ」。
岸田衿子さんのエッセイなどで昔の様子を読んでいたけど、実際のものを見たことがなかったので、フリーマガジン「きたかる」の編集仲間と一緒にお邪魔することに。
グラウンドのなかに競馬場のパドックのようなスペースがつくられ、そのまわりに北軽井沢や各地から集まってきたホルスタインがずらり。
年齢ごとにいくつかの部門にわかれて、パドック上に登場し、いくつかのポイントごとに審査される。
関係者の方に聞けば、ここに連れてくる牛は、持ち牛のなかでも自慢のエリートたち。出番直前まで、櫛を入れられたりドライヤーをかけられたり、おめかしにも余念がない。
地元の萩原牧場のお嫁さんNさんが、牛のこと、暮らしのことなど、いろいろ教えてくれた。
Nさんは実家も酪農、小さい頃から牛が好きで好きで仕方なくて、また牛飼いに嫁いだ。お子さんも3人+お腹にもうひとり。その子供たちがまた可愛らしくて、たくさん写真も撮らせてもらった。(次号の「きたかる」をお楽しみに!)
晴れの舞台を迎えた牛たちはみんなピカピカして、身体中からエネルギーがみなぎっている。大きくて、触れたら当たり前だけど温かい。
そして、そのまわりにいるNさんをはじめ酪農に携わる人たちが、みな誇らしげでいい顔をしていて、これぞ北軽井沢の土地に生きてるぞという感じ。
なんだかすごくいいものを見た。見させてもらった。地元のことなのに、まるで知らない世界。
「スプリングショウ」は、もっと一般にも告知して、みんなが見に行ったらいいと思う。
翌日、日曜日は前橋へ。
私たちにとっては毎年この時期恒例になった「敷島。本の森 ブックマルシェ」への出店。
今年は日曜日1日のみだったので、あっという間だったのですが、ひと言で言うなら、本当にここはパラダイス。
松林のなかにてきとうに点在する古本ブース。どこからともなく流れてくるチェロの音や歌声。少し離れた芝生にシートを広げて寝っころがる人たち。笑い声。鳥の声。
チョウチョまで、無防備に葉っぱにとまったままウトウトしていた。
でもって、こんなにピースフルなのに、きちんと本が売り買いされる!(ここは重要なポイント。)
年々、定着して、ちゃんと本が好きで本を求めるひとがやってきてくれる。
「これ、まけてよ」としっかり値切ってくるおじさまもいて(でもこれが本来の古書市の姿)こちらもボンヤリばかりはしていられない。スリリングなのにピースフル!
こんなイベントが、同じ県内で、それも気心知れた友人が企画してくれていることに、感謝と、フフンと自慢したい気持ち。
初めて出店で参加した別の友人が、「なに〜もう〜〜群馬いいじゃん〜〜」とトロけていて、そうですとも!と、勝手に自分のことのように鼻をふくらませておいた。
しかしよその出店者さんを眺めて、自分たちがこのところ古本に力を注げていないことも痛感。もっとがんばらないとなぁ。
主催の「フリッツアートセンター」の土屋くん、小見さん、お疲れさまでした、そしていつもありがとうございます。また来年!!
その翌日、5月16日(月)。
カッコウの初鳴きを聴く。
たぶんこの日が北軽井沢の初鳴きじゃないだろうか。
ほかの鳥たちは忙しげにしているのに、カッコウだけのんびりしていたのでハラハラしていたところ。
よかった。おかえり。がんばって鳴いて、がんばって托卵してください。
そういえば、文中でも何気なく触れているけれど、出来上がった北軽井沢発フリーマガジン「きたかる」のこと、きちんと紹介していなかった。
次で書きます。
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はじまりの一週間。
http://mugikoya.exblog.jp/23130825/
2016-05-10T09:00:00+09:00
2016-05-10T10:09:10+09:00
2016-05-09T17:01:36+09:00
linetta
くらす
いつもより少し遅れて、GWと同時に小舎びらき。
また、生活の一部に「店」のある日常が始まった。
再開ということに加えて、GW期間はいつも少し緊張する。
夏のお盆休みもそうだけれど、ふだんはのんびり閑散とした村が、突然ちょっぴりリゾート風の(この“風の”というところが肝なのだが、)装いになるからだ。
当然、店にも、都会の匂いをさせたままの人たちがやってくる。
休み明けでまだうまく「店」と「家」との切り替えもできていない上に、よそからの匂いやリズムをまとった人たちに合わせようとするからか、毎年この期間中はどうしたってグッタリしてしまっていた。
だけど今年は、そうでもなかった。
開くまではバタバタだったし、久しぶりの接客で肉体的な疲れはあるにはあったけれど、一度、看板を「OPEN」にひっくり返してからは、顔なじみの人とも初めての方とも、なんとなく流れるままに自然と相対することができた。(お客さんの側からどう見えていたかは別として… 。)
それは、私たちがなにかスキルアップしたとかではなくて、ひとえにお客さんのおかげだったと思う。
常連さんと初めての方が平均して半々くらいの割合だったのだけど、久しぶりのハンバーガー目当ての人も、お茶だけ一杯の人も、それぞれが好きなようにこの場所を使ってくれている感じが、なんともいえずちょうどよく、こちらも気負わずにいられた。
こういうの、「気」というのだろうか。
お店でもなんでも、その場に流れる「気」のようなものは、こちら側だけで作り出せるものではない。
スタート時期や連休中はその歯車が狂いやすいのだけど、今年はすんなり漕ぎ出すことができた。
いつからオープンするのかも、いつ開いているのかもわかりずらい店にも関わらず、ただもう、ありがたいと言うしかない。
そして、思い上がりかもしれないけれど、細々とでも長く続けていれば、こんなふうな良い気や時間が自然と流れてくれるようになるのかもしれないなぁ、とも。
「店づくり」みたいなことで、肩に力が入ったり、うまくいかないと悩んだりぼやいたりしたこともあったけれど、もし今、そんなふうに、思い描く理想と現実との間で思い悩んでいる店主さんがたまたま読んでいてくれるなら!
