来る日も来る日も雨つづきの9月。
本来なら爽やかな秋晴れが気持ちよい季節なのに、このまま気づいたら秋が通り過ぎて次の季節がひょっこり顔を出しそうで、ハラハラしてしまいます。
雨のせいだからでもあるのですが、気温はぐんぐん急降下。
先週末から麦小舎の店内でもアラジンストーブを点け始めました。
あの青い輪っかの炎を見ると、はぁ、今年もこの季節がやってきたか、としみじみします。
雨降りの音を聴きながら、頭をぐるぐるしているのは、来月のこと。
ひとつは、2年ぶりに復活となる、本のお祭り「ブックニック」。
こちらの詳細は、
ウェブページでちょこちょこ更新していますので、覗いてみてください。
古本市やおいしいもののブースのほか、今回は初の企画、小さな小さな森の中の映画上映会の開催も決まりました!
入場無料でお子さんも一緒に楽しめる内容になっています。こちらもどうぞお楽しみに。
そしてもうひとつ、その前日に麦小舎にて、当店10周年記念の感謝祭「10年目の秋の森で。」として、マルシェとライブがあります。
イベントの概要は
こちらの投稿をご覧ください。
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正式な意味での10周年は、この夏、7月のことでした。
節目的なことやおおげさなことが苦手なのと、計画性のなさから、そのときは軽やかにスルー(!)してしまいましたが、あらためてちょっと、久しぶりにわいわい賑やかなお祭りっぽいことをしてみたいと欲が出ちゃいました。
そんな唐突な無茶振りのお誘いに応えてくれたのが、アニバーサリーライブをしてくださる tico moon のおふたりと、マルシェに参加してくれるみなさま。
tico moon のライブを初めて麦小舎で行ったのは、オープン2年目の2008年。おそらくこの店でライブということをやったのも初めてだったのでは。(当時のことを綴った日記→
☆)
森のなかに初めて響く音をお客さんと一体となって聴いて、この場所の持つ新たな力に気づかされました。
私たちでも知らなかった風景の扉が、おふたりの奏でる音によって開かれたのです。
初めてのライブが秋だったせいか、以来、秋が来るたびにこの音色が聴けることが楽しみになってしまいました。
「ティコムーンの音楽が日本一、いや世界一似合うのはこの森だ!」と冗談めかして言い続けていますが、今もその気持ちは変わりません!
今回は3年ぶりかな? 少し間が空いてしまったのですが、ちょうどおふたりも15周年記念の新しいアルバムをリリースしたばかり。
ひと足早く、送っていただいたアルバムを繰り返し聴いているのですが、個人的なそうした懐かしさと、結成15年が過ぎても新しい音づくりに挑戦しつづける姿勢に、胸がいっぱいに膨らんでいきます。
アニバーサリーライブにこれ以上ふさわしいアーティストはいません。
ありがたくて、嬉しくて、せつなくて、今からドキドキしています。
そして、マルシェのかたちで、小さなお祭りを一緒に盛り上げてくれる親しい方たち。
以前行っていた「地蔵堂マルシェ」を覚えていらっしゃる方は、懐かしい顔ぶれにも出会って頂けるのではないでしょうか。
いずれも、私たちのお店と、つかず離れず、この10年それぞれの時間を過ごしてこられたメンバーです。
群れて、べったりとした関係が苦手な私たち。親しいといっても、始終お会いしているわけではないのですが、時折、それぞれの活躍ぶりを見たり聞いたりしながら、勝手に自分たちの励みにしていたような距離感。
仲間、なんて呼ぶのはおこがましいので、なんでしょう、単純にさっぱりと先輩とか同期とか。
忘れっぽいたちなので、自分たちが10年、何をしてきたのかはあまり思い出せないのですが(苦笑)、それぞれの方とこの場所で交わした会話や過ごした時間のことは、わりあいと鮮明に憶えています。
それと同時に思うのは、人でも、物でも、音楽でも本でも、根っこの部分で好きなものは、10年経ってもあまり変わらないんだなあということです。
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麦小舎というこの店も、驚くほどほとんど何も変わることなく、10年が過ぎてしまいました。
もちろん、途中、庭にツリーハウスのようなものができたり、横に本屋が現れたり、テラスデッキがサンルームに変わったりと、見かけは多少変わりましたが、やっていることも、ここに流れる時間や空気感のようなものはほとんど代わり映えしないのではないかと。
意識してそうしてきたというより、もともとが無精の面倒くさがりで「変えられなかった」ということがひとつ。
もうひとつは、そもそもこの建物や周囲の環境を含めた「ここ」という場所が、ひとが小手先で何かする以前に、すでにもう、あるがままで十分満たされた場所であったということ。
ほんとうにただただ、阿呆のように、季節が巡るたびに「気持ちいいなあ」「いいところだなあ」と思い続けているうちに、10年が過ぎてしまったのです。
とはいっても、変わっていくものもあります。
人との関係でも、私たちの暮らしという意味でも。
これからの10年が、これまでの10年と同じ、ということも、きっとないでしょう。
これからどう変わっていくのか、自分たちがどうしていきたいのか。それもまだよくわかりません。
ただ、今は、ひとつの通過点である「10年目の秋」という季節を、じっくり味わっておきたい。それだけの気持ちです。
10周年記念といっても、特別な振る舞いができるわけではありません!
前述の参加してくれる方たちと一緒に、ふだんよりはちょっぴり賑やかに、ピクニックのような時間と空間を作れたら… と思っています。
「そういえば最近、麦小舎に行けてないね」という方が、久しぶりに訪ねてくださったらとても嬉しいですが、もちろんこの日が初めてというお客さまも大歓迎です。
ご一緒に、色づき始めた秋の森での一日を楽しみましょう!
(ほんとうに、どうかどうかこの日が晴れてくれますように、これまで10年の行いの悪さを棚にあげて、神様にお祈りするばかり!)
このあと、それぞれのマルシェ参加者の方の詳しいご紹介もUPしていきます。
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長くなりましたが、インビテーションカードのかわりのメッセージとさせていただきます!
10月9日(日)は、「麦小舎」にて。
10月10日(祝)は、北軽井沢ミュージックホールでの「ブックニック」にて。
お会いできることを楽しみにしています。