週末だけの期間限定の店のくせに偉そうにと怒られるかもしれないが、「だいじょうぶ。時間がうまいことやってくれます!」とだけは言わせてほしい。
ちょうど今、春の花がいっせいに咲き始めて、庭づくりにも夢中になっているので、それとも重なるのだけど、人間が小手先でやることは、自然の流れや時間にはどうしたってかなわない。
もちろん、店も庭も、心地よくするためにちょこちょこ手入れはしないといけないけれど、大きな部分では時間に委ねるくらいがちょうどいいんだろう。というかむしろ、そうしかできないんだなあ。
と、はじまりの一週間が過ぎて、今ぼんやりと考えているところ。
=====
営業日の中休みには、今年初の山登りへ。
いや、ほんとは山登りのつもりじゃなくて、オットが今、仕事で入っている現場をドライブがてらちょっと覗きに行くという話だったのだけど、これが、散歩もハイキングも越えて、しっかり山登りだった。
長野原町の隣り、六合村(くにむら)の入山地区。この辺りは戦前で時間がとまっているようなディープな界隈なのだけど、その最奥から、長野と新潟との県境近くにある大高山を目指すコース。
一応、登山道として道はついているが、標識の看板も朽ち落ちて、近頃はほとんど歩く人もいない様子。林道が終わると、いきなり胸突き八丁の急登になり、容赦なく連続する。
あえぎながら登る道の両脇にところどころ赤いテープが結びつけられていて、これがオットや職場の人が付けた、これから伐採するためのエリアを示す印。
この急坂(それもクマザサに覆われた薮のなかの斜面)を、日に何度も往復するらしい。
途中、視界が開けると、草津の町から草津白根山、ロープウェイのある横手山頂までの稜線を、東側から一望できた。
大高山の山頂まで行くには、天候も私の体力も持たなそうだったため、途中でお湯をわかしてラーメンを食べて引き返す。それでも片道2時間で標高差500m以上登った。下りきったときには脚は棒のよう。
ふだんの日中、私がパソコンを前にもにゃもにゃと指先だけ動かしている間に、このひとはこんな場所でケモノのように山中を這い回っているのか… と思ったら、尊敬もするし、ちょっと知らないひとを見てるかのような気持ちにもなった。
=====
GW中は雪の舞う寒い日も台風のような風の日もあったけれど、全体としては晴れて暖かい日が多かったので、この一週間だけで春がぐんぐん進んだ。
透き通るような若葉の緑が、だんだん濃く、しっかりとした緑に変わっていく。
2〜3日前、特に気温の高かった日には、もうエゾハルゼミが鳴き出した。
カッコウより早く鳴いたのは初めてのような気がするけれど。
今は、そのカッコウ待ち。
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最後にお知らせ。
今週末の14〜15日の週末は、恒例の「敷島。本の森〜ブックマルシェ」が前橋・敷島公園で!
「キジブックス」は、15日(日)のみお邪魔します。
この時期、あの松林に流れる時間は、それこそえも言われぬ心地よさ。
今回も魅力的な本屋さん大集合に加えて、作家・絲山秋子さんの出店やライブがあったり、スイス在住デザイナー、葵・フーバー・河野さんのトークショーもあるとか!
どうぞお出かけください。
「敷島。本の森」ブックマルシェ 2016
日時:5月14日(土)・15日(日) 11:00am - 夕方
場所:敷島公園 黒松林(上毛新聞敷島球場北側)
「敷島。本の森」ブックマルシェ Facebook
「suiran」(主催のフリッツアートセンター土屋くんブログ)
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じわじわ。そろそろ。
http://mugikoya.exblog.jp/23058687/
2016-04-11T17:30:00+09:00
2016-04-11T17:57:45+09:00
2016-04-11T17:57:45+09:00
linetta
くらす
このページ、雪景色のまま、ひと月ほど放置してしまいました。
ご無沙汰しております。
twitter 上ではボソボソつぶやいておりましたが、3月半ばからしばらく、風邪をこじらせて軽い肺炎をやってしまいました。
新年度に入り、その間に滞らせてしまった仕事や、大詰めを迎えていたプロジェクトでバタバタと。
ハッと気づいたら、まだまだこれからと思っていた北軽井沢の春も、ここ数日でみるみる目に見えて変化が進んでいます。
落ち葉とぬかるみしかなかった地面に、緑の雑草が増え始め、木々の先にも小さな新芽が一日ごとにふくらみ始めています。
一週間前にウグイスの初鳴きを聞き、他にも沢沿いではミソサザイがピルピル大合唱。
浅間山の北面も、わずかな雪形を残すばかりに。(こちらはまだ何度か白くなりそうですが。)
そうは言っても、おそらく関東でいちばん遅い春。
桜もその他の花も、もちろんまだまだ先。日当りのよい庭先で、水仙やクロッカスがようやく蕾を開いたばかり。
この週末、山を降りて、上田や高崎方面の下界に降りたら、どこもかしこも桜、桜、桜!
さらには、ハナモモ、コブシ、モクレン、レンギョウにユキヤナギ、葉の花… と、春爛漫オンパレードの風景に、毎年のことながらびっくりしてしまいました。
しばらく色のない世界に慣れてしまっていたので、目がチカチカして、作り物を見ているように思えてしまうのです。
それにしてもこの時期の、倉渕などの里山の風景は、絵のように美しくて。
自分の庭にはちょっと植えないだろうなぁという、毒々しいほどに鮮やかな赤やピンクや紫の花たちも、ひとつの山里の風景として見ると、いいものだなあ、、、と。
この下界の「桃源郷」の時期も、例年より早い気がするので、北軽井沢の桜も、いつものGWと同時よりもきっと少し早くなりそうです。
GW、という言葉を書きながら、自分でもそわそわ……
そうです、そろそろ今年の「小舎びらき」についてもお伝えしなければなりません!
週末のたびにぽちぽち訪ねてくださる方がいたり、お問合せもあったりで、のんびりでスミマセン。
頭の容量の80%近くを占めていたプロジェクトが、今日(まさしく今日!)、ようやく手を離れる段階まで来ましたので、これで頭を切り替えることができます!(... と、ほろ苦い言い訳を。。)
次の更新の際に、具体的なオープン日程をお伝えしたいと思います。(おそらくGWギリギリのスタートになるでしょう。)
ひとまず、冬眠明けの生存のお知らせと、「今年もやりますよ!」なプレご報告まで!
一週間ほど前の照月湖。まだ眠たそうな景色です。
大好きな雪は融けてしまったけれど、青草が出てきたのでムシャムシャ。
(先日、モモを可愛がってくれるお客様から、冬の間のモモのカットが少ない!と怒られましたので、こんな顔ですがよかったら、、笑)
近くの水辺に葉わさびが出ているのを発見!初めて、葉わさびの醤油漬けを作ってみました。
大人の春の味。
富岡までドライブしたついでに、近くのスーパーでちらし寿司やお弁当を仕入れて、即席お花見ピクニック。
ガオー!なこちらのみなさんも、そろそろお目覚めの頃でしょうか…… 。
(これは「群馬県立自然史博物館」の展示物です。)
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赤毛のアンなら。
http://mugikoya.exblog.jp/22965561/
2016-03-10T18:00:00+09:00
2016-03-10T18:11:10+09:00
2016-03-10T18:07:59+09:00
linetta
くらす
昨日の雪で、枝の一本一本まで真っ白。
アン・シャーリーなら「見て!白銀の女王が最後のお別れにきたのよ。まあ、なんてきれいなんでしょう!」と騒いで、マリラに「いいからさっさと支度おし!」と、ぴしゃりとやられていそうな朝です。
張りついた雪はがちがちに固くて触っても融けません。透明のかりんとうみたい!
春までの道は一歩一歩。
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木こり、見参!
http://mugikoya.exblog.jp/22961505/
2016-03-09T11:30:00+09:00
2016-03-09T11:55:12+09:00
2016-03-09T11:55:12+09:00
linetta
くらす
これまでは、冬の間、毎年のように、なにやら増築工事をやってきたけれど(風呂焚き小屋、ツリーデッキ、物置小屋(現古本小屋)、そしてサンルームなど)、この先しばらくは大きな工事は難しそう。
思い描くことはいろいろあれど、それもまあ仕方ない。これまでいろいろやれてこれただけラッキーだったのだから。
とは言っても、休日だからと完全にサボれない性分。
先日、珍しく晴れた日曜日。
庭の雪もほとんど融けてくれたので、家庭内木こりが出動!
仕事でも伐採、休みの日も伐採では、飽きないの?と思うが、作業自体はほんとに好きなようで。
チェーンソーの扱いなども、だいぶ思う様にやれるようになってきて、色々試してみたくもあるんだろう。
まずは、以前からもうだいぶ弱って傾いていて、葉が庭にかかって夏場は暗くなってしまうミズナラの枝落とし。
長梯子を立てかけてもギリギリの高さを、どうするのかなーと思って見ていたら、チェーンソーを左手一本で持って、なんなく落とす。
おー、なかなかやるじゃん!
私も負けておれん、と、もう一台の軽い方のチェーンソーで、玉切り担当。
枝といってもまあまあの太さがあるので、根元のほうを切るのはけっこうたいへん。
途中、近所のおばあちゃんが散歩がてら覗きに来て「へえ〜、すごいねえ〜」なんて褒めるので、調子に乗ってやめられなくなってしまった!
一本分切ったら、振動で腕がブルブルに。
一人前の木こりへの道は遠い… 。
その間、Yは、家のすぐ隣にあって、これも伸び過ぎて屋根にかかってしまっているミズキに挑戦。
根元が二股に分かれているうちの1本だけ切りたいのだが、方向によっては、家に当たったり、庭に植えた花木を直撃したりしてしまう。
狙えるのはほんのわずかな角度。
倒したい方向にまず切り込みを入れて、反対側から少しずつ歯を入れていく。
ゆっくり傾き始めた幹が、ミシミシ、バリバリっという音を立てて、ドサッと倒れ落ちる。
おっとっと!大事なヒメシャラまでの距離、ほんの数センチっ!
あ、危なかったんじゃない…?というと、ちょっと狙いがずれた、とのこと。
ふむ、まだまだ過信はできぬな…… (笑)。
(Yの名誉のため、位置・角度的にとっても難しいケースだったことを、付け加えておきますが!)
倒れたミズキの切り口は、今がいちばん水分のない時期にも関わらず、しっとりと濡れている。
これが水あげしている夏前などだと、オレンジの樹液がポタポタ溢れ出す、名前のとおり、水の木。
Yたちには笑われてしまいそうだけど、生きていることを示す湿り具合や、倒れるときの悲鳴のようなバキバキ音を聞くと、なんとなくそわそわ、モジモジしてしまう。
きちんと薪にして、ありがたく使わせてもらうから。
ミズキは、繊維がまっすぐで柔らかいので、切った直後でもさくさく割れる。
よく乾かして、来冬以降の蓄えにする。
これ以外にも、細かい雑木をいくつか伐採したので、この夏はいつもより鬱蒼とはならないんじゃないかな。
花を植えられる場所も増えたら、嬉しい。
あまりのポカポカ陽気に、もしや、と雪の融けた花壇を覗いたら、もうチューリップの芽が覗いてる!
この場所にしては早すぎる。今週これからの寒さで凍ってしまわなければいいけれど…。
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百々の野性。
http://mugikoya.exblog.jp/22915479/
2016-02-25T18:00:00+09:00
2016-02-25T18:23:26+09:00
2016-02-24T11:38:19+09:00
linetta
くらす
冬になると、百々が夜鳴き(夜吠え)をする。
先月は特にひどくて、こちらも寝不足続きだったのだが、最近ようやく落ち着いてきて助かっている。
なにしろ、体が大きいと声もでかく、夜の静寂に響き渡る。
私たちが寝られないだけでなく、近所のひとにも申し訳ないので、気が気でない。
一度火がつくと、自分でも止められないようになって吠え続け、私たちがそばに行って、しばらくついていてやるとようやく落ち着く。
時にはそれで止まらないこともあって、一晩に何度も行き来することも。
深夜1時、2時。外は−15℃。
ぬくぬくの布団から這い出て、パジャマの上に何枚も重ねて、懐中電灯を持って外に出て行くのは、なかなかの苦行だ。
3往復するはめになった夜は、苛立ちと寒さで涙が出てきた。(それも瞬時に凍った。)
赤ちゃんの夜泣きの辛さが、すこしわかった気がする。
思わず本人(本犬)に当たりたくなるが、息も切れ切れになっている必死な姿を見ると、そうもいかずに、ただ撫でさすってやるしかできない。
さすりながら、自分もくっついて彼女から暖を取りながら、並んで見上げる夜空の星は凄まじかった。
深夜にわざわざ星を見に出ることはないので、ここまでの凄さであることを忘れていた。
月や星灯りだけで、周囲の雪野原は昼間のように明るい。
自分の家の庭なのに、まったく知らない場所に見える。
こんな世界を、百々はいつもひとり見ているのか。
ついていてやる、と書いたけれど、その夜の世界では完全に私のほうが部外者で、百々に庇護してもらう立場だった。
夜鳴きの原因は、去年は、毎晩のようにやってくるイノシシだった。
今年は、イノシシは現れていないようだが、かわりにキツネがよく来ていると近所の人も言っている。
寒すぎるせいかもと思って、去年はサンルームに寝床を移したりもしたし、今年もあれこれ暖めてやっているけれど、どうもそのせいでもないらしい。
暖かい夜でも吠えるし、極寒の夜にもわざわざ小屋の外で寝ているくらいだから。
やっぱり夜のケモノに反応しているようだ。
そこまで忠実に番犬してくれなくてもよいのだよ、と泣きながら伝えているが、そうは言われても本能なのだから、彼女にしても困るだろう。
寝ぼけながらヨロヨロと出ていく私には見えないものが、きっと彼女にはたくさん見えているのだ。
夜の百々には、昼間のだらしなく寝ている姿とはまったく別人(別犬)の、野性の「気」がみなぎっている。
数日前の夕方のひとり散歩中。
リードと首輪をつないでいるフックがはずれ、(寒さで凍ってうまく噛み合っていなかったようだ、)あ!と思う間に、百々が自由になって走り出した。
やばい、やばい。わたしでは、体重20キロ超えの彼女を捕まえることができない。
慌てて追いかけても、ふざけてもっと遠くに行ってしまうだろう。
なるべく動じていないように見せながら、「モモ!」と呼びかける。
20mくらい先まで一目散に走っていった彼女だが、ふっと、「あれ?なんでついてこないの?」という顔をして、トコトコとこちらに戻ってきた。
こういうところは、おっとりしているというか、少し抜けているというか。
おかげで、すっと首輪をつかんで、掛け直すことができた。
そのあとも、「なんか一瞬、身軽になったような気がするけど、気のせいっすかね」というような、いつものアヘアヘ顔に。
でも、私には見えていた。
あのフリーになって走り出した瞬間の、見たこともない嬉しそうな顔。
たくましく地面を蹴る脚力とバネの強さ。私なんてとても追いつけやしない加速のパワー。
ああ、いつも彼女は、本来出せるはずの能力を、何十分の一にも抑えて、私たちに無理やり付き合ってくれているのだな、ということに、あらためて気づかされた。
付き合ってあげているのは、人間ではなく、犬のほうなのだ。
たとえば、ボール遊びをしているときでも。
最近、テニスボールの両側に縄がついたオモチャで、綱引きをしてよく遊ぶ。
はじめはじゃれてブンブン振り回したりしているけれど、そのうち本気になって、ガルルとうなり声をあげて力を込めて引っ張り始めると、こっちは軽々ひっくり返されてしまう。
ボールを噛んでいる歯にしても、あのままこっちに噛みついてきたら、腕くらい貫通してしまいそうだし、100%の勢いでのしかかってこられたら、肋だって軽く折れる。
うちは、きちんと躾けをしてきましたとはお世辞にもいえないのだけど、それでも彼女はちゃんと知っている。
自分が本能を制御しなかったら、目の前の相手を傷つけてしまうことを。
だから、いくら感情がピークに高まっても、ピッとスイッチを入れ替える。
そんなことは、飼い犬として当然のことだし、彼らとて人間のそばで生きていくためのずる賢い知恵を覚えただけ、と言われたら、それはそうかもしれないけれど。
それでも、もしそのスイッチがなにかの拍子に狂って、彼らがかつての「野性」を思い出したら。
エラそうに飼い主ぶって、生物界の頂点にいるような顔をしている人間なんて、あっという間に滅ぼされてしまいそう。
つい先日も、ウィルスに冒されてゾンビになった人間が人間を襲いまくる映画をテレビで観たけれど、全世界の飼い犬たちを一斉に野性に返らせる方法があれば、そっちのほうがてっとり早い(?)かもしれないくらい。
もちろん、当たり前だけど、そんなことが起こればいいと思っているわけではなくて。
ただ、近頃のまたペットブームで、すっかり人間のおもちゃ化、被写体化にされて、人間の気分のままに買われたり、捨てられたりしている話を見聞きするたびに、本来、彼らが秘めているはずの「野性」を忘れすぎていることに、漠然と怖さも感じてしまう。
個としての強さでいえば、人間よりもずっと強いのに、なにも言わずに本性を抑えて、私たちに付き合ってくれている。
そのことも忘れて、まるで“上から目線”で、生き物界のリーダーのように振る舞っていることの恥ずかしさも。
百々にしても、今さら野に放たれたところで、どうにも生きていけやしないだろう。
でも、時おり見せてくれる「野性の名残り」のサインにだけは、こちらももう少し敏感でいようと思う。
Youtubeに載せられるような面白くて賢い芸当は覚えなくていいから、私たちにはもうすっかり手遅れで届かなくなってしまった野生の世界を覗かせてくれる窓口係を、すぐ隣で、あとしばらくの間、務めてくれたらありがたいな。
5回目の冬を一緒に過ごしながら、そんなことを考えている。
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小正月のごあいさつ。
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2016-01-15T18:00:00+09:00
2016-01-15T18:00:49+09:00
2016-01-13T17:15:04+09:00
linetta
くらす
新年明けてのご挨拶も結局スロースターター…
気づけば、小正月のどんど焼きも終わってしまいました。
今年の正月休みは、春のような暖かさ。(正月3日に、素手で車の水洗いができてしまうなんて、おそらく初めてのこと!)
雪も引き続きまったくありません。
数日前からやっとこの時期らしく冷え込んできて、来週は少し雪も降りそうな予報に。
暖かさと雪のないらくちんさにすっかり体が慣れてしまったので、あらためて気を引き締めなくてはいけません。
北軽井沢暮らしも、今年で12年目。干支もひとめぐりです。
まったくあっという間で驚いてしまいます。
12年だからということでもないのですが、昨年あたりから「節目」を感じることも多くなってきて、この冬はいつにもまして、これまで、と、これから、についていろいろと頭を巡らせています。
新年を機に、すっきりとこれからの目標について書き初めでもして、バーンと張り出したりできればよいのですが、そこまで潔くなれずに、いまだ迷いのど真ん中。
先日もふと、「四十にして惑わずというけれど、こちらに移住をしてきてすぐの10年前くらいのほうが、よっぽど泰然としていられたなあ。今の方が惑ってばかりだ」と気づきました。
ゼロからの新しい生活で、惑っている暇もなく、怖いもの知らずだったとも言えますし、裏を返せば、それだけこちらでの暮らしがある程度、定着したものになってきたからかもしれません。
すったもんだと走り抜けてきて、ふっと立ち止まって、落ち着いてまわりを見回してみて、ここが目指してきた場所だったんだっけ…、と不安になるのは、なにも移住者に限らず、これくらいの年齢になれば誰しも、どんな場所にいても、感じるものなのだろうと思います。
そんなモヤモヤが漂い始めていた昨年、オットYが突然、転職を決めました。
これまで「麦小舎」の週末営業と並行して、農作業、大工、スキー場、郵便配達などなど遍歴を重ねてきましたが、初めての"正社員"という待遇です。
これも、やっぱり同じ惑いを感じ始めていたYなりの決断でした。
(決めたとなると実行の早いのが彼のすごいところです。)
森林組合の仕事は、予想どおり彼には適職だったようで、肉体的にはハードですが、楽しそうに"機嫌良く"(←これってけっこう大事なことです)通っていて、頼もしく、私も心から応援したいと思っています。
問題は、さてお前(私)はどうするの?ということ。
今年の始まりは、その模索からのスタート。
季節柄、引きこもり気味になることも多く、深刻に考え始めると、ひとりずぶずぶと沈みこみそうになってしまう……
なので、日々悩まない日はありませんが、とにかく“動きながら考える”ことにしてみました。
折しも、昨年後半から身近に新たなプロジェクトのようなものも立ち上がっていて、あらたな挑戦の場もいただいています。
あっちにこっちに首をつっこんでフラフラする性分は、いい年をして落ち着かず、こんなはずではなかったのになぁ、、と途方に暮れることもあるのですが、逆にそんなことが許される環境をプラスにとらえて、蛇行しながらも走り続けてみれば、自然と見えてくるものがあるのかも… 。(だったら、いいな…… 小声)
なにやら心もとない新年一発目のご挨拶になっておりますが、ともかくも、今年も山のふもとで道に迷ったりつまずいたりしながらも、よく食べ、よく眠り、よく笑い、よく働き、同じくらいよく遊びながら、進んでいければと思います。
少しずつ具体的なお知らせもしていきたいと思いますので、ときどきは覗いてみてください。
本年も、どうぞよろしくお願い致します!
__小正月なのにまったく雪のない北軽井沢より。
<冒頭の写真>
先週1月8日、上田市の信濃国分寺の「八日堂縁日」で、念願の「蘇民将来符」をいただいてきました!
奈良時代から続くといわれる八日堂特製(?)の木製の護符。
上田に行くとあちこちで見かけるので、ずっと気になる存在だったのですが、ようやくお参りと入手が叶いました。
どうぞ一年、お見守りくださいますように。
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嵐が丘。
http://mugikoya.exblog.jp/22648730/
2015-12-12T11:30:00+09:00
2015-12-12T13:50:11+09:00
2015-12-12T13:47:57+09:00
linetta
くらす
12月11日は、嵐の一日だった。
小雨降る生温い朝。この時期で外の気温が15℃を超えるなんて異常だ。室温より外の方が暖かい。
昼前に暴風雨になる。西の方角、浅間の向こうからゴォォォという音とともに雨の一団がやってきて、続いてザァァァと荒れた風が窓を打つ。
しばらく繰り返したかと思うと、雲が割れて日が差してきて。
そうかと思えばまた空が暗くなり、ゴォォとザァァ。靄がたちこめたり晴れたり。
外の気配が気になって、うちにいても落ち着かない。
15時過ぎ、もう雲は過ぎたかなと、犬を連れて散歩に出る。
出た途端、また雨粒が落ちてきてタイミングを間違えたことを知るが、仕方ない、そのまま進む。
こんな日はいっそ…… と、浅間からの西風がダイレクトに吹いてくる牧草地へ。
雪に埋もれる前の最後に蒔かれた堆肥がところどころに黒いシミをつくり、あちこちにぬかるみができている。
頭上の重たい鉛色の雲。吹きすさぶ風。足元のまだらな黒い模様は、写真で見たスコットランドのピート(泥炭)を掘り出す草原に見えなくもない。
北軽井沢はふだん風はさほど強くはないが、ひとたび嵐になると、その威力は街中にいたのでは体験したこともないような迫力になる。
見渡す180℃、その空と大地が風と一緒になって立ち上がって迫ってくる。
スコットランドや、アイルランドの島々、「嵐が丘」の舞台のイギリス・ヨークシャー地方とか。
わたしのなかの「侘しく色のない風の強い荒涼とした土地」のイメージをひっくるめた(多少乱暴だが)「荒野」の風景に、わたしと犬一匹。
無慈悲っぷりが逆に爽快になってきて(嵐ハイ?)、わざわざ両手を広げて風に打たれまくってみる。
「ヒースクリフ〜〜」と叫びまではしないものの、気分はキャサリン。
これが、周囲が森ばかりでも、田んぼが見えていたりしてもいけない。
舞台装置は、だだっぴろい平原と、足元にはゴロゴロの石、枯れて引きちぎれそうな草花だけ。
耕作に向かない荒れ地だけの特権(?)だ。
そんな荒野の嵐の風景を、国内で、それも関東圏で撮影したい映画監督がいるなら、ぜひ北軽井沢をロケ地にお薦めしたい。(年に数度の嵐の日を見極めるのは難しいかもしれないけれど。)
青空をバックに穏やかに神々しい浅間山や山並みが、冬の北軽井沢の「オモテ」の顔なら、こんな嵐の日の風景は「ウラ」の一面を見たような、ゾクゾクする怪しい美しさ。
頻繁にでは困るけれど、ときどきならまたひとりでやってみたいかも…、「嵐が丘ごっこ」。
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週末。
http://mugikoya.exblog.jp/22621023/
2015-12-06T21:00:00+09:00
2015-12-06T23:21:22+09:00
2015-12-06T23:21:22+09:00
linetta
くらす
雪の重みで庭に落ちていたヤドリギでリースをつくる。
パンを焼く。
近くの雑木林の倒木で薪をつくる。(木口にどこかの世界地図が現れた。)
焚き付け用の小枝を拾う。
チェーンソーの手入れの仕方を習う(ちんぷんかんぷん)。
温泉に行く。
猫と昼寝する。
犬と散歩をする。
何度か空を見上げる。(羊が100匹。)
相方の久しぶりの連休の週末。
カレンダーと無関係のわたしも、ついでにとことんゆっくりしてみた。
寒い寒いと言いながら、ほんとうの冬の手前でゴソゴソするこの季節は、けっこう好きだ。
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開幕。
http://mugikoya.exblog.jp/22578881/
2015-11-29T09:30:00+09:00
2015-11-29T09:51:15+09:00
2015-11-29T09:42:05+09:00
linetta
くらす
2015年の長かった秋も、唐突に終わりが告げられました。
25日(水)の午後、湿った雪がうっすら積もり、こんなものかと安心していたら、翌朝、起きてみればあたり一面、すっぽり銀世界。
北軽井沢で20cmほど。
水っぽい雪だし、気温があがれば融けるだろうとこれまたタカをくくっていたら、気温も上がらない上に北風が冷たく、一向に融けずにガリガリに凍ってしまった。
11月から、さらには初雪でここまでがっちりというのはなかなかない。
囁かれているように、この冬の多雪の前触れなのかな。
「浅間に3回積もれば里にも雪が降る」の言い伝えも、気象の変化で年々アテにできなくなってきてしまった。
雪のあともしばらく雲隠れしていたその浅間山が、昨日の朝、姿を見せた。
秋枯れの丸坊主から、一気に裾まで真っ白のドレスにお召替え。
毎年のことながら、このお色直し後の姿には、寒さも足元の悪さも忘れて、見惚れずにはいられない。
雪をかぶった浅間は、特に北軽井沢側(北東側)からの山容がもっとも美しいと思う。
南面からは中腹より上に帽子をかぶったように見える雪化粧も、こちらからは裾野まで隙間なく白。
向かって左側の滑らかですべすべした山肌と、右側の鬼押出し溶岩流跡のゴツゴツが際立ってみえるのとの対比もたまらない!
山の大きさもいちだんと大きく見える。
初雪の前日までの小春日和を思うとまるで別世界のようだけど、じわじわやられるよりもいっそ清々しいかもしれない。
今年も山麓の冬が始まりました。
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Autumn Colors
http://mugikoya.exblog.jp/22315090/
2015-10-13T20:30:00+09:00
2015-10-13T20:26:27+09:00
2015-10-13T20:26:27+09:00
linetta
くらす
いつものことながら、秋は駆け足で。
気づいたら、朝晩は5℃に満たないことが当たり前に。
「今日だけ特別冷えるから…」と言い訳しながら点けていた石油ストーブやコタツも、もうつべこべ言わずにスイッチオン。
こうして知らず知らず、秋も過ぎて、次のひときわ長い季節に片足ずつ踏み込んでいくのだろうな。
それにしても、今さら言わずもがなではありますが、浅間山麓の秋は美しい。
毎朝、毎夕、犬と近所をひと巡りするだけで、この季節ならではの様々な自然の「色」に出会います。
空気が澄んでいるからなのか。秋は特に「色」にハッとさせられる。
春先に新芽の黄緑を見つける歓びとはまた違う、深みのある色合いのしみじみとした美しさ。
まずは、木の実。
15分ほど歩くだけでも、あちらこちらに、赤、黄、紫、ピンクの実が鈴なり。
秋の野花の女王・リンドウ。ドレスを広げる前からこのエレガントさ!
ビール党からすると「あ、ホップ!」と見るたびに思ってしまうのですが、これはカラハナソウというのだそう。
少し枯れかけて黄ばんだところもきれいなので、無造作にリースっぽく。
今シーズンの自家菜園の最後の収穫。
かぼちゃは、雑草のなか見失いそうになりながらも、ちゃんとまるまる実ってくれました!
このかぼちゃの渋いグリーンもいかにも秋らしい。
今年初めて、試しに苗を植えてみた落花生。いつが収穫時期なのかわからずそのままにしていたのを思い切って引っこ抜いてみると、けっこう立派に実がついてる!
うちの畑の土でもいけることがわかったので、来年は株を増やしてみたい。
目指すは自家製ピーナッツバター!
そして、じわじわと黄色みがかってきた風景。
今年の紅葉(黄葉)のピークは少し早そうです。
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"スコーンっ"の秋。
http://mugikoya.exblog.jp/22241544/
2015-09-29T16:30:00+09:00
2015-09-29T15:57:05+09:00
2015-09-29T15:54:16+09:00
linetta
くらす
会期中にいらしてくださった方には、ありがとうございました。
そもそも、きちんと絵を飾って見せるのは初めてのこと。
それらしい場所でも環境でもなく、大丈夫なんだろうかと心配もありましたが、亜希子さんの協力もあり、なにげなく無造作な感じの在り方が、場所にも、絵にも、自分たちにもしっくりときて、楽しい機会となりました。
連休中には、亜希子さんもたくさんのパンを抱えて、泊まりがけでやってきてくれて、いらしたお客さんと(何も知らずにたまたま来られた方も多かったのですが)絵やパンのこと、山のことをお話ししたり、あとはひたすらスケッチに没頭していたけれど、そんな風景もまた麦小舎にひとつの大切な記憶を残してくれました。
今は、もう絵は次なる会場(富士吉田のゲストハウスSARUYAさん)へ。
ちょっぴり寂しくスースーしちゃいますが、ちょっと物足りなかったくらいがきっとちょうどいいのです。
このあとは、SARUYA、北杜市のギャラリー「chemin du bonneur」、鎌倉の古書店「books moblo」と巡回し、それぞれの個性的な場所でまた違った見せ方がなされるはず。
機会があれば、各所へもお出かけください。
今週末の日曜日、SARUYAでは、展示に絡めたトークイベントも行なわれます。私もお邪魔する予定。楽しみです。
▶https://www.facebook.com/ground2015
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そうして、展示の終了とともに、9月も終わろうとしています。
展示関連のことや、日常のドタバタはいつも通りなのだけど、なんだか今年の9月は比較的ゆっくり穏やかに、秋の始まりの日々を過ごせているな… と思ったら、毎年この時期に行なってきたイベント「BOOK-NiCK」を今年はお休みさせてもらっていたからなのでした。
この夏以降の私たちの生活の変化に伴い、今年はいったん開催は見合わせ。
お問合せもいくつか頂くなど、楽しみにしてくださっていた方には申し訳ありません。
また来季以降、体制を整えて復活できたらいいなと思っています。
ほんとうならば、10月第一週にあたる今週末にも開催を控え、ここ数年は8月も下旬くらいからは手も頭もイベントのことでいっぱいいっぱい!
いつの間に夏が終わって秋が来たのかも気づかないくらいに、キリキリ、どきどき、てんやわんや。
でも、ホンネを言えば、北軽井沢の9月は、ほかより一足早くやってくる秋の足音__紅葉の始まりや、秋の草花や、木の実にキノコ、高い空、ふたたびくっきりとした輪郭が戻ってきた山々の景色など__があちらこちらに聞こえる、大好きな気持ちのいい季節。
今年は、そんなわけで、4年ぶり?5年ぶりくらいに、スコーンっと手放しで身の回りの「秋到来」を、季節の速さそのままに実感できていて、毎日眺める景色がとても新鮮に映ります。
たまには、こんな秋もあってもいいかもしれません… 。
(スコーンっ、と伸び伸びしすぎて、この日記への記録も忘れていたので、これからちびちび、大好きな浅間山麓の秋いろいろを、載せていきますね!)
《近頃の麦小舎の日々は、instagram にて“ほぼ日”更新中です!》
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2週間くらい前。台風明けの青空と、夏ハゼの紅葉。
今年は早くから山葡萄の実がたくさん。モモの大好物なので、散歩中にちょくちょく失敬。
栗ももれなく大豊作。しかし相変わらず小さな山栗なので、剥く労力を思うとなかなか…
近所の牧草地がくるくる刈り取られるのを見学中。
場所によっては、もうこんなに。
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残暑お見舞い。
http://mugikoya.exblog.jp/22016434/
2015-08-12T15:00:00+09:00
2015-08-12T15:36:01+09:00
2015-08-12T15:36:01+09:00
linetta
くらす
8月に入ってからというもの、毎日のように雷雨に見舞われた。
朝のうちはピーカンに晴れて陽射しもかんかん照り。
午後になり、遠くからゴロゴロと雷鳴が聞こえ始め、冷たい風が吹いてきたなと思ったら、あっという間に黒雲が広がり、みるみる暴風雨のただなかに、そして雹。
夏らしい夕立というより、台風のダイジェスト版のような荒々しさ。
先週はこの近くで2回、雹が降り、畑のキャベツやレタスに穴が空いたり、トウモロコシがなぎたおされたり、(どちらも収穫寸前…、)場所によっては土砂が溢れ出したり、短時間のことながら大きな被害が出た。
特に自宅のまわりが荒れた日、県外まで出かけていて夕方戻ってみたら、荒れ果てた庭と畑、そして犬小屋まで冠水し、その脇で、白毛のはずのモモが泥だんごのように真っ黒にずぶ濡れになって途方に暮れていた。
ただでさえ雷が苦手で、少しの雷鳴でも怯えて吠える彼女。可哀想なことをした。(そばにいたとしても何もしてやれなかっただろうけど。)
隣町に住む知人によると、この日、北軽井沢の上の空だけが渦を巻き、そのなかで閃光がぴかぴか暴れまわっていたそう。
晴れていても、いつ嵐に見舞われるかと、落ち着かない一週間だった。
庭も一時、ビオトープ状態に。
散歩中、雷鳴が聞こえ始めると、へたりこんで動かなくなってしまうモモ。
仕方なく抱えて強制連行中!(20kgは重いです!)
喜んでいるように見えるけれど、恐怖のあまりアヘアヘ顔になっているだけ(笑)。
それも立秋を過ぎたら、ぴたりと雨が降らなくなった。
同時にぎらぎらの陽射しもしょぼんとなりをひそめ、昼間の蒸し暑さは残っているものの、朝晩は15℃を下回ることも。
刈り取られた牧草地の上を、トンボの群れが飛び回っている。
浅間北鹿の夏は、たいていお盆くらいまでなのだけど、今年はそれよりも少し早く、嵐といっしょに過ぎ去ってしまったのかも。
困りものの雨も、暑さも、遠ざかってしまうと、それはそれで寂しい。
荒々しいお天気に振り回されているうちに、世の中は夏のバカンス最盛期になっていて、北軽井沢も一年に今だけの賑わいを見せています。
この人並みが去ったら、ほんとにほんとの秋が来てしまうんだな…。
この最盛期にも、相変わらずのマイペース営業の「麦小舎」は、今週も金・土曜日のみのオープンです。
(お問合せをもらったり、実際に来店されてしまう方もいて、申し訳ありません…。)
ただ、今週末の2日間は、久しぶりに店主♂も在店のため、なにやら特別なお食事メニューを仕込もうとしています。
周辺の道路もたいへん混み合うかと思いますが、よろしければ、キコリ店主の顔を見がてら、北軽井沢の今夏のしっぽを最後につかみに来てくださいませ。
